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パクリマスオンライン 六つの企業が協力して完成された、最先端のTRMMORPG  作者: 紫電のチュウニー
第4章 地球とゲンドール

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第299話 狩猟祭終了

「くそ、もう終わりかよ! だが、まだ消滅してねぇ。このお化けもどき!」

「アアアアアアアアアオオオオ……」


 あれ、消えたか。

 ダメージ値は! ……0だと!? そんな、ばかな。

 まさか、負けたのか? 


『ダメージ値0を確認しました。優勝はパンサンドで決まりでしょう! 最終集計をいたしますので参加者の皆さまは中央の塔付近へお集まりください。にゃー』


 ちくしょう! コンセントレートモンスターにはあの攻撃、効かなかったってのかよ。


■ロッドの港町 中央付近■


「はぁ……」

「そんなに落ち込まないで。頑張ったじゃない」

「悪い。完全に計画のミスだったわ」

「仕方ないさ。相手はレイスだったんだ。物理攻撃はほぼ通じない相手だよ」


 最後、確かに消えたのに。

 ……レイスにとどめをさせなかった。

 つまり、負けた。

 これから表彰式が始まるが、もうそのまま帰りたい気分だ。

 だが、個人戦はスミレが優勝してる。

 そのまま俺だけ帰るわけにもいかねー。

 狩猟祭が終わりロジィとメカリカたちと一旦いったん別れてスミレとヨーコと3人でいると、いつものように背後にメフィストが現れるのを感じた。


「すっふっふっふっふ……」

「……お前も笑いに来たのか?」

「まさか。我が君をあざ笑うなどあるはずがございません。それに、負けるなどというのは万にひとつもあり得る話ではございません」

「言うても負けたぜ。最後」

「あの竜を倒したのは紛れもなく我が君でしたね」

「ああ。ハイメガオーグモンスターだろ?」

「すっふっふっふっふっふ……発表が始まるようです」

『皆様、大変お待たせしました! にゃー』


 中央の杖の塔の上に現れたのは片耳だけが長く、それをピンと立たせた猫。

 司会のワイルドキャットがこいつか。中世的な顔立ちをしているが、人寄りの種族だ。


『今大会は2部構成のご参加ありがとうございます。まず、激戦だった個人戦からの発表です。第三位、シュヴァルツ・レンブラント選手、第二位、スペペ、スペペペ……助さん選手。そして第一位だいいちい、アクマンガー選手です! にゃー』


 大きな拍手と歓声が沸き立つ。

『この場での賞金授与はせず、後ほど引換券をお渡しします。ロッドの港町、町長との面会時にお持ちくださいね。にゃー』


 ……今回勝ちたかった理由に団体戦優勝による特典があったのだが、これも断念せざるを得ないか。

 俺はこれが欲しかった。

 仮宿で雷帝の下に身を寄せていた俺だが、レンズのことはまだ覚えている。仕事を引き受けていたが、あの頃はまだゲーム感覚だった。

 情報を仕入れるのにレンズは持って来いだろうが、傭兵でなければ利用はできないはず。

 そしてエトネさんたちもレンズを利用しているかもしれない。

 そのレンズを利用できるかもしれない特典が……得られないんじゃ参加した意味が薄れてしまう。

 

『続きまして……団体戦の順位の発表です。第三位はチームアックス! そして……にゃー? こほん。私が伝えていたものと違うんですにゃ? 大変失礼しました! 団体戦2位、チームパンサンド。そして優勝は……チームア・ク・マ! どうやら最後のコンセントレートモンスターへ、ダメージ値の反映が遅れてしまっていたようです。ごめんなさい。にゃー!』

「なんだって? 確かに0って数値出てたよな?」

「そうだね。でも、良かったじゃないか。結果が全てだよ。オメガが何かしたのかい?」

「いえ、わたくしは何もしておりません。するところだった、と言うべきでしょうか。幽体ゆうたい系モンスターは物理的攻撃が効き辛いだけで、効かないのではありません。そのダメージをマジックで肩代わりしているのです。値の算出方法に問題がありましたね」

「つまり、計算の不具合か!?」

「そういうことです。あれほどの攻撃、0ダメージのはずがございません」

「んじゃ……」

『また、2位だったパンサンドの皆さまからも、順位が違うと抗議を受けたとのことです。ただし、国内でのアーミュラ使用はまだ認められませんので、観客の皆さまは真似をして乗り回さないように! これにて発表を終わります。本日参加いただいた方全員に、2日間飲食完全無料券を配布いたします。同時に受賞者には引換券をお渡しします。にゃー!』

「飯が2日間無料?」

「どうりで参加者が多いわけだね」

『詳細につきましては引換券に記載してありますのでそちらをご確認ください。それでは皆さん、お疲れ様でしたー! にゃー』


 食事無料券を受け取ると、それと共に引換券もちょうだいした。

 俺たちは団体戦と入賞引換券をそれぞれもらう。

 これは後ほど確認するとして、だ。 

 受け取る間に俺の周囲には顔馴染みが沢山集まっていた。

 この狩猟祭までの間に、随分と知った顔が増えたもんだ。

 まずメフィスト、ラン、メメ、ヨーコはここに来る前から共に行動していた。

 そこにスミレが加わり狩猟祭に参加。

 武器防具の新調にシュヴァルツとその娘ミュウと知り合う。

 狩猟祭ではロジィとエイナ、カルネと出くわした。

 夜影にも襲われたが……あいつ寝かせたままだったの忘れてたわ。

 起こすのはもうちょい後にしよう。

 そして、メカリカやチゴレたちとも合流。

 こちらとは直接関係ないが、チームパンサンドだったか。あいつらもなぜか集まってきている。


「いつの間にか人が増えちまったな」

「我が君、少々具申してもよろしいでしょうか?」

「なんだよ。俺は未成年だから酒で宴だ、とか言えねーぞ」

「これから活動するための拠点、我が君のドゥーム城を探しませんか?」

「……拠点?」

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