表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
パクリマスオンライン 六つの企業が協力して完成された、最先端のTRMMORPG  作者: 紫電のチュウニー
第5

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

20/323

第18話 現実でも商品化

本日分は非小説風のお話をもう1話投稿予定です。


■エリア、サクラストリート■

 アルカーンと呼ばれた男は異能の持ち主で、空間を押し広げてその中に俺を放り出した。

 それと同時に無事、クエストは達成できたようで、大学前のまで戻されていた。

 あの二人が何者なのかは分からないし、今後のクエスト展開も先読みできない。

 パクリマのストーリー設定で関係するキャラなのかもしれない。

 情報が欲しいところだ……何かを忘れている気もするが、気のせいか。


「あー疲れた。オメガさん、ログアウトの実行を頼む」

『承知しました。お疲れ様でした』

「そうだ、ログアウトする前に。サポート機能って途中からオンにできないの?」

『サポート機能について不具合報告が一件いっけん、上がっていたようです。修正されれば可能だと思います』

「……このテンプルヴァイスが特別性らしいし、不具合の原因として十分考えられるな」

『他プレイヤーからの通信が多数入っております』

「全部明日にするわ。ログアウト最優先で」

『それではダッシュ様。現実へ戻すために仰向けで横になってください』

「ああ。そういえば立ってるけど寝てるんだよな。分かった……ってここ、大学の入口なんだけど。まぁいっか」


 クエスト完了画面などを確認する気力も無くい。

 ……パクリマ終了と共に感じたのは強烈な空腹と眠気、そして疲労感だ。

 テンプルヴァイスの説明どおり、実際に体を動かしたのと同等の疲労を得られるようだ。

 飯を食う気力すら無い。

 明日にしてこのままテンプルヴァイスで眠ろう……。


■翌朝、ダッシュの部屋■


 どのくらい眠っていたんだろう。テンプルヴァイス内は快適で、自分のベッドより心地良いくらいだ。

 これも限定仕様のお陰かな。

 テンプルヴァイスから出ると、待っていましたと言わんばかりに妹のヨナが飛びついてくる。

 

「お兄ちゃん、ちゃんとベッドで寝ないとダメでしょ!」

「おい、勝手に部屋ん中へ入んなって言ってるだろ。 しかも人のエナジードリンク飲むんじゃねー!」

「違うよ、買ってきたんだもん。新しくS社が売ってるパクリマのコラボ商品。見て! パッケージの人、ちょっと雰囲気お父さんに似てない?」

「こ、このパッケージはまさか……」


 ヨナが飲んでるエナジードリンク。

 その表面には昨日確かに見たあの男、ベルローゼの顔が掲載されていたのだ。

 ……あざとい。確実に女子ウケを狙ってやがる商品だ。いや、この格好良さは男にもウケがいい。やはりゲームの主役級に間違いないな。

 このエナジードリンク、よくみたらスクラッチ付きのボトルラベル? 

 なになに……インゲーム内アイテムが当たるくじ付きだと!? 


「おいヨナ。これどこで買ってきたんだ」

「今日からコンビニで売ってるよ。ヨナの後ろに並んでた人が全部買い占めてったけど。転売なのかなー」

「がはっ……出遅れた。ちょっとコンビニ行ってくる!」

「お兄ちゃん携帯は!?」

「やべ、テンプルヴァイスに……って着信履歴がひでぇ! アキトに連絡してねーんだった! 怒られるからやっぱ携帯いらねーわ」

「ふーん。ねぇ、パクリマのアカウン……行っちゃった。もう!」


 妹を構っている時間など兄には無いのだ。

 チャリに乗って速攻でコンビニへゴー。

 ヨナが買い物をしたコンビニは駅前のドーソンだろう。

 裏手のファンキーマートはまだ新しくできたばかりで検索にも引っかからないはず……っと俺でも忘れそうな場所によく作ったな。


■ダッシュ家付近のファンキーマート■


 エナジードリンクはちゃんと売っていた。だが、俺より遅れて入ってきた眼鏡の奴がエナジードリンクをカゴに放り込む俺をじっと見ている。

 俺は転売ヤーじゃねえ。買ったのも十本だけだぞ! 

 全部飲むんだからな。転売ヤーと思われないためにも、ついでに新作の無糖珈琲を親父に買っていこう。


「君、パクリマやってる?」

「え?」

 

 まさか話かけられるとは思わなかった。まじかよ。ここ、コンビニの中だから安全だよな。


「ええ、まぁ」

「そうか! これから戻ってやる? こっちは今日からなんだけどさ」

「やる予定すけど」

「どこから開始したんだい?」

「人種族を選んだんで地球からすね」

「難関スタートか」

「そうなんすか?」

「ああ。ヒューマンスタートが一番いちばん大変だと聞く。他の人族の方がまだ楽だとも聞いたね。ただ、その分必ず見返りがあるはずで、探していると噂されている。おっとすまない。エナジードリンクを確保させてもらうよ」


 そう言うと眼鏡の男は大量にエナジードリンクをかごに詰めた。


「いっぱい買うんすね」

「転売するわけじゃないよ。職場の人にも協力して飲んでもらう予定。パクリマの攻略サイトを作ってるんだ」


 攻略サイト? これだけのMMOなら一斉いっせいに調べてデータベース作ってるか。


「テンプルヴァイスの機器取得がネックでね。人を集めるのも大変なんだ。もしよかったら君、少し仕事しない? ……っと中学生じゃないよね?」

「高校二年です。仕事ですか。うーん……ちょっと怖いんでパスで」

「コンビニなんかで話しかけたらそうだよね。失礼した。私はこういう者だ。キャラネームを書いておくから、気が向いたら連絡を。いや、こちらから聞くべきかな。キャラネームくらいは教えてくれるかい?」

「まぁそれくらいなら。ダッシュって名前でやってます」

「ありがとう。邪魔をしたね。お互いパクリマを楽しんでいこう」


 名刺を渡された。大人ってみんなこれを渡すの好きだよな。

 ゲームセブン? 記事編集担当者か。確か結構でかいサイトだよな。後で見てみよう。

 キャラ名はナナフシさんか。

 ゲームセブンがフシギを解き明かすって意味なのかな。

 っと急いで戻ってパクリマの情報を調べねーと。


■ダッシュ、自宅■


 家に戻ると親父が料理を作っていた。

 趣味が家庭的なのはいいんだが、休みの日くらいゆっくりしててもいいのに。


「おう、お帰りダッシュ」

「ダッシュ言うな。親父、これ飲むか?」

「何だ? ってそれ清涼飲料水だろ。父さんは飲まないぞ」

「違うよ。ほらこっち」

「新作の珈琲? いいのか」

「いいよ。少しは休めよな」

「ああ、分かってるよ」


 こっちはこっちで早速エナジードリンクを飲み干す。

 爽やかなレモンの味に続いてメロンソーダの味が噴出してきたと思ったら、味わいが変化した? コーラっぽい味もする。

 美味い! ……一本目のくじ《いっぽんめ》は、ハズレだ。


「ラベル削ってどうしたんだ? くじでもついてるのか?」

「ああ。ゲーム内アイテムが付いてるんだけど」

「なに!?」

「欲しいなら一本上げるから削ってみたら?」


 試しに親父に渡して削ってもらったら……「なんか当たったぞ」

「……あり得ねー」

「はっはっは。これはお前のものだ。楽しんで来い。父さんには料理があるからな!」

「はぁ。分かったよ。ありがと」

「何言ってんだ。お前が買ってきたものだろうに。珈琲だけで十分嬉しいよ」


 当ったくじには回復薬詰め合わせ、テンプルコードって書いてある。テンプルヴァイス読み込み専用のコードか。

 親父に礼だけ言って部屋に戻ると、人の部屋で読書をし始めていた妹を追い出し、鍵を掛けた。

 怒鳴り声が聞こえるが、今はなにも聞こえない。


 エナジードリンクを飲みながらパクリマスオンラインの情報を調べたいからだ。

攻略サイトの眼鏡さんと知り合いました。

MMOとしてはまだまだ登場人物が少ないですが、まだ二日目です。

これから増えていきますが、分からなくならないように増えていくかと思います。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ