建物の構造
朝早くに鳴り響く電話に出るとオフィスの管理会社の担当さんからでした。
『隣の会社の洗面台に問題が在るらしく水が溢れ出てきているようなので貴社にも被害が起こっているかも知れないので早々に見に来て下さい』 私が鍵を管理しているのです。
心の中での私は、『隣の会社はいつも問題を起こしてくれる会社だな』と、つぶやきました。
私は、急いで身支度を調えダッシュで会社に向かいました。
正面玄関入り口、会社のドアを開けた瞬間思わず後ずさりしました。
床一面完全に浸水していました。どんどん水が流れてきます。
完全に浸水していました。
足下のスニーカーがすっぽり濡れて浸かりながら、恐る恐る社内に入っていくと水の流れる音、その方向に向かいトイレのドアを開けると、な、なんと、天井から雨が降っていました。もちろん本当の雨ではありませんが、雨という表現がしっくり来る状態でした。
更に進んで奥のオフィスのドアを開けた瞬間、思わず「ありえねー!!」 「ありえない!!」
天井から滝のような水が絶え間なく流れて来ていました。 三分の一の天井が水力で抜け落ち、ただひたすら水が流れ出ているのです。
水害被害のニュース等で見たことのあるような光景が広がっていました。水面に浮かぶ書類の数々……
原因はいったい何なのか?? 何故天井から水が流れ出ているのか?? 疑問の数々……
直ぐに管理会社の担当者に電話を入れ水は隣の会社ではなく私どもの会社の天井から流れ出ていて、なすすべも無い程の状況を荒げた声で激しい言葉で伝えたのです。
しばらくすると、レスキュー隊のような災害被害専門の業者が多種多様の器具と装置を持って現れたのです。 「アメリカにはこんな専門の業者があるのだなー」 と思いました。
直ぐさま、吸水して床一面の水を吸い取り始めました。 表面の水が無くなり作業が出来るようになると手際よく、濡れた物、濡れていない物に荷物を分類し一定の場所に積み上げていきました。
事態の状況にあっとうされてボーッとしている私たちを横目に黙々と手早く作業を進めていきました。 プロフェッショナルな効率でした。
原因究明。 水道管が破裂しました!!
会社の敷地内の水道管パイブが何故天井を通っているのか? 正確には水を温めるための温水機械が天井に設置されていてその機械が完全破損したことから水害が起こったようです。
そもそも天井にそんなものがあるなど誰が思うのか?
いずれにしてもそれが破裂したのです。 災難です。災難以外の言葉が浮かびません。
水被害の無かった物は、全て別の倉庫に移動させ約五時間後にはすっかり作業は終わりました。その後、巨大な乾燥機を会社中に配置して機械を作動させると災害専門業者の人達は帰って行きました。
一日目の作業工程は終わりのようです。
皆様への教訓です。 新規のリース契約及び賃貸契約をする際は、くれぐれも建物の構造に充分注意して下さい!! 日本ならこんな事はあり起こらないことかもしれませんが、気を付けることにこしたことはありませんよね。