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第4話:大魔王に育てられています? 2


 そして、大魔王エリザが少年を抱いたまま退室してから、親衛隊ヴァルキリーで参謀であるセシリーと親衛隊ヴァルキリーの一団が玉座の前に移動して領域の領主と魔王と魔王候補達に向け。


「大魔王の指示である。この場所でこのような事態を行なった愚か者を、ここにつるし上げよ」

 と大魔王エリザより言われた事を実行する様に指示を出した。


 現在各所をまとめあげる魔王達4名は、しぶしぶその指示に従い、魔王候補と領主に直ちに申し出るように覇気を使い脅しかけた。


「今回の件、何処の領地で、誰が行なったか正直答えよ」

 現魔王の4人のリーダー的存在で、大魔王に一番近い女性魔王、ルイザが声をあげ。


「我々の預かり知らぬところで、そのような失態は許されぬ」

 次に力こそ他の魔王には劣るが、膨大な知識と知恵を持つ同じく女性魔王のメルテが続けて声を上げた。


 他の2人の魔王は、男性であり1人は無口であるが民達に絶大な信頼を寄せられた、魔王レドル。

 それともう1人は、口数は非常に少ないが部下に慕われ、弱気者には優しく姿の美形でかなりの魔力を持つ、魔王カイザーである。


 この4名の魔王達はしぶしぶ指示に従ったが、実際のところ、この事態は見過ごせず魔王候補と領主に無言の威嚇と冷たい視線を常に向けている状態だった。


 すると、魔王候補の中から反論する声が上がった。

「何故我々魔族がそのような些細な事で、この様な目にあうのは非常におかしい。この場合おかしいのは大魔王であり飢饉の方等どうでも良いのではないか」

 と、反論しそれに呼応するように周りの魔王候補が「そうだそうだ」と言いだした。


 すると、現在は小さな都市の領主をしているが、以前まで魔王としてまとめあげていた一人の男が、魔王候補達に向けて。

「それは違う。飢饉を発生させ民が減ってしまう。それにその分の収入が無くなり、最後は自分達の首を絞めるのと同じだ」

 そう言葉を掛け続けて、違う領主が魔王候補に。

「領土とは我らの物ではなく、民がいるから領土が増え、領土が平和なら民も増える。自分が良ければと考えていると酷い目にあうぞ」


 その言葉を掛けて来たのは、今のエリザが大魔王に即位する前に、自分の領土で飢饉を発生させ民を見殺しにして放置していた領主だった。この領主もその当時は魔王候補まで上り詰めいい気になっていた。

 そして最初は、先程魔王候補達が言うように些細な事だと思い放置していたが、それが連鎖していき最後は領民が少数になりどうしようも無くなり反省して。

 当時大魔王候補だった魔王のエリザに相談して今の状態まで回復した事実があったのである。


 そして、魔王候補達は、その話を聞き大人しくなったが、1人だけどうしても納得いっていないものがいた。


 そう今回の飢饉を起こした人物その人であった。

『このままではやりたい放題していた事が明らかになり、最悪死罪になってしまう。いかんぞ、いかん何とかしないと』

 その魔王候補で飢饉を起こした男は、このままでは今まで隠してきた事が、ばれてしまうと考え如何にか打開策が無いかキョロキョロと見渡していた。


 するとこの謁見の間の横で、まだ椅子に座っている人族の二人の少女と人族の女性がいるのに気が付き、醜悪に顔をにやつかせた。

『チャーンス!この女達を人質に逃げ出そう、今の我の力なら逃げれさえすれば・・・』

 そうこの時、つるし上げられれば恐らく死罪は免れず、二度と蘇える事が出来ないだろうと考えていた。


 魔族は比較的に死んだとしても、魂、アストラル体が無事ならば蘇える事は可能である。

 ただ、力は大半は失われてしまうだが、復活すれば如何にか出来ていた。


 それにこの魔王候補の男は現魔王の4人うち3人なら1対1で戦えば倒せる自身が有ったのだ。

 実際にその実力は魔王になってもおかしくなかったのだが、性格と民の信頼が薄いので魔王までなれずにいた。

 今回の飢饉も実際には救えた民を、救わず自分の言う事を聞かないと言う理由で見捨てたのだった。


 この魔王候補の男は、魔王4名と親衛隊ヴァルキリー達に気が付かれない様に少女達の方に近づいていた。


 そして親衛隊ヴァルキリーで参謀であるセシリーが最後だと言う様に声を出した。

「なお、正直に出てまいれば。死罪だけで済ませよう。ただ拷問を受けて貰った後でだがな」

 と、冷たい目でその首謀者である魔王候補に男がいたであろう場所に視線を向けたと同時にその男は動いていた。


「ふはははっ、そのガキをよこしやがれ!」

 そう言って1人で座っていた、レイカを掴もうとしたが、何故かその男は宙を回っていた。

 この時、レイカに向かってきた魔王候補の男を、横でセリカを抱えて座っていたマリアがレイカを掴もうとした手を払いのけ吹き飛ばしていた。


 マリアは、寝ているセリカを椅子に降ろし、魔王候補の男の前まで行き、冷たい視線を送っていた。


 この時、吹き飛ばされた魔王候補の男は、何がおきたか解らず少女達の方を向き、吹き飛ばした本人マリアを見上げたいた。

「なんだこの女は何をした。このままじゃ捕まってしまう。如何にかしないと」

 と、男はあせっていた。


 そしてこの場にいた全員が、今魔王候補の男が飛ばされた方を見て、親衛隊ヴァルキリー隊もそちらに向かおうとした時、目を覚ましたセリカが椅子から降りて無防備にもマリアのところに歩きだした。


 そう、魔王候補の男の近くに歩いて来ていたのだ、そのセリカの行動にマリアも気が付かずにいたら。


 魔王候補の男はセリカに気が付き。

「はははっ!俺はついてる。このガキを人質にして逃げ失せてやる」

 そう言ってセリカを捕まえた。

 捕まったセリカは、何が起こったか解らず目を白黒させ呆けていた。


 そして、事態が急変してしまった。皆動けずにいるとセリカを人質に取った男は、ここにいる皆を下がる様に指示を出し。

「やった、これで逃げられる。この娘を盾にすれば・・・・」

 そう思いながら出口へと後ずさりしだした。


 と、そこに先程大魔王エリザが出て行った扉が開いた。

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