第15話 試し切り
次の日また健太が朝早くからやってきた。そしてなぜか俺の隣で一緒に朝ごはんを食べている。遠慮と言うものがないのかおかわりまでして食べ続けていた。先に食べ終わった俺がお茶を飲みながら見ているのにまったく気にした様子はない。
「よっすーこの後プレハブな?」
その意見には賛成だ。ダンジョンのことはどうでもいいのだがそこは俺のプライベートルームだ。早く夜でも使えるようにしておきたいところだしな。
まだ食べている健太は放置して俺は先にプレハブへ向かった。中を見回し俺はため息をつく。まだ室内は寂しく、そして暑い…明かりだけ解決してもだめかもしれない。
視界の端に地下への階段が入る。昨日の女性は結局帰れたのかそれだけが気がかりだ。
「お、よっすーダンジョン行く気満々だね!」
食事を終えた健太がやってきた。部屋に入って早々酷い勘違いを口走る。俺はダンジョンに行きたいなんて一言も言ったことはない。
「昨日の女の人がどうなったのかよっすーが気にしないわけないしね」
「ぐっ……」
的をつかれ言葉に詰まる。さすが幼馴染と言うところか。俺が女性のことを気に掛けていたことを見抜かれていた。
「…確認が目的だからな?」
「んじゃいこうぜ~」
プレハブの更なる改良を後回しにし、俺と健太は地下への階段を下りて行った。
今回ダンジョンへ入るのは女性の確認と昨日買った健太のナイフの試し切りと言うことになった訳だが…
「うわわわわわわあ…っ」
うん…健太が一生懸命ナイフを振っているがやっぱりスライムは核を移動させ当てることが出来ない。ステータスと言うものがあるくらいだから武器が変わろうと当てることが出来なければ結局宝の持ち腐れということなんだろう。
「普通に狩れるようになるのはレベルがいくつくらいなんだろうね~」
「あーくそっ無駄金使ったー!!」
健太がわかりやすく落ち込んでいるがまあ…試さないとわからなかったんだろうししかたない。それにしても…昨日の女性は見かけないな。
ダンジョンの中を真っ直ぐ進み昨日進んだあたりまですでに来ているが、女性の姿は見当たらない。
まああれだ…そもそも女性がここに何しに来ていたのか俺たちは理由を知らない。俺のプレハブの出入りもどうなってるのか不明。それに、囲まれていたとはいえスライムに負けるほど弱い人が1人でこんなところに来るのもどう考えてもおかしいのだ。
昨日より少しだけ先へと進んだところで今日は引き返すことにした。また明日女性を探しがてら来ることになる。
ダンジョンから戻ると今日は早めに解散をして俺はプレハブの改良、健太は課題をやるために家へと帰った。
どうやら課題を全然やっていなかったみたいで、俺が課題進めないとダンジョン許可しないといったら慌てて帰っていったからな。まあ、がんばれ?




