表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
25/50

25.神話に出てくる空を飛ぶ奴

【視点なし】



 黒秋秀が石に座って浮き上がり、同時に白川蓮が前方へ動いたその瞬間。

 蓮に向かって三発の炎の弾が迫っていた。


「おい、早いって――」


 同時に、浮かび上がった秀へと、蓮に向かう炎弾の倍の数の炎弾が、八発迫る。

 それに対し、秀は二つの手段で対応した。


「【止まれ】。

 ――【動を静に。静を動に。揺らぐ定型。定型は揺らがず】」


 【言霊】による、強制的な停滞。

 そして、事象制御による停滞。

 秀の眼前で半分の炎弾が時間が止まったように、動作を失ったかのように停止し。

 残り半分は秀の眼前で停止したものの、炎が揺れ動いており、完全な停止はしなかった。


「…あー、ミスったか」


 そう呟く秀の下で、蓮は炎の弾を()()()消し飛ばす。

 熱さを散らすようにふらふらと殴った拳を揺らし、蓮は呟いた。


「んん?思ったより温度低くない?…まあ消えたしいいか」


「…お前、相変わらずだな」


「お前に言われたくねえよ」


 距離が離れてはいるが、二人は自然に会話し、


「悪いけど、しばらく俺引っ込むわ。何か上手く制御出来てねえし」


「おう、了解。全員気絶させとけばいいな?」


「ま、それでいいよ。んじゃ後よろしく。【歪め】」


 瞬間。

 秀を球状に空間が歪み、姿が見えなくなった。


「さてさて。全員気絶、というわけなんで」


 蓮は好戦的に、笑みを浮かべる。

 自信と、喜びも含まれているだろうか。

 左の掌に、右拳をぶつける。

 その動作だけで、察することができるだろう。


「遠慮なくやらせてもらうから、そのつもりで頼む。


 ーー死なないでくれよ?手加減はしてやっから」



◆◆◆



 結界の外で戦闘が始まり出したその時。

 結界の中では、


「んん〜!!見た時から思ってたけど、やっぱりこの子の尻尾気持ちいいわね。二つあるから何だってんのよ。最高じゃない」


「…耳があるから、ちょっと髪整えにくい。でも、いいね」


「肌ぷにぷにだね。可愛いなぁ。傷が治って本当によかったね」


 三人がただひたすらに狐耳の少女を愛でていた。


「…!?…??」


 もみくちゃにされる少女は、困惑し続けていた。

 一体どうすれば良いのか。


「大人しくしてるし、いい子ね。髪も伸ばしすぎたし、手入れしてあげましょう」


 ただ、一つだけ。

 この場にいる三人には逆らうことなど出来ない、という事だけが分かっていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ