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第3話:大魔王に育てられています。

 そして月日が流れ今では、アレスはおそらく4歳ぐらいで、セリカは3歳ぐらいだろう、ただレイカに関しては、魔獣に襲われた時以前の記憶がなく気がついた時には、自分の名前以外は何も覚えていなかったのだった。


 なので正確な歳もわからないが、おそらく今現在のアレスたちと同じぐらいの大きさだったので、3歳ぐらい年上なのだろうと推測してたのでたぶん7歳ぐらいだろう。


 そして、今現在、大魔王城の謁見の間でエリザの統治する領域の領主と魔王と魔王候補たちが集まり(こうべ)を下げて動こうとしないと言うより、動けないでいる何故かと言えば、エリザが無意識の内に魔王の波動と攻撃性の怒りの覇気を放っている。


 なぜ、このような状態になっているのかというと、領域内である事件が発生して一部の領土が飢饉(ききん)の状態で餓死者を出す事になり、その情報を隠蔽しようとしていた愚か者が、この中にいる。それで静かに怒りを露にしていた。


 皆が、そのひれ伏してる横で、普通なら動けず硬直してしまうはずの状態なのに、少女が二人と、もう1人、幼い方の少女を抱き椅子に座っている人族の女性がいる。もう一人の少女は、1人で椅子に座っている。

そして、事の成り行きを見て、少女2人は退屈そうにアクビをしていた。


 それを見て恐怖を感じる者が数名のいた。


「なんなのだ?あの童たちは、平然としてるのならまだ解る。だがこの大魔王様の覇気の中でアクビをしているとわ!」

 こそこそと(こうべ)を垂れた状態で数名同じような事を口に出していた。


 当初は、この場に子供を連れて来るとなんだと罵倒を飛ばしていたが、大魔王エリザが入室すると恐怖でだまりこんだ。

 しかしこれだけではなかった、大魔王の御立腹でいつも一緒に控えている親衛隊ヴァルキリーのセシリーとマリーも近くにいてはたまらないので、少女二人の近くに待機している。


 それなのに、大魔王の玉座の横で何かの魔導書を真剣に読んでいる少年に気が付き、(こうべ)をたれている面々が驚いていた。


 そして誰かがひれ伏した状態で。

「なんなのだ、あの子供は?この波動と覇気のなかで平然と本を読んでいるなんて!」

 などの言葉を漏らしていた。


 皆は、その少年をなんなのだ。この状況の中、しかも真横で平然と本を読んでいるなんてとざわざわと小声で不思議がっていた。


 その状況のまま、皆が黙って何も言わない状態が続き、誰も今回の失態を申し出て来ないので、怒りが頂点に達して回りの空気が変わり耐性の弱い者が平伏した状態で白目を向いて気絶しだした。


 前の方にいた耐性の強い者でも顔が青ざめだし、このままだと死人が出るのではとまで思い。数名が《はっ》として大魔王の玉座の横いた少年が危険なのではと思い、恐る恐るそちらをそっと見てみた。


 魔導書を読んでいた少年は、本にあきたのか又はたんに眠くなったのか欠伸をして立ち上がり、本を玉座の肘掛けに置き、玉座に座ってるエリザの前に行き両手をだして、抱っこをねだったのだった。


 この時、この光景を見たエリザの側近以外は、あの子供は死んだなと思った。


 しかしエリザは、少年を抱え上げ自分の元に抱き寄せた。そのあと少年は寝息をたて寝てしまった。怒りの頂点だったエリザも一旦平常心を取り戻し、今回の飢饉に陥った原因と隠蔽しようとした者は、後で調べあげそれ相応の罰をあたえると言って、少年を抱いたまま謁見の間を出ていった。


 そして、謁見の間にいた領域の領主と魔王と魔王候補たちは、何なんなのだあの少年はと言いながらも、先程の少年に感謝した。何故かはあのまま大魔王エリザの波動と覇気をあび続けると流石の耐性のある者でも数日間は、寝込んでしまう恐れがあったし、すでに白目をむいて気絶している者も、回復出来ない恐れがあった。


 それを、あの少年は恐らくその事を感じてあの様な行動にでたのだろうと思うものと、そうで無い者がいた。


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