表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/21

第8話:今回は会議で大魔王と一緒です? 

 月日は流れ、季節は春へと移り変わり大魔王領エルネシアは、以前にもまして平和な日々が続いていた。


 ひとむかし前までは魔境と呼ばれ、到底人が住めるような場所ではなく土地も荒れ果てていた。

 それに、魔獣も多く出没していてた。


 それが今現在は、人々が行き来している。

 その人々は魔族をはじめする、人族、獣人族、妖精族と多種多様である。


 ここが以前魔境と呼ばれていた、荒れ果てた土地とは誰も思わない。


 わずか数年でここまで変えたのは、他でもない大魔王エリザベート・フォン・エルネシアである。


 そして以前会った飢饉の状態で餓死者を出していた領地は、元の状態を取り戻し作物が取れはじめていた。

 今はまだ少ないが領民も元のように増えていっている。


 そこでこの状態に陥れた、元領主にして魔王候補の男アルデがどうなったかと言うと、実はまだ生きている。

 今は大魔王城外にあるダンジョンの探索と攻略を行なう、騎士団に入隊して日々精進しておのれを磨いている。


 何故あんなにも酷い行ないをやって処罰されずに生きているかと言うと、あの後大魔王であるエリザが出席している中で、処罰を与える会議を行なっていた。


 そこには何故か、今回謀反を犯したアルデを静め捕らえた少年アレスも同席していた。

 もちろんエリザの膝の上に座っていた。


「でっ、その飢饉を犯して、先の収集時に逃げ出そうとした馬鹿者はどうする?それになにやらセリカを人質としてさらわれかけたとか」

 エリザが冷たい視線を送り、会議に集まっていた者達を威嚇していた。

「はい、あの者は直ちに死罪を言い渡し処分しようと思っております」

 その言葉を受けて、今度は黙ったまま怒りの魔王の波動、覇気を漏らしていた。


 会議に出ていた重鎮達は、なにがいけないのか解らず困惑して顔を伏せている。


 そこで全ての罪を、その謀反を犯したアルデに押し付けて、今回の事を無かった事にしようとしている。


 実を言うと今回の飢饉の発生には、裏があり(もと)(ただ)せば元大魔王の幹部達が引き起こした事件が関係していた。これ説明すると長くなるので結論から言うと盗賊に襲わさせて人為的発生させた飢饉であった事が秘密裏に解っていた。


 しかしそうとは知らず、ふんぞりかえっていた元大魔王の幹部であり相談役でもある魔族の老人連中が、すべてをアデルに押し付けようと高を括っていた。


 それを知っていたエリザは、にらみを利かせその者達を黙らした。

 だが、内心どの領土を預かる者達も、我関与せずと言う風でほとんどが黙ってそっぽを向いていた。


 その中で現魔王達は、同情する所もあると言う者もいる。

 なら温情として魔王候補から外して、もっとも過酷と言われる地で位置から領土を開拓させるか、もしくは兵士の位まで格下げするかの二択にする事にした。


 すると、先程から大人しく見ていたアレスが不満をもらした。

「それじゃだめだよ。あの人だけに罪を背負わせるのは、みんな平等に罰を与えないと・・・」


 ニコニコと笑顔を向けて語った言葉に、元大魔王の幹部であり相談役でもある魔族の老人連中が現魔王達を見て。

「そっ、そうですな。確かに奴だけでなくこの者達にも、罰を与えなくてはいけないですな」

 その言葉を聞いてアレスは首を横に振り否定した。

 このときエリザもその言葉を聞き不満に思っていたが、ここはアレスに任せてみようと考えていた。


 元大魔王の幹部であり相談役でもある魔族の老人連中も、先のアデルの行動をあの現場で見ていて、その時のアレスの力を確認していたので下手な事をいえないと解っていた。

「なら、どの者に平等に罰を与えると言うのですかな?」

 アレスはその言葉を聞き、指を差して答えた。

「あなた達ですよ。おじいちゃんたち。一番の元凶である元大魔王の腰巾着にして、エリザ姉ちゃんを困らそうとしてる人達にですよ」

 この言葉を出した時、周りの魔王達もそうだったが、元大魔王の幹部であり相談役でもある魔族の老人達が非常に驚いた顔をしていた。

 ただエリザだけは、この事実を知っていたが確証が持てなかった。

『えっ、しかしなんでアーくんがこの事を知っていたの?・・・ならこのチャンスを利用して』

「ほぉぉ、なにか、あの飢饉はあなた達の所業で、私を困らそうとしていたのか」

 冷たい視線を送りつつ睨み付けた。


 すると、今回の飢饉を誘導した老人達が青ざめて声を出せなくなっていた。

 と、言うよりも気絶していた。


 何故気絶していたかと言うと、アレスの持つ特殊能力による力であった。

 その力とは嘘ついている者や、もしくはエリザに牙をむこうとする輩に自分の覇気を直接喰らわす能力であった。

 このとき老人達は、ばれてしまったと思い、この際だから現大魔王であるエリザを亡き者にしてくれようと考えていたが、その願いは叶わず気絶していたのだ。

 まあ、もし気絶しないで亡き者にしようとしても力の差が有り過ぎるので出来なかったはずだ。


 そんな事とは、みんな知らずにその気絶した老人達を解放している。

 すると、介抱していた1人の魔王ルイザが声を上げた。

「んっ、何ですかこの手帳は?・・・皆さん!これを・・」

 何かを記載した手帳と、映像を記録しておく水晶球を見つけみんなの前にだした。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ