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第105話 ロープの長さ

 リノとミネの話をあわせるとこういうことらしい。ミネがリノに魔法をかけて水の中で歩けるようにする。まあこの2人は泳げないので歩けたほうがいいのは間違いがないだろう。そしてその魔法は水中呼吸も可能なんだそうだ。じゃあなんで水溜りで溺れてたんだって話になるんだが、呼吸が出来ても泳げないから地上に出れなかったんだそうだ。まあそりゃそうか。


「で、どうやって水から出入りするつもりなんだ?泳げないのに…」

「木たくさんあるし、ロープ縛る」


 なるほどロープで上ってくるって事か。たしかにそれなら泳げなくても大丈夫そうだな。俺達はこれに納得すると早速ミネがリノに魔法をかけた。見た感じ薄っすらと緑色にリノの周りが光っている。


「いってくる…」

「よろしくなーっ」


 健太がぶんぶんと手を振りリノを見送っていた。まあ探すことは出来るだろうが見つけた後はどうするつもりなんだろうな~とか気になるが、まあきっと何か策があるんだろう。

 リノが水に入って3分もするとロープを伝ってリノが戻ってきた。濡れた顔と髪の毛をふき取るとリノは真剣な顔をして俺達のほうに向き合った。


「これ…ロープ、短い、わね…」

「「「「………」」」」


 あれか、そもそも木から海までに少し距離があるからそこで余計に使っちゃってるんだな。もっと長いロープがいるのか…売っているかな?


「とりあえず今日は各自ロープ長いものを用意してくるってことで今日は解散かな」

「しかたなし…」

「ところでさ、その新しくきた3人ってどんな感じなんだ?強そう?」

「あれは私達より全然強いと思うわよ。というかこんな初級ダンジョンに来る意味がわからないくらいなのよ」

「そう、ミネの言うとおり。ありえない」


 ふむ…強いやつが来るダンジョンじゃないのに強いやつが何故か来ているってことか…こいつらがもしかして例の貴族の関係者なのか??リノとミネは別の理由があってここへ来ているみたいだし、もしかするかもしれんな。まあリノとミネのような理由なら強いやつでも関係なくなるかもだがな。


 今日は解散となり俺は健太と別れるといつものように風呂と夕食を済ませまたダンジョンへ来ていた。今回はまた鱗集めには違いないのだが、一緒に行動することになったのでリノとミネの分も用意しようと思ったから来ている。とりあえず1つ分ずつでいいだろうか。まあ同じことの繰り返しなので飽きたらやめるし出来なかったらまた明日ってことで。

 俺は定位置に座ると今日もバットを振りはじめた。

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