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45.「手加減は?」「無しで」「「ッしゃあ!!」」 【七星カレン】

【七星カレン】



「あ、始まったわね」


 何かが、思いっきりぶつかる音。

 多分、テンションの上がった二人が派手な登場を試みたその結果と思われる。

 二人が揃うと、よくテンションが壊れる。

 それは元の世界でもそうだった。


「……何か、二人ともテンション高くない?」


 コソコソと小声で話しかけてきた奈々に、ため息を吐いて答える。


「力を自由に使えるから調子に乗ってるだけだと思うわ」


「……気持ちは、分かる」


「分かったら本当は駄目なんでしょうけどね……。分かっちゃうし、仕方ないわね」


 トワを肩車している優奈に意見を求めるのは後回しに、


「え、ちょっと待って羨ましいわ。後で私にもやらせて」


「トワがいいならいいんじゃないかな」


 そんな風に話しながら門の前に辿り着いた。


「こんにちは。少し良いですか?」


「え…………あ、はい!!」


 兵士の格好をしている門番に。

 精一杯の笑顔を浮かべて、質問をする。

 後ろから『うわあ』みたいな反応があるのは無視。


「門を通して欲しいんですけど……」


 簡単に、門を通るために必要なものを聞いた。

 この世界で流通している貨幣。

 あとは、証明書。

 どちらも私達の持っていない物。


「どうするかしら……あ、そうだわ」


 視界の端に映った、戦場で暴れている蓮の姿。

 思いついた。


「実は、あそこで今戦ってる人、私達の仲間なんです」


「……え?」


「だから、魔物を倒した分の功績で、私達の証明書の発行と、一度だけ無償で門を通してもらえませんか?」


 我ながら問題の無い交換条件。

 少しの間門番は悩んでいたが、最終的にはオーケーを出してくれた。

 よし、まずは仕事完了。

 

「……ねえ、目を逸らすのやめた方がいいよ?」


 奈々がそう言うが、私には何も見えてない。

 城門の前まで吹っ飛ばされてきたクラスメイト達も、立ち上る炎の柱も、空に打ち上げられている魔物も。


「わあ……」


「秀も蓮も、楽しそうだね」


 普通にその様子を見ている優奈。

 目を輝かせているトワ。

 二人の事が、少し心配になってくる。


「おい、カレン!!」


 何も聞こえない。

 私の名前を呼び捨てにする天童剣の声は私には聞こえてない。


「どういうつもりだ!?あの二人、いきなり現れて――」


「五月蝿い」



 バタッ!!



 誰かが倒れる音が聞こえた。

 隣を見ると、優奈が腕を振り切った姿勢で止まっていた。


「意識を斬ったから、しばらくは起きないよ」


「よくやったわ、優奈」


「……優奈、力使わないように、って、秀が言ってたよね」


「「……」」


 ……さて、蓮達の様子を眺めましょうか。

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