44.「手加減は?」「無しで」「「ッしゃあ!!」」 【白川蓮】
【白川蓮】
四人が離れたのを確認し。
右拳を左手に叩きつけ。
「で、どうやって突っ込む?」
秀に聞いた。
「そうだな……空から降りてみるか」
「カッコよく?」
「ああ、カッコよく」
へえ、いいな。
思わず笑ってしまった。
秀の方を見てみると視線が合う。
ニッ、と頬を上げると。
秀も合わせるように笑った。
「「ッしゃあ!!行くか!!」」
言うや否や、すぐさま秀は地面に手を叩きつけた。
「【転移】!!」
その次の瞬間。
空にいた。
多分、いつもの事象操作。
いきなりだし、高いし、ちょっとビビった。
が、体勢をすぐに立て直して構える。
遥か下に見覚えのある連中が見えたが無視無視。
大きく毛深いゴリラのような奴が一体と、複数体、木のような何か、多分魔物が見えた。
それはそうと、
「高っ!!」
「こっから自由落下だ。構えとけ!!」
「了解っ!!」
精々落下まで三、四秒程度。
考えている暇はない。
右拳を腰だめに構え、左手で狙いをつけるように前へ。
「着地まで、三!!二!!一!!」
着地地点にいる魔物を狙い、拳を打ち出す。
「ゼロ!!」
「らあッ!!!!」
本気の殴打を、地面に向かって放った。
爆ぜる地面。
挟まれ、原型も残さず消し飛ぶ木のような魔物。
右拳を地面に叩きつけた俺の隣に、秀は静かに着地した。
落下速度を感じさせないような、丁寧な着地。
「なかなか乙な登場するじゃねえか」
「お前もな。まさか地面を殴って着地とは思わなかった」
笑い合いながら立ち上がる。
うーん、見知った顔が並んでいる。
「れ……蓮?」
俺に声をかけて来た黒髪の男子生徒。
クラスメイトだったはず。
確か……?
「誰だ?」
「流石にクラスメイトの名前くらい覚えとけよ」
呆れたように目の前のクラスメイトに視線を向けた秀は。
「……誰?」
「お前も覚えてねえのかよ」
「鏡見ろ」
「あ?」
「あ゛?」
「「キキイイイィィ!!」」
「邪魔だ」
「【爆ぜろ】」
近づいて来た魔物は裏拳で消し飛ばす。
もう一体は秀が【言霊】で爆発させた。
これは酷い。
「まあ、誰でもいいか。さっさとやるぞ」
「オーケー。で、どれから狙う?」
「雑魚は俺。お前はデカブツをやれ」
「了解!」
全力で右足に力を込め、突撃。
木の魔物は無視して大物の前にたどり着いた。
「!?ガアアアァァ!!!!」
振り下ろされる大木のような腕を受け流し、しっかりと左の拳を握る。
「いくぞ!!」
踏ん張った事で割れる地面。
その威力をそのままに、一撃を叩き込んだ。




