プロローグ
異世界転生ものです。
よろしくお願いします。
ーーもし、異世界に行けるとして。三つのチート(能力)をもらえるとしたら、何を望む?
私、宮良さくらはものすごく悩んでいる。
辺りは真っ白な空間、目の前には淡く光る猫型のなにか。
たぶん、神様とかそういう存在なんだと思う。
私はどうも死んでしまったらしい。
仕事帰り、いつものように愛車を走らせていたら、いきなり目の前に子猫が飛び出してきたのだ。
猫好きの私はとっさにハンドルを切ってーーそして意識を失った。
気がついた時にはこの真っ白な空間で、ぼんやり立っていたのだ。
遠くに光が見えて、そこへ行けばいいことも、自分が死んだのもなんとなくわかっていた。
悲しくて、しばらく泣いた後、光の元へ行こうとした。
そこにふらりとやってきたのが、この発光猫だった。
「にゃあ」
猫は私に、お礼を言ってきた。
にゃあ、としか鳴いてないのに、なぜかありがとうと言われたと感じたのだ。
驚いたけどーーここは死後の世界だし、と受け入れた。
その後いろいろと話をして、異世界に転生させてもらえることになった。
異世界なら、私のままーーこの意識と記憶を持ったまま生まれ変わることが出来ると聞いたからだ。
私はまだ26。このまま死んでしまうのは、淋しかったのだ。
そして、最後に三つの能力をプレゼントしてくれると聞いて悩んでいるのだった。
「うーん、どうしよう。異世界で役立つ能力。うーん」
「みゃあ」
「えっ!? もう時間が無い!? えーと、えーと、じゃあ、この三つで!」
「みみゃあ」
「もう行かないと駄目? わかった。ありがとう!」
私がお礼を言ったとたん、辺りが真っ暗になって意識を失った。
私が選んだ能力はーー。
鑑定、言語理解、アイテムボックス。
この三つだった。