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第1話 プレハブ掃除



 それは暑い夏の日だった。俺は自分の部屋が欲しく頼んだところ庭にある使っていないプレハブで出来た建物を貰った。掃除と片付けを全部自分でやることが条件だ。


 「どうせあんたの要らなくなった教科書や漫画雑誌が置いてあるくらいだからねぇ」と言われ、今後ちゃんと自分でそれらを何とかすればいいと言うことだ。


 貰った鍵でプレハブの入り口を開けるとドアノブをひねり中を覗いてみる。うん…中は薄暗いな。倉庫にしてたくらいだから電気は通していないってことだ。これじゃあ片付けても夜とか使えないじゃないか…まあ何か明かりを置くか電気を通してもらうかしないとだめだな。


 そんなことを考えながら中へ足を踏み入れる。一応部屋にするつもりなので靴を脱いで入ったら靴下が真っ黒になった…


「げ…床掃除するまで脱ぐんじゃないなこれは…」


 掃除をするにしてもまずは中にある荷物を見て処分するものとかを確認しないといけない。ビニール紐で縛られている雑誌や古い教科書などをとりあえずプレハブの外へとだしてから掃除をしようと行動を開始した。


「……ん?」


 数往復雑誌の束を外へと出したときにそれに気がついた。プレハブに入って右奥あたりに大きな穴が空いていた。古くなっていて床が抜けてしまったのかもしれない。近づいて穴の中を覗きこむが暗くてよく見えない。


 一度家の中へ戻り懐中電灯を持ってくるとまずは建物の下を覗き込む。だがこちら側に穴は開いていないみたいだ。


「よかった貫通はしてないみたいだ」


 ほっと胸を撫で下ろし再びプレハブの中へと戻る。今度は穴のほうから懐中電灯で照らして中を覗く。するとそこには階段が奥へと続いていた…


「え…?いやでも……は?」


 もう一度外へ出てプレハブの下を懐中電灯で照らすがやはり穴は開いていない。


「そんなばかな…」


 何度見ても外からだと開いていないのに中からだと奥に続く階段がある。穴を見つめどうしようかと悩んでいると背後から声がかかった。


「よっすー何してんの?」

「健太…?」

「おっす。おばさんに聞いたらこっちにいるって言うから来たんだが、片付けしてたんじゃねーの?」


 懐中電灯を持って立ち尽くしていた俺は健太が来たことでほっとしていた。


「片付けしないんならどっか遊びいこうぜーっ」

「いや、片付けはしたいんだが…まあこれ見てくれよ」


 俺は懐中電灯の明かりを床に開いている穴に向け中を照らした。 するとやはり中には下へと続く階段が見える。それを一緒に眺めている健太は目をパチパチと高速瞬きをし、こんなことを口走ったのだ。


「地下があるプレハブとかってすげぇな…」

「地下っておいおい…普通に考えて壊れた床の穴だろうがっ」


 外に出てプレハブの床が地面に繋がっていないことを証明すると、再びプレハブの中へと戻る。


「…な?」

「……ふむ」


 くいっと健太は眼鏡の位置を直すとプレハブから出てどこかへ行ってしまった。


 再び1人になってしまった俺はぼんやりと穴を眺めどうしようか思案する。


「降りて確認するしかない…か?」

「まあそうなるわな」

「うをっ」


 独り言をつぶやいていたら健太が戻ってきていた。急に喋るもんだから驚いてびくついてしまった、ちょっと恥ずかしい。


「俺もついてこうと思ってな、ほら懐中電灯。あと…軍手?それと水と携帯食料持ってきたわ」

「懐中電灯はわかるが、他はなんでだ…」

「え、こういったとこはいるなら少しぐらい準備したほうがんいいんじゃないかなーと?」


 ま、まあいいか…準備もできたところで、俺達はその階段を一段一段確実に地下へと降りていった。



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