ホモ疑惑があがったが、そんなに悪い気がしない
親友について語ろうと思ったら、ホモ疑惑があがったまんまだったことに気づき、それでも今思い出しても悪い気がしなかったのでこんなタイトルにしました(笑)
話は中学の頃までさかのぼる。
当時、僕は漫画家を目指していた。
漫画家といっても、トーンを貼ったりベタぬりしたりといった本格的なものではなく、単純にノートに落書きのような絵を描く程度で、いわば“中途半端に夢を語る子供”だった。
よくいるではないか。
それになるために何が必要かなどまったく考えず、ただ「好きだからなりたい」という輩。それが僕だ。
僕のこの夢は小学生の頃からのもので、同じ小学校のクラスメイトであれば誰もが知っていた(と思う)。
さて、そんな僕だが中学にあがるや運命の出会いを果たす。
同じクラスのひとつ後ろの席の男の子。彼もまた、漫画家を目指す少年だった。
僕と違うのは、彼の方が本気で絵が上手い、というところ。
それから、女子たちが騒ぐほどのイケメン、というところ。
さらに、運動神経抜群で中学一年にして運動部のレギュラーを獲得した、というところ。
………。
完璧人間かよ!!
などと妬んだりもしたが、席が近かった上に同じ夢を語り合える仲ということで、すぐに僕らは意気投合した。幸いにも頭の良さは同じくらいだった。これで頭もよかったら、どうなってたんだろ。(バカというわけではない)
そんな彼と毎日毎時間接していくうちに、ある噂が立った。
「あの二人、ホモなんじゃね?」
それは思春期真っ只中の少年にとってはタブーに近い言葉だ。
ただでさえ思春期というのはナーバスな時期なのに、そんな心をエグるような発言はどうかと思う。
しかし、僕とその彼は平気だった。
むしろ、
「ホモだよ!! 悪いか」
と開き直った。
僕と彼の名誉のために言わせてもらうが、決して僕らはそういった仲ではない。二人とも女の子が好きだった。グラビア雑誌の水着を着たアイドルにドキドキする健全とした男子だった。
しかし、あまりの仲の良さに周囲は違った目で僕らを見た。
休み時間のたびに
「フュージョン」
と称して合体していたから(卑猥な意味ではなく)そんな噂が立つのは今思えば当たり前だった。
ちなみに「フュージョン」とは某人気アニメからパクった名称だが、内容としてはジャンケンで負けた方が勝った方を次の授業が始まるまでおんぶするという、他愛もない遊びだ。
どこへ行くのも一緒。
何をやるのも一緒。
遠くへ遊びにも行った。
結局、僕らのホモ疑惑は卒業まで続いた。
その間、彼は何人もの女の子に告白されていたが、誰とも付き合わなかった。彼はいったい誰が好きだったのか。今もって謎である。(高校に上がってすぐにイケメンの彼は彼女を作ったから、真正ホモだったわけではないとここで言っておく)
近年、BL人気がすさまじく、書店でもBLコーナーが設けられている。
男からすると表紙だけでドン引きするようなものまで売られている。
しかし、思うのだ。
健全な男子だった僕らは決してホモではなかったけれど、ホモ疑惑をかけられても悪い気はしなかったと。
つまり世の中、BL要素は誰もが持っている性なのではなかろうか。




