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神殺しの少年は世界の終焉を望む  作者: 桐生桜嘉
アシュレイの過去
79/109

記憶ノ欠片

今回はものすごく短いです。

ですがここに秘められた物語は長い(深い?つもり)です。

読者の皆様には読んだあと予想をしていただき、この先の物語を楽しんでいただけたらと思います。


「リヒト――……?」


アレシアがそう呼びかけてみるものの、リヒトは何の反応も示さない。

彼はアレシアの背後に転がっているであろう死体に目を向けているのだろうが、その目には何の感情も映してはいなかった。

初めて見るリヒトの表情にアレシアは動揺を隠せない。

アレシアがリヒトに再び声をかけようとしたとき、それを遮るようにリヒトが言った。


「アレシア」


「な、に……?」


「目、つむってろ」


そう言って、彼はアレシアの視界を奪うように、自分の胸に押し付けるようにして強く抱きしめた――――。








――――そこからのアレシアの記憶は途切れ途切れになり、その情景に関しては何も思い出すことはできない。



ただ、欠けた記憶の中の言葉だけは、確かに覚えていた。

その声、息遣い、そしてそこに込められた感情――一言一句、鮮明に覚えている。





そうして、今の彼女の中に残ったのは、




「逃げろ、今度こそ絶対に」




「あぁぁああぁぁあああああ……!!!」




――――騎士団という“悪”に対しての怨みの感情。





「ぼく、……ぼくだって、生きたいって、そう……おも、ってた……」





聞こえてきた人々の悲鳴、絶叫。命が、失われた音。魂が、消えていく音……奪われていく音。


そして――――






「おめでとう、バッドエンド」





「黙れ……」







「そしてありがとう、ハッピーエンドを」








「黙れぇぇぇええええええ……!!!!!」










自分の【 】が、失われた音だ――――。





























「……ねぇ、やっと、あなたに恩返しできるわ。やっと、あなたたちの復讐を果たせる」


彼女が握りしめたのは、耳飾り――――亡くした、想い出。




明かされる、リヒトの過去。


『なぜ俺は、失わなければならなかった?』


寂しさは孤独を思い知らせ。


『なぜ、独りにならなければいけなかった?』


孤独はやがて嫉妬を生み。そして嫉妬は――



――憎悪へと変わる。





【次回】リヒトの過去。(前編)





「こんな世界、生きる価値もない」



彼が欲したのは、かつて持ったいたはずの温もり――。

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