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パクリマスオンライン 六つの企業が協力して完成された、最先端のTRMMORPG  作者: 紫電のチュウニー
第5

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第46話 アイテムバッグ? 

 ※イベント アイム、無常※

 そのアイテムは破壊されています

 そのアイテムは破壊されています

 そのアイテムは破壊されています

 そのアイテムは破壊されています

 そのアイテムは破壊されています


 ……おいおいおい! やっぱりヤトの言ったとおり俺の状況、異常過ぎるだろ。

 インベントリ収納をする画面自体は開いた。

 だが、操作できねえし中身もめちゃくちゃだ。

 試しにステータス確認のためリファレンスを試みてみよう。

 結果はインベントリを見れば予測はつくが……。


※※※※

Nemo:ジッッュ

Troi:ヘー魔ン

Levo:※3※

Close:shut

Unique PLAY:YOU


HiP(尻):large

MnP(乗換):キャリア

Spitz(犬):んげげ

Store(運営):パッセンジャー

AnGeL(天使):堕

Visit(訪問):異世界

UNLUC(不幸):orLUC

割り振り血:75%


スキル制御不能スキル制御不能

スキル制御不能スキル制御不能

スキル制御不能スキル制御不能


装ピ

UNKNOWN

※※※※



 ……思っていたよりひどいバグり方だった。

 しかしだ。このメニューが出ただけでも良かった。

 何も出なかったら……自分の状況をつかめる情報が皆無だからな。

 コノバグリかたを見る限り、スキルなんざうかつに使おうとしたらどうなるか分かったもんじゃない。

 しばらくは妖魔ってやつの力に頼るしかないだろう。

 安請け合いで手伝うなんて言っちまったが、役に立てるかどうか。


「それ、どうやって出したの?」

「二人には見えるのか?」

「うん。だって初めて見たわけじゃないから。ある管理者がね、地底が復活したときに多くの死者が回帰したと言ってたんだけど」

「管理者? そういや四人の管理者が復活したとかなんとか」


 待てよ。確かパクリマは転生した魂からスタートするって設定だったな。

 管理者が復活し地底が構築された。

 それからしばらくして俺たちプレイヤーが誕生した……ってことか? 

 つまり地底にもプレイヤーはいるのか。

 それなら俺の状況を伝える術があるかもしれない。


「その回帰した死者ってのに会えたりするか?」

「少なくともフェルドナーガの支配地域にはいないよ」

「そうか……」


 どっちみちこのままじゃ布の服しか持ってないに等しい。

 この服、ポケットも無いから呪いを封じた木片はしまえないな。


「君、しまう道具が無いなら大変でしょ。いいものもらったし、代わりにこれをあげるよ」


 ヤトがにこやかにショルダーバッグのようなものを投げて寄越した。

 ありがたいが、ティッシュ箱いっこ分くらいの大きさだ。女子用のカバンだから小さいのか? 

 

「それ、結構な容量入るから。なんなら果物も入れておいてあげようか?」

「それはいいです……でも見た感じあんま入らないんじゃないか?」


 リルがそのカバンを見てため息をこぼす。わけありなのか!? また実験に利用されてる? 

 確かに果物を食わせようとしてたときの笑顔で渡された。


「それ、新しい研究の成果じゃないの? 報告を入れる前にあげちゃうなんて、その呪いがよっぽどいい収穫だったんだね」

「ついでにその中に手紙も入れといてあげた。ベルシアに見せれば黒焦げにはされないと思うから、頑張ってね」

「手紙? そんなもん入ってるか? 空……あれ、底にハトマークがあるな」


 俺の体に印されたものと同様のマークが入ってる。

 これってまさか封印? できるってことか? 

 でもどうやって入ってる手紙を引き出すんだろう。

 ……ってヤトがもうテントから出ていっていない!? 

 せめて使い方くらい教えろよ! 

 もしかしたら俺がわくわくするようなアイテムバッグって白物じゃないのか!? 


「ふう。ヤトは研究に入るだろうから護衛からは外れるね。参ったなぁ。なんて報告しよう」

「あのヤトってやつも妖魔なんだよな?」

「うん。まさに妖魔だよ。興味を持ったものにしか関わろうとしないからね。仕方ない、そのカバンの使い方は僕が予測して教えることにするよ。君の新しい力とともにね」

「そんならさ。フェルド雪山ってとこに行こうぜ」

「君、勇気があるね。ドラゴンがいるっていう山で特訓するつもり?」

「特訓っていうか使い方ガイドしてくれるんだろ? それに俺がその山に行きたい理由はドラゴンとは別だ」

「山が好きとか?」

「ううん、嫌いじゃないが好きってわけじゃねー。虫とか苦手だし。見たいのは地形さ。初めて登る山でも、地図無しで遭難したことないぜ」

「それじゃ、少ししか飛べないけど空から行こう」

「おお、もしかして飛べるのか!?」

「本当に少しだけだよ。そうだ、これに着替えて。さっき探してきたんだけど、護衛用の戦闘ローブしかなくて。あと、君の顔は明らかに不自然な状態だから、仮面も持ってきた」

「仮面か……嫌な思い出が」

「止めておく?」

「いや、付けるよ。ありがとう」


 左右が明らかに違うから、生物としてどうみても不自然なのは分かる。

 灰色に黒のラインが入ったローブに鉄色の仮面か。

 袖をとおすととても暖かく感じる。

 ……って右袖のとこになんか硬いもんがあるな。なんだろ? 板が入ってる? 


「それ、仕込みローブなんだ。内側にある紐で腕を固定して。二本指で袖の端っこの紐を引いてごらん」


 言われたとおりやると、剣が右の袖口から飛び出てきた!? 

 びっくりした。暗殺服かよ。護衛用だからいざってときに隠してあるのか。


「左手は妖魔の力。右手はそれで戦う練習をしよう。格闘しか経験がなくてもその状態なら格闘に近い感じで戦えるはずだよ。さ、まずは外に出よう」

「ああ」


 テントから外に出ると、さっきまでの寒さがまるで嘘のようだ。

 このローブ、高級品じゃないのか? 


「なぁ、服の代金ってカーネで払えるか?」

「カーネってなんだい?」

「うっ……カーネが共通の通貨だったはずなのに」

「ごめん、僕もあんまりオカネには興味がないんだ。レギオンって通貨が主流だったけど、君の国ではそれが通貨なの?」

「レギオン? 聞いたこと無いな。まぁそんなところだ。この服の代金をカネ以外で返す方法、考えておくよ」

「あはは。そうだなぁ、どうしても何か返したいなら奥さんが喜んでくれるものの方がいいかな?」

「……もしかしてリル……いえリルさんってすごく年上でございましたか?」

「なんだいその変なしゃべり方。年齢はいくつだったかなぁ。でも、年齢なんて大人になったらみな変わらないでしょ?」


 ……まだ子供ですいません。

 ずっとため口でしゃべってたわ。

 失礼だっただろうなぁ。高校生でしたなんて言い辛い。

 いや、高校生ってのが通じないか。


「普段どおりしゃべってよ。調子狂っちゃうからさ。それに僕は気まぐれなだけさ。君のことだってずっと見てあげれるわけじゃない」

「分かってる。それでもさ……」


 嬉しかったんだ。異常な状況で助けてくれたんだ。

 もしかしたら俺はこのままリアルでもパクリマでもなにもできないまま死ぬのかもって思って。

 誰かに助けてもらえる。それはこんなにも心強いものなんだって思うことができた。

 親父もそんな風に思ってくれて、それが嬉しくて色々気にかけてくれるのかな。


「そんじゃお言葉に甘えて。恩義はちゃんと返すぜ。さぁ行こう!」

「うん。フルフライト!」


 リルが俺の左手をつかむと、ふわりと浮上を始めた。

 これは……そうか、なにかしらのモンスターの力で重力を吸ってるんだ。

 それで浮かび上がってる。

 どんな仕組みだよ。こんな風にモンスターの力を扱えるなら、確かに便利だ。

 妖魔は取り込む力に長けてるってのはよく言ったもんだな。

 重力まで取り込めるってか。


 ゆっくりと浮いたところでリルは続けざまに風を引き起こした。

 短時間って言ってただけあって、かなり飛ばしてる。

 直ぐに山間が見えてきたが、雪がびっしりと積もっている。

 日が暮れるまでそれほど時間は無いだろう。

 リルの飛んでいる高度じゃこの山は全然越えられない。

 上空から見渡す限り、白と緑に染まっているだけで、山道らしきものは見当たらない。隙間からときおり怪しく動くなにかがあるのは確認できた。


 モンスターだろう。


 ドラゴンがいるって山に生息できるなら、さぞかし恐ろしいのがいるはず。


 だが、肝心のマウントドラゴンってやつは見当たらないな。


「ごめん、そろそろ限界かも」

「山の中腹までこれたし十分だろう。降りようぜ。しかしこの山を越えるのは至難だな」

「うん。明日には出発しないといけないんだ」

「そっか。そんならさっさと戦い方を覚えないとだ。上から見えたモンスター、ここに来るよな」

「そうだね。まだトレントの使い方しか教えてないけど他のも教える?」

「最初に来たモンスターを俺がソロで仕留められたら頼もうか。できれば危なくなるまで手出し無用で頼みたい」

「いいの? 多分真っ先に来るならダイヤウルフだよ」


 なんのモンスターが先に来るのかまで分かるのか。

 きっとリルは歴戦の猛者だ。いろんな感覚が優れているように思える。

 ……いい修行ができそうだ。

 刃物なんて親父の料理の手伝いで包丁くらいしか扱ったことがねーが、なぜか全く恐怖心がない。

 これは妖魔ってやつになったせいか。

 それとも呪いの影響か。

 分からないが……遊び感覚じゃないガチバトルをこれから体験することになる。

 冷静に考えていると、木陰から一面いちめん真っ白な地面に似つかわしくない色が三つ顔を覗かせる。


「グルルルル……」

「数が多いね。三匹もいる」


 ダイヤウルフ。なるほどこいつは確かにモンスターだ。

 前足部分がクリスタル結晶みたいにキラキラしてる。

 ゴブリンやらサクラスネークやらと戦ったが、こいつは比べ物にならない相手だろう。


「まずは戦わせてくれ。きっと……大丈夫だ。これが初陣のつもりで……行くぜ!」

パクリマスオンラインがバグリマスオンラインに!? 

さてついにスリークオーターの妖魔として戦う初陣です。

どんな動きを見せてくれるのでしょうか。

場所は雪山で相手はダイヤウルフ三匹。

ソロで平気なんですかジャッジさん!? 

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