33.変なところで鋭いね 【七星カレン】
【七星カレン】
「よーしよしよしよしよし」
「あ…あの……」
「よしよし」
酷い絵面であると思う。
困惑した表情の狐の獣人の少女の頭を女子高校生が撫で続けている。
どうも優奈は狐の少女を気に入ったらしい。
ずっとあんな感じで撫で続けている。
「…蓮、奈々。あれ止めた方がいい?」
「無理だろ」
「無理」
「ですよねー」
腕立てをしている蓮と座っている奈々に聞いたものの、思った通りの答えしか返ってこなかった。
というか、優奈の制御役である秀が木をいじって何かしている。
十中八九碌なことではないだろうけど。
「ま、それより準備しようぜ。もうそろそろ日が落ち……落ちるよな?奈々、どう思う?」
「…落ちる、よ?うん?多分?……知らないけど」
「何この全く信用の無い会話」
気持ちは分かる。
そもそも、太陽が二つとも沈むのかどうかも分からない。
「……蓮、ちょっと気になってたことあるんだけど」
「何?」
おそらく知っているであろう、腕立て伏せをしている蓮に声をかけた。
…蓮って鍛えたら何か変わるのかな。
それはともかく。
「何であの子、急に喋れるようになったの?」
「秀」
「なるほど」
不可解なことが解決したときは、大体秀が何かやっていると思っていたけれど。
今回もだった。
「具体的に何したのかは分かる?」
「…確か秀は呪いが何とかって言ってたっけなー」
「…呪い、ね」
「あと、持ち主に弾き返したって言ってた」
「流石ね」
「あと、持ち主に戻る前に関係者全員にばら撒くって」
「あいつ鬼か悪魔なの?」
呪いについて多少の知識はある。
呪いというものは総じて弾き返すと何十倍にも強化されて術者に戻ってくる。
それを秀は周囲の人間を巻き込むように返した。
酷すぎる。
「鬼はここにいる」
「あなた厳密には違うでしょ、奈々」
奈々を、鬼、と言っていいのか。
何とも言えない。
「じゃあ悪魔」
「悪魔とも違うでしょ」
「…あれ、どうなんだろ」
…お願いだから、本人は自信を持って断言して欲しかった。
不定期になってしまいまして申し訳ございません。
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興味のある方は是非。
渡世の調停者
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