28.間の役目は大体面倒臭い 【黒秋秀】
【黒秋秀】
悩む。
起こす、とは言ってもいくつか方法がある上、やり方によっては余計な影響が出る。
「どうやって起こすかな…【打ち消せ】」
結果、一番手っ取り早く安定した方法を取ることにした。
蓮が気絶させた行為を【打ち消す】。
これが一番安全で安定しているはず。
「一人で解決するなら黙ってやれよ」
「俺は独り言を言った方が考えが纏まるんでな。というわけで、起きたか?おっさん」
目を覚ましたであろう体格の良い男へと声を掛ける。
「…余裕だな、お前たち」
起き上がり、座ったままの男に敵意はない。
目元しか見えてはいないが、攻撃の意思は無いと判断して俺も男の対面に座った。
「まあ、それはな。余裕なもんで。隣に雨降らしてくれる馬鹿もいるしな」
「おい」
隣にいる蓮が文句を言いたがっているが、一旦無視。
「…で、何が目的だ?俺を起こしてどうしたい」
「見せたいものがあるので。他に質問は?」
「…部下たちは?」
「気絶してるけど、一応結界の中だから大丈夫なはず」
指で指し示す。
森の中で倒れている何人かは結界の中。
つまり、外的要因で死ぬ危険はない。
「…何を見せたいんだ?」
「これ。ーー【映せ】」
左手を上に向けて前に出し、その上に一メートルサイズの円が現れる。
鏡のようなその中に映し出されたのは――
「あ、ごめん。ちょっと待って」
「「…」」
仲睦まじい様子の女子三人だった。
すごい目で蓮と男が見てくる。
「は?は?何ですか?何か文句ありますか?俺が悪いのかよ」
「逆ギレすんなよ。満場一致でお前が悪い」
「さて、仕切り直しだ」
「おい」
蓮は無視して【言霊】をもう一度唱える。
「【映せ】」
今度こそ、間違いなく映し出すことに成功し、男の様子を見る。
「…どう、やった?何を、した!?何故、あの子の…!!」
明らかな動揺。
だが、喜びの混ざった困惑である事は見てすぐに分かった。
「ついでに、呪いも外しといた。質問はきちんと答えるつもりではいるけど、こっちも知りたい事がある」
男の目を見据え、真剣に言葉を返す。
「…分かった。こちらも、質問に答えれば良いんだな?」
「おお、お飾りの奴より話がしやすくて何よりだ。んじゃ、話そうか」
これで、漸く方針が決められる。
不定期になってしまいまして申し訳ございません。
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渡世の調停者
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