表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/5

ちこちゃんの話

 ここに、なんでもかんでも地球何個分かで考えてしまう女の子がいました。

 たとえばこんな感じ。

「ちこ、お茶買ってきて」

「わかった。お茶って地球0.000327個分のやつ? それとも地球0.00008175個分?」

「2リットルのお願いー」

「わかった! 0.000327個分ね!」

 いってきまーす。ちこちゃんはお茶を買いにお家を出ました。ちこちゃんのお家は立地が悪く、一番近いスーパーでも地球0.0000375個分は歩かないといけません(赤道基準)。それでもちこちゃんは歩くのが好きだったので、おつかいは苦ではありません。近所の風景を楽しみながら、歩道を歩いていきました。

 高さ0.015kmの電柱がいくつも並んでいる道を歩いていくと、そのうちのひとつの電柱の傍に、地球0.0024525個分ほど入る大きさのダンボール箱が置いてありました。ちこちゃんは気になって、その中を覗き込みます。するとその中には、子犬が入っていました。捨てられたのでしょう。

 ちこちゃんは、生き物が大好きです。まだ地球0.00000000022個分の年も生きていないだろう幼い子犬が、ちこちゃんをつぶらな瞳で見つめています。それがちこちゃんには愛おしくてたまりません。

「おいで」

 そこでちこちゃんは、犬をお供にしたのでした。犬はしっぽを振ってちこちゃんについてきます。良かった、捨てられてまだ間もなかったようで、犬は元気です。

 それは素敵な時間でした。犬をつれてのおつかいは、とても楽しくて、あっという間にスーパーについてしまったのですから。

 でも、スーパーの中にまで犬をつれて入るわけにはいきません。「ここで待っててね、0.0000000000000041857個分(min)もせずに帰ってくるからね」そう言って犬を置いてお茶を買いに入っていきました。

 ちこちゃんは急いでお目当てのお茶をとって、レジに並び、会計を済ませます。そしてすぐにスーパーを出ました。しかし犬はいませんでした。

 犬がいなくなってしまったのです。

 慌ててあたりを探し回りました。けれどもいくら探しても、犬はどこにも見当たらないのです。

 ちこちゃんは悲しくなりました。犬は大人の人につれていかれたのかもしれないし、自分でどこか好きなところに行ってしまったのかもしれません。けれどももう、犬と会えないのです。

「地球が何個あっても足りないくらい、大好きだった」

 そう言って、ちこちゃんは地球0個分の涙を流しながらお家に帰るのでした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ