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13.自称普通の高校生 【白川蓮】

【白川蓮】



「休憩よ…!!」


「休憩、絶対…!!」


「了解了解。休憩な」


 適当に秀が言うが、こいつは危機感が無いのか。

 秀を射殺しそうな目で睨む二人の意見を尊重し、一度休憩を挟むことにした。

 既にかなりの距離を移動しているため、余程追いつかれることもないはず。


「アンタら二人で周囲警戒してきなさい。優奈は正座」


「えっ、でも…」


「正座」


「…うん」


 多分これから優奈は怒られる。原因は、間違いなく気軽に力を使ったからだろう。

 …元凶はこっちだが。


「よし、んじゃ仕込むか」


「お前がな」


「…お前がやった方が楽なんだけどなあ」


「無理だ」


 俺の力は秀のように万能な物ではない。

 今この場で使っても問題はないだろうが、温存するに越した事はない。


「下手に使えばどうなるか分かってるだろ?」


「まあな。

 ――【実を虚に。虚を実に。惑わし迷宮。迷宮こそ惑わす】」


 軽く地面に手をついてから立ち上がった秀。

 何となく、周囲に結界のようなものを張った事は分かる。


「ったく。異世界転移なんてもんに巻き込まれた時はどうなるかと思ってたけど…」


「けど?」


「お前一人でも何とかなりそうだな」


「それは当然だな」


 そう言いながらも、秀が得意げになる様子はない。


「…やっぱ、お前警戒してるんだろ?」


「んー…ちょっとな。俺の能力が何処まで通用するのかはちと気になってる」


 時々聞こえる足音らしき物や、映る巨体の影はまるで何も無かったかのようにすぐに離れていく。

 無事に秀の能力が効いている証明だろう。


「なんでそんなに警戒してるんだ?」


「前にもあったしな。所謂虫の知らせってやつ」


「…あの()()の時のことか?」


 向こうの世界で、俺たちと近しい存在であった五人。

 その五人と出会った時のような警戒をしている、と。


「気のせいなら良いけどな。…ああ、もしかしたらあの五人もこっちの世界に来てたりして」


「まさか。んなことあるわけねえ」


 ヘラヘラと二人で笑い合うが、すぐに互いに真顔になる。



「「…フラグ?」」



 変なところで息があってしまうのは何なのだろうか。


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