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第175話 奥へ進む

 リノとミネと別れてから2つほど罠を解除し現在ファーナさんが3つ目の罠の解除に挑んでいる。この階層の罠はどれも火が出るようで魔物もそうだけど全体的に気温が高い。罠の解除をしているファーナさんだけでなく俺も健太もこまめに水分を取らないと厳しいくらいだ。


「…あ」

「おっ 罠解けた?」

「えーとそうじゃないんだけど、どうも私の仕掛けた罠の1つが作動したみたい」


 ここに来るまでの間火が出てくるダンジョンにもとから仕掛けられていた罠を解除し、代わりにファーナさんの罠を設置して進んできた。自分たちが通るのに解除する必要があるし、だからといってそのまま進んで男たちに追いつかれてもまずいからだ。で、その罠の1つが作動…つまり誰かが罠にかかったってことらしい。


「そういえばファーナさん罠って危険な罠設置してたりする?」

「しませんよ…というか出来ないってのが正解かな。ほら、スキルって『合成』すると1段上の物に変わってたでしょう? あれと一緒でどうやら『罠設置』も『合成』しないと罠が弱いみたい」


 その説明に少しだけほっと胸をなでおろした。流石に大けがを負わせたいわけじゃないし、足止めさえできればいいのだからね。


「よし、解けたよー」

「今回は早かったね」

「毎回そうだといいんだけどね…『罠解除』も『合成』すればもっと楽に解除できるようになりそうだよね」


 ファーナさんの言いたいことはわかるのだがスキル入手のために同じ階層を周回することが現在出来ないのだからどうしようもないだろう。もちろんファーナさんもそれはわかっているはずなのでなんとなく口にしただけだとは思う。


「おーい健太進むよー」

「ん、おっけー」


 罠が解除できたのでそれまで角から男たちが来ないか見張っていた健太を呼び戻し俺たちは先へと進むことにした。俺たちが男たちから逃げて帰る方法は3つ。



 1.ぐるっと回って入り口へと戻る。これは男たちがすでに底にいないことが前提だ。

 2.9階層のボスを倒してそこから帰る。

 3.むしろ10階層…ダンジョン事態攻略してしまう。ただこの場合何が起こるかわからない。せいぜい10階層を覗いて帰るくらいだろうか?



 それを歩きながら3人で話し合ったところ地図を見た感じだと1の入り口に戻るのはかなり時間がかかりそうなうえに、さっき健太が見張っていた角はT字だったんだがその反対側から出てくることになるのでその手前で待ち伏せられたら意味がない。ということで却下。

 となると2と3になるわけなんだが…これはまあどっちにしても9階層のボスを倒してからの話になるわけだ。そもそも3人で倒せるのかも分からないのだが入り口に戻れない以上それしか選択肢がない。リノとミネと連絡を取る手段があれば入口へ戻ることも出来るのだろうが、出来ないので仕方がないのだ。

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