第13話 通じた!
ステータス画面のようなのをじっと眺めていると女性が横から手をだし『言語理解』をONにした。つい眺めていたがもともとそれが目的だったことを俺はすっかり忘れていたのだ。
「どう…かな。私の言葉わかる?」
先ほどまでわからなかった女性の言葉がちゃんと聞き取れる内容に変わっていた。驚き両目をパチパチと瞬きをする。
「お…すごいわかる」
「え、マジで!俺もやろーっと」
俺の反応に満足したのか女性が頷いている。その傍ら健太がタッチパネルの操作を始めた。
「あのっ…助けていただいてありがとうございましたっ」
「なんだこれ~レベルとかあるのか!ゲームみたいだなっ」
「いえ、怪我とか大丈夫?」
「うわっは、俺レベル2だってよえぇ~~」
「「………」」
健太うるせぇー…女性が引いてるじゃないか。
「は、はい…傷薬飲めば直ぐ治ります」
腰の辺りにあるポーチから1本の瓶を取り出すと蓋を開け、女性はそれを一気に飲み干す。その瞬間女性の体が軽く光り見る見るうちに火傷や擦り傷が治っていった。
「あはは…まあ、服とかは直らないんですけどねっ」
その薬の効果に驚いた俺は女性の言葉が耳に入っていなかった。だって一瞬で回復する薬だぜ?こんなもん見たら誰もが驚くだろ…
気がつくと女性がじっとこっちを見ている。服を押さえている様子に気がついた俺はあわてて着ていた自分のTシャツを脱いで差し出した。
「ちょっと汗臭いかもだけど…その上から着るといいよ」
「え…っでも、そうしたらあなたが困るんじゃ…」
「いやいいよ、今日はもうこのまま帰るし。出たら直ぐ家があるしな」
「あ、ありがとう…」
女性はお礼を言うと俺のTシャツを頭から被った。穴が空いていた部分があらかた隠れ、ちょっとぶかぶかだが女性は嬉しそうに微笑んだ。
「よし、健太帰るぞー」
「あ、私も帰ります。装備整え直さないといけないし」
健太はまだタッチパネルを眺めていたらしく、俺が声をかけるまで周りが見えてなかったようだ。
「ん…?よっすーなんで裸族…」
「いいから帰るぞっ」
パネル操作を健太に任せ出口が開くのを待つ。振動が収まると目の前にぽっかりと出口が開いていた。
俺たちはその出口へと向かい外へ出る。チラリと背後を見ると助けた女性も一緒に出るようで、後ろからついてきていた。
外から射す光りが少しある分外に出ると明るく、少しだけ眩しく感じ目を細める。俺たちが出口をくぐって少しするとその穴は振動とともに閉じた。
「あれ…あの女の人は??」
一緒に出て来たはずの女性の姿がなくあたりをキョロキョロと見回す。薄暗いとはいえそれほど広い場所じゃないのに女性の姿はなかった。
それから女性が出てくることを少しそこで待ってみたが一向に現れず…まるで夢でも見たかのように思えた。




