38.力の使い方、絶対に間違ってる 【和泉優奈】
【和泉優奈】
朝日が昇り、異世界二日目を迎えた今日。
当然のようにテーブルを川辺に召喚し安定するように置き、トワを椅子に座らせた秀。
当然のようにまな板を影の中から取り出してテーブルに置いた後、蓮、カレンと三人で見回りに行った奈々。
目を丸くして椅子に座っているトワの隣で私と秀は立ったまま準備をしていた。
「はい」
「次、これ。斜めに切ってくれ」
「はい」
目の前のまな板の上に置かれた食材を秀の指示通りに斬っていく。
パン、野菜、卵など。
使っているのは朝食用のサンドイッチ。
後片付けが手間、という理由で私の力を使う事になった。
「秀、よろしく」
「【清めろ】。…よし、問題なし」
ちなみに秀のおかげで各種食材は新鮮だ。
取り出された食材はどれもみずみずしく、綺麗にされている。
本当に凄い力だと思う。
ちなみに食材自体は奈々の影から取り出したものだ。
…一体どんなものまで入っているのか少し気になる。
「もうそろそろか?結構具材切ったよな」
「そうだね。これで六人分足りそうだし……カレン達に伝えて」
「了解。ーー【繋げろ】」
秀が言った瞬間、左隣の空間に小さな黒い渦が現れた。
まるで電話をするようにその渦へと声をかける。
「三人とも、そろそろ終わるよ」
「というわけだ。おそらくイチャついてるであろう三人、さっさと戻ってこい」
『いや、別にイチャついてねえわ。風評被害も甚だしいぞ』
『まだイチャついてないわ。まだ、ね』
『…まだ、ね』
「予定はあるのかよ……あとな、ここ異世界なのに風評もクソもあるか」
『正論やめろ。それ言い出したら何でも異世界だからで解決するだろうが』
「……確かに」
『お前馬鹿?』
蓮と言い合いながらも秀はしっかりとサンドイッチを作り続けている。
勿論、私も。
ただ隣で色々と見ていたトワは未だ固まっていた。
「…ねえ、秀」
「どした?」
「トワの反応、めっちゃ新鮮。すごく久しぶりにこんな反応見た気がする」
「…確かに。五人とも見慣れてるしな」
その後三人が戻ってくるまでトワの反応を眺めてた。
感想。可愛かった。
不定期になってしまいまして申し訳ございません。
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渡世の調停者
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