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友人から恋人へ

作者:三の木
 
 生まれて初めて彼氏なるものができた。

 いきなりなんだと思うかもしれないが、今回のメインストーリーは私の初彼氏についてだ。興味のない人はここでおかえり願いたい。その方が私としてもありがたい。

 さて、それでは話を進めようか。

 生まれてから27年、私には恋人という存在ができたことがなかった。貴重な青春時代は恋愛に興味がなく、空想の世界に浸っては顔をにやつかせていた。

 そんな私が恋愛に興味を持ったのは、社会の厳しさに触れ、誰かに甘えたいという欲求が現れたときだ。

 男性と2人で食事に行ったり映画に行ったりする機会は意外にもあった。しかし、付き合うというところまでいくことはなかった。

 甘えるのが下手ではっきり物を言うタイプの私は可愛くなかっただろう。髪は短く洗いやすさと乾かしやすさを重視していたし、化粧は一応何か塗ってあるレベルだった。

 このとき、一度は恋愛を諦めた。

 その後3年、男性との出会いはなかったもののファッションやヘアスタイルには興味を持つようになった。

 彼と話すようになったのは、単なる偶然だった。

 同じ職場だが部署が違って話すことのない彼と同じ駅に降りたのだ。無視するには距離が近く、なにより気まずかったので思い切って声をかけた。

 それからだ。会えば話をする関係になり、そこから共通の趣味があることが分かって、休日にも会うようになったのは。

 告白は突然だった。SNSで雑談をしているときに切り出された。もっと一緒にいたいなと思うレベルには彼のことが気になっていたので、そのままオーケーした。

 ここまでが私に彼氏ができた経緯だ。そして、友人から恋人に変わった関係に、私は今、困り果てている。

 2つ年上の彼とは互いに苗字プラスさん付けで呼び合い、敬語でやり取りしていた。それを止めようと言ったのは私だ。他人行儀で嫌だったのだ。

 しかし、これがまずかった。

 そう簡単に敬語はなくなってくれない。

「仕事忙しいですか……違った、忙しい?」
「それいいで、いいね!」

 と、もはや何語か分からない言語を話し出した。彼が笑ってくれているのが救いだ。

 そして、名前。私は彼のことを名前プラス君付けで呼ぶことした。照れ臭いが気分は良かった。彼の方は呼び方がすぐに決まらず、名前呼びは保留になった。

 その日の夜、いつものようにSNSでやり取りをしていたとき、いきなり名前プラスさん付けで呼ばれた。そのときの衝撃はすごかった。

「ぬぐっ」

 という声が出た。気持ち悪いが許して欲しい。突然の名前呼びに叫びを飲み込んだせいなのだ。

 相手を名前呼びする分には良かったが、相手から名前呼びされるのは思いの外恥ずかしかった。

 今度、美術館に行く。美術品に魂が宿ることで有名な宿木美術館だ。会って直接名前を呼ばれた日には、私から魂が抜けて美術品に宿る魂とお友達になるかもしれない。

 次に会うのがある意味恐怖だ。

 とにかく、いろいろ慣れなさすぎてヤバい。友人から恋人へ関係が変わるというのはここまで戸惑うものなのか。今どきの小学生の方がまだスムーズな恋愛をしそうだ。

 切実にアドバイスが欲しい。私が言いたいのは結局のところこれなのだ。









最後に登場する宿木美術館は、絶賛連載中の「魂宿る美術館」の世界に登場します。美術品に魂が宿っており、作品と学芸員のちょっと変わったやり取りをみることができます。
興味を持たれた方はぜひ!↓

https://ncode.syosetu.com/n8744dw/



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