39.力の使い方、絶対に間違ってる 【七星カレン】
【七星カレン】
戻ってきた私達は秀と優奈が用意していた朝食を有り難く頂くことにした。
蓮の右隣は一瞬の隙に奈々に占拠されたため、私は左隣に。
そして反対側ではトワを真ん中に、私の対面に秀が、奈々の対面に優奈が座る形となっていた。
「……」
サンドイッチを咀嚼しながら秀の様子を見る。
普段の読みやすい顔ではなく、真剣な表情で机を見つめていた。
この表情の時の秀の考えは、読めない。
だから、
「これからどうするの?」
サンドイッチを片手に秀に話しかけた。
「…………あ、俺?」
「秀以外に誰がいるのよ」
「優奈と蓮と奈々とこの子……待て待て、冗談だ。だからそのいかにも危なそうな光の弾を俺に向けるな。飯が勿体無いだろ」
良かった、ふざけているけどいつもの秀だ。
真っ先に食べ物の心配をする辺りがまさにそう。
右手の上に用意した光の弾を消してから、真っ直ぐに秀の目を見る。
「どうする気?」
「逆に聞くが、どうして欲しい?そもそも、俺が行き先やら何やら、決めていいのか?文句が出るぞ」
「私は気にしないわ」
「私も気にしないけど」
「…同じく」
「俺も気にしねえけど」
一瞬で私、優奈、奈々、蓮が答えた。
対面で秀が顔を抑えてため息をついたけど、そんな些細なことでいちいち悩むというのは、秀らしい証拠でもある。
いや、もっとはっきり言おう。
「ほんと面倒臭い……」
「……そろそろ泣くぞ?」
机に突っ伏した秀をどう起こしたものか、と迷っていると、
「…え、えっと、私も、気にしません……」
遠慮しがちな鈴の音がなるような綺麗な声。
驚いたように顔を上げた秀にその声の持ち主、トワが言っていた。
「トワ、無理に合わせなくていいからな?」
ポン、とトワの頭の上に秀は手を置いた。
気恥ずかしそうな様子を見せながらも、トワは秀の手を受け入れていた。
怯えや拒絶は見えない。
「……不思議ね。秀って子どもが苦手なくせに、子供には受け入れられやすいなんて」
「流石、秀。夜泣きした子の面倒を見るだけはある」
「奈々、その話詳しく」
「秀……トワを泣かせたのか?見損なったぞ……」
「おいこら脳筋野郎何で俺が泣かせたことになるんだ?羽もぐぞ蜥蜴が」
いつも通り、騒がしく朝は過ぎていった。




