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第159話 ソルジャー用武器の扱い方

明日は予約投稿になってしまいそうな気がします。

ですので早い段階で見直しと投稿準備をしておきます!

■小型潜水艇 船内■

「眠い。おやすみなさい」

「……ロギアの隣で寝ろって」

「攻撃されたばかりでわらわの隣に寝かせる? 冷たい感触を味合わせることになるぞ」

「お前ら2人共、冷たいなんて感覚持ってんのか? あ、バカ野郎。よだれを垂らすなよ」


 安心したのか、それとも散布した眠り薬の影響か。

 ロジィはおおきなあくびをすると、うずくまる猫のように膝を利用して眠りだしやがった。

 ロギアは傷が大分良くなったのか、自分の体を確かめるように……こいつにはいつか肌が見えない衣類でも無理やり着せてやろう。

 小型艇は順調に引っ張られて進んでいて、元の船はほとんど見えなくなった。

 今のところ追手の気配は無い。

 

「久しぶりに海の底を見た。船で移動とは便利なものだな」

「ああ。下の方は真っ暗で全然見えないが、相当深いんだろう」

「すぅ……すぅ」

「のんきなもんだぜ。ゆっくり眠ってる時間なんて無いのに」

「負傷していたわらわと違い、よくもまぁフロジリカが大人しくしていたものだ」

「結構素直だよな」

「魔王なんぞにかつぎ上げられてはいるが、甘いんだよ。本来はな」

「そうなのか……」


 ロジィは不思議な質問をしていたな。

 争わない方法……例え隣国と協定が結ばれても、人々は争い合う。

 誰かが指揮を取らなければ、増えすぎた人々はまとまらないだろう。

 そして、どれほど優れた指導者がいたとしても、全てをまとめあげることは不可能だ。

 それでもまとめる人物は必要。

 そんな人物が優しい人なら、直ぐに第三者から攻撃を受ける。

 それが重なり、傷付き、壊れてしまう。

 だからこそ、そばで助けてやれる奴が必要なんだ。

 こいつにはきっと、その仲間がいない。

 天然パワーで流すのも限度はある。


「ロギアはひとりなんだろ? ロジィとも仲がよさそうだし、助け……」

「ふざけるな。童がなぜこやつなど助けねばならんのだ」

「喧嘩するほどなんとやら、だ。別に喧嘩すんのは構わねーよ。けど、喧嘩できる相手がいなくなったら、寂しいんじゃないのか」

「貴様は何も分かっていない。余計な口出しはするな」


 知らねーけど、あんな塔でひとりでいるより何倍もマシだろう。

 時には孤独であることもいいかもしれない。

 それでも、ずっと孤独でいることは避けるべきだと思っている。

 足りないんだ。楽しさが。どんな形でもいい。少なくても構わない。

 繋がっている方が楽しさは倍増するんだ。


『ジャッジ。もうすぐ到着する』

『……了解』


 いよいよ地下水路か。

 ここから先どうするかはまだ決めていない。

 上手く向かえる方法があればいいのだが。

 

■東部地下排水路■


 激しく流れるような水の音。

 広い空間にはそこら中にパイプが巡っている。

 天井はどこまでも高く、通路も沢山見える。

 地下水路がこれほどの規模だとは思わなかった。

 こいつを人工物として造る技術があるのが凄い。

 伝説の赤と緑の配管工員でもこんなもん造れないだろうに。

 毒キノコでも食って造ったってのか? 


 そんな地下水路の四角く囲まれた場所へ浮上して、まったく起きないロジィを担ぎ、少し泳いで近くに降ろした。

 グナードは直ぐに海へ飛び込むと、小型艇から何かを取り外す外す。

 すると、徐々に小型艇は海に沈んでいった。


『手伝うか?』

『問題ない。これを地面にこすりつけて火を起こしておいてくれ』  


 渡されたものは石ころのようだが、どこかで見た覚えのあるような、ないような……そんな石だ。

 言われたとおりに石を地面に思い切りこすりつけると……「あっつ! 火傷するわ!」


 軽くでいいならそう言えよ……。

 発火した石ころは燃えるものが無いにも関わらず燃え続けている。

 便利だ。火力も十分ある。少し冷えたしちょうどいい。 


「濡れてる衣類を乾かすか」


 ロギアがさらに脱ぎそうになるのを止めて、ロジィも火のそばに移した。


「巨大な地下水路だな。この大陸にこんな場所があったとは知らなかった」

「ロギアは来たことあるのか?」

「ああ。必要なものを買うために、定期的に来る。ただ、シフティス大陸は竜形態で向かうのが危険な地域だし、東側へは不用意に近づかないことにしている」

「へぇ。竜で近づくのが危険ってのは、忌み嫌われているとか?」

「何を言っている。雷帝ベルベディシアが撃ち落とすからだぞ」

「……そういやワイバーンを大量殺りくしてたな。恨みでもあるのか」

「さぁな。しかし魔粒核を所持しているとは。なかなk手に入らないのだがな」

「なんだ、それ?」

「貴様がさっき燃やしただろう?」

「あれがそうなのか……」


 と、思っていたところでグナードが戻って来る。

 上半身裸になっていて、鍛え上げられた肉体と、いくつかの傷をさらしていた。

 長い年月、戦っていた奴の体だ。

 戦場にでもいたんだろうか。


「小型艇はどうやって沈めたんだ?」

「動力源を回収した。これだ」

「さっきのやつ? なんなんだ、これ?」

「魔粒核も知らないのか、貴様は」

「知っているのか、らいで……ロギア?」

「当たり前だ。より大きな塊となれば、ゴーレムが造れる」

「そっか、ゴーレムの。化石燃料みたいなもんなのかな」


 グナードは取り出した魔粒核とやらを地面に置くと、そちらにも火を付ける。

 すると一定量で上手く燃え始めた。火の付け方で火の維持が変わる? 

 面白い石だ。手に入れる機会があれば、いくつか用意しておきたいな。


「乾いたら先に進むぞ」

「ロジィが起きるまで待ってやろうぜ。海に多少は浸かったはずなのに起きる気配が無いんだ」

「まったく、呆れた女だ」

「そいつが魔王、フロジリカか」


 グナードは興味無さそうにちらっとだけ見た。

 ある意味分かりやすい。それがグナードだ。


「なぁグナード。本当に良かったのか? ヴァンサードって奴に知れたらただじゃ済まないだろ?」

「興味無いね」

「ですよね……」


 こういう答えを引き出せるのも直感的に分かる。

 こうなると逆に、なにに興味を示すのか知りたくなるが、そう聞いても答えは帰って来ないだろう。


「そうだ。ここから先の話はまだしてないよな?」

「ああ。先にひとつだけいいか?」


 って、あれ? グナードが質問? これは興味をそそるな。


「お前が質問なんて珍しい。どうしたんだ?」

「フロジリカという女の隣の奴。その恰好、どうにかならないか?」

「……興味じゃなくて男としての脅威の質問かよ」


 だが、ロギアはエロコスしか持っていない。

 本人はそれでも普段着だと思っている。


「その女は戦えるのか?」

「童に申しているのか? なんなら貴様とやり合ってもいいのだぞ」

「あのなロギア。なんで護衛頼んだ相手を叩きのめそうとしてんだよ」

「売られた喧嘩なら買うだけだ」

「売ってんのはお前だろ……ここは危険な場所なのか?」

「ああ。こういう場所はモンスターが自然発生する。そのため作業用機械も武装していてな。どちらもそれなりに危険だ」

「ここからは俺も仲間を呼ぶつもりだ。時間が限られているから、やばくなったら呼び出す」

「……? 互いにまだ分からないことが多いな」

「それでいいんじゃないか?」

「そうだな。なら、2手に分かれて作業を進められるか……少しソルジャー用の武器の使い方を教えておこう」

「まじで? 助かるわ」


 それから衣類が乾くまでの間、グナードに渡された武器、虎徹こてつの使い方を教わった。

 聞けば聞くほど反則的な武器だ。

 魔剣ラーヴァティンが呪いの力を持つ特別な剣とするなら、こっちは文明の粋を極め、そこに魔法を掛け合わせたような武器だ。


「道理であの頑丈なおりをスパスパ切断できるわけだ。魔粒核を詰めるほど、いろんなことができるのか?」

「誰にでも扱えるようなものじゃない。教えた通り振ってみれば少しは分かるはずだ」

「ななめ斬り払い、回転中段胴斬りでコンボ技、アースブレイド……ぉぉ!?」


 岩礁のような形をした大きい岩が剣の斜め前に現れ撃ちあがった! 

 何コレもはや魔法。すげぇ! 

 

「そうだ。魔力も吸い取られる」

「……次は、中段斬りから斬り上げ、ジャンプ斬り降ろしでグランツカノン……ぅぅおお!」


 今度は振り下ろしと同時に岩がごしゃりと落下する。

 こいつは土系特化型武器なのか。


「ふっ……多少は剣に遊ばれているが、筋はいい」


 この連続した所作に合わせて魔法の効果が発動する【技】のようなものがソルジャー用武器の特長らしい。

 それを練習してみたが……むずい! そして発動すると、体力というか精神力が吸い出される感覚がある。

 これは妖魔の力やブルールミナスの力を使った時にも起こる。

 肉体的疲労とは違う、いわゆるマジックポイントって奴なんだろうな。

 現実でも肉体作業じゃないのに異常に疲れるのがこれだ。

 

「今はその2つだけを覚えておけ。これから下水道攻略について話すぞ」

知っているのかライデン!? このネタはもはや伝説? 伝統? になりつつあります。

キングクリムゾン! とかも好きです。


さて、ようやく渡された剣がどんなものなのかをちらっとだけご紹介できましたが

ある社が造っているこちらの剣シリーズ。まだまだこんなものではございません。

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