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ベルリン ナハト 2

動画サイトにはいくつもの映像がアップされていた。


「レイクいないわね。亡くなったボビーのばかりだわ」


シンディは次々と検索している。


「あ! レイク見つけた!」


「どこ?」


夫婦でのぞき込むモニターには粗い画像だけどはっきりとレイクが映っていた。

長髪の金髪を振り乱してギターを弾く若き日の父親。イーサンが初めて見るロートレック時代の父だった。


「父さん、かっこいい……」


思わず本音がもれた。


「レイクってあなたそっくり。というかあなたがレイクそっくり。なんだか嬉しい!」


動画のタイトルは『ロートレック ベルリンライブ』だった。


「父さん、本当にロックスターだったんだ。今のオヤジバンドでの父さんとは別人だよ」


突然ドアが開いた。


「おねしょしちゃった」


グレッグが泣きながら立っていた。


「大丈夫よグレッグ。さあ着替えましょう」


「おやすみグレッグ」


と言いながらイーサンはパソコンの画面に戻った。


ギタリストの父親にすっかり夢中になったイーサンは別の動画を探そうと検索してみた。キーワードに「ロートレック ベルリン」などを入れて検索しているうちにちょっと気になる記事がヒットした。


『ロートレックのドラマー、泥酔してベルリンのホテルから転落。命に別状なし』


へえ、さっきのライブ動画ではソロまで披露してたのにな、まあ生きててよかったよ。

別の記事もあった。


『ベルリンのホテルから転落。ロートレックのドラマーは自殺未遂。関係者は否定』


『ロートレックのドラマー、ギタリストの部屋から転落。同性愛のもつれが原因か』


いつシンディが戻ったのか気づかないほどイーサンはパソコンの画面を凝視していた。

肩に手を置かれて初めて我に返ったイーサンがつぶやいた。


「このギタリストって、父さんのことじゃないよな」


シンディも記事を見た。


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