第11話 秘密兵器
健太がリュックから取り出した紙袋。それのどこが秘密兵器なのかわからないが、おもむろに手をつっこむと中から細長いガスライターを取り出した。
「それが…秘密兵器??」
「いやいや待ちたまへ。これだけじゃない」
再び紙袋に手を入れると今度は小ぶりな箱を取り出した。それはどう見ても…
「…爆竹」
「ああ、こうやって使うんだ」
健太は左手に持っていた盾(?)をスライムにかぶせ、火をつけた爆竹をその中に放り込んで、上から押さえた。
バババババッと盾(?)の中で篭った音を出しつつ爆竹がはぜている。その様子を眺めていると健太はこちらを向いてにやりと笑った。…気持ち悪いなおい。
「スライム講義~スライムは物理より魔法などの属性のあるもののがよく効く!」
「それで…?」
「でも魔法はない!」
「ないな」
「で、これよ…火花と爆発で衝撃の2段がまえ!」
健太がどや顔でこっち見ててうざい…つまりは火花で『火』という属性で攻撃したといいたいわけなんだな。ため息を付き俺は今思っていることをそのまま口に出した。
「あのさ…ちょっとそれかしてみ?」
先ほど使われた細長いガスライターを健太から借りると俺はおもむろにそのライターの火をスライムに押し付けた。するとスライムはどろどろと溶け出し、後には核の部分だけがその場に転がっている。
「…これじゃだめなのか?」
「は…わ、うえぇ?!あーえーと…そうだ、核!!残ってるだろ?それってスライム死んでるのか?」
「んーどうだろう?」
「ほら、爆竹のほう核も破壊してるし、この方が確実だ!」
盾(?)を持ち上げ中の様子を見ると確かにスライムは跡形もなくなって何もない。それを確認したあと核だけが残ったほうを眺めると、だんだんまた周りにプルプルした部分が出来始めていた。
「やっぱり!核が残ってると復活しちゃうな。それなら俺の倒し方のほうが確実だーっ」
「……ちょっとナイフも貸して」
プルプルが完全に復活する前に俺は借りたナイフで核を突き刺した。どうやらプルプルが復活しないとスライムは移動も出来ないみたいだな。
「いちいち蓋して爆竹よりこの方が早くね?こうなると移動出来ないみたいだし、ナイフでも当たるぞ」
流石にこの言葉には健太はがっくりと項垂れてしまった。「折角かんがえたのにぃぃ~~」とつぶやいている。
「ん…なんだこれ?」
今倒したスライムのいた場所に丸くて薄っすらと青いガラス玉みたいなものが落ちている。ビー玉みたいに見えるがそれよりも大きくピンポン玉くらいのサイズだった。
もちろんそれが何なのかわからないがいわゆるドロップアイテムと言うものということだけは理解出来たのでとりあえずポケットにしまっておいた。




