四の炎
四の炎
丈二が発砲したにも関わらず、男は平然として丈二の前に立っていた。
丈二は思わず聞いた。
「……なぜだ?」
「なぜ、お前は倒れない?」
「教える必要はありません。知らない方がいいでしょう」
「話を逸らすんじゃねぇッ!」
「なぜ倒れないのかと理由を聞いてンだッ!」
男はニヤリと不敵な笑いを浮かべながら応えた。
「説明しても理解出来ないと思いますよ?」
「あなたに教えてあげられるのは、あなたが「愛別離苦」を背負い続け、苦しき日々を死ぬまで送り続けると言うことでしょうかねぇ」
「そんな小難しいことを聞いてんじゃねーッ!」
「なぜ、倒れないのかと、俺は聞いてんだ―――ッ!」
男は一歩、丈二に近づいた。
「だから言いました。教えても理解不能だと言うことを……」
男はまた一歩、近づいた。
「そんなにしつこく言っていると、あなたも送ることになりますよ」
「彼女のように、奈落の穴へ頭から……」
男は更に近づこうとしていた。
「ち、近づくなッ!」
「それ以上近づくと撃つぞッ!」
男は停止命令に従わず、また一歩、丈二に近づいた。
「撃ちなさい」
丈二が発砲すると同時に、男は丈二の横にスッと立っていた。
男は銃身と回転式のシリンダーをガシッと上から鷲掴みにすると、「あッ!」と驚く丈二の手から拳銃を奪い取った。
男に奪われた拳銃は日本警察使用の380ACPだった。
男は拳銃を手の平の上に乗せ、黙って丈二に見せつけた。
黒く燻っていた拳銃は、男の手の上で熱を帯びて赤銅色に変わり、木製のグリップは炎を上げて燃え出した。
丸腰の丈二は為す術も無く、男の行動を呆然と見つめていた。
「ンな、バカな……」
赤銅色から灼熱に変わってしまった拳銃を、男は粘土を握り潰すようにグニャリと潰した。
男はニッコリと笑いながら、燃えつきてグリップの無い拳銃を足元に落とした。
「驚いて当然です」
「トリックとマジックの違いは様々な仕掛けを行うか、または目を逸らしている間に行うかのどちらかなのですが、あなたが目にしたのはどちらでも無く現実なのです」
歪められた拳銃を見ながら、丈二はゆっくりと後ずさりをした。
『と、鳥肌が立って来たぜ』
丈二は逃げることも無く、険しい表情で男を直視した。
『ここで逃げれば一気に襲われそうだ』
背を見せて逃げようともしない丈二に向かって、男はジワリとにじり寄って来た。
「こ、今度は、何をしようってんだ!」
男は無言で、丈二の顔面にストレート・パンチを見舞った。
顔面を大きく歪めながら吹っ飛んだ丈二に、男は微笑みながら近づいてきた。
「生きている生身の人間を、一度殴ってみたかったのです」
「な、なんだとォ?」
「今まで相手にしてきたのは、死人たちばかりでしたからねぇ」
丈二から恐怖が一気に吹き飛び、怒りの炎がメラメラと燃え上った。
「な、何が死人だ!」
「ふざけたことを言うンじゃねーッ!」
反撃に出たい丈二は、険しい表情で起き上ろうとした。
「お、おのれ……」
「よくも、よくも……」
必死で立ち上がろうとする丈二のアゴを、男は勢いよく靴先で蹴り上げた。
丈二は身を反らし、再度、後方に吹っ飛んだ。
男は笑みを浮かべながら、丈二に近づいて来た。
「心配しなくてもいいですよ」
「アゴの骨が砕けないように手加減、いいえ、足加減して蹴っておきましたので……」駆け寄って来た魔犬が、男に言った。
「上手い!」
「座布団一丁、でんな?」
男は立ち上がれぬ丈二を見下しながら、魔犬を嗜めた。
「どこで覚えて来た言葉か知りませんが、横から余計なことは言わないようにしま しょうね?」
「え、えらい、すんまへん」
ガックリと首を垂れて、魔犬は謝った。
―――
迎え鐘の御堂に身を隠し、事の一部始終を目撃していた矢沢が度肝を抜かれた。
「ホ、ホンマかいな?」
「ウソやろ?」
「犬がしゃべりよったで?」
―――
男から殴る蹴るの暴行を受け、グロッキー気味になった丈二が辛うじて立ち 上がり、そして、男に尋ねた。
「い、一体、お前は……」
「何者だ?」
「問われて応えるような私では無いのですが、まあ、いいでしょう」
「この世で一人や二人くらいは私の名前と存在を知る者がいても……」
「私の名前は死々怒です」
「……シシド?」
「二度、死して怒ると書くのですが、ことのついでに教えて上げましょう」
「私は別名で「魔餓鬼」とも呼ばれています」
「自分の口から言うのも憚れますが、私は生まれた時から手の付けられない 悪ガキだったようで、亡者たちだけでなく、赤鬼や青鬼の獄卒たちからも閻魔の息子のクソガキと陰口を叩かれ続け、いつしか閻魔の息子のクソガキが省略されて魔餓鬼と呼ばれるようになり、その呼び名の響きが私の耳にはとても心地よく聞こえてきたものですから、私も自ら魔餓鬼と名乗るようになったと言う次第です」
丈二は絶叫した。
「ざけんじゃね―――ッ!」
「お前が……」
「お前のような野郎が、閻魔の息子だと言うのか?」
「そうですよ」
「何が閻魔の息子だ!」
「いい加減にしやがれ!」
「よくも、そんな口から出任せが言えたもんだ!」
「そんな出鱈目を、この俺が信用するとでも思っているのか!」
「信じろとは言っていません」
「信じる、信じないはあなたの勝手です。好きなように受け止めればいいでしょう」「ですが、いい加減に諦めて、ここは素直に現実を認めるべきです」
「あなたが置かれている現実をよく見つめてみなさい。現実を認めてすべてを諦めることが私はベストだと思うのですがねぇ」
「うるせーッ!」
「魔餓鬼か酢牡蠣か知らねえが、テメーのようなクソ野郎はどんなことがあってもこの俺が許さねぇッ!」
「八つ裂きにしても物足りねぇッ! テメーを地獄の底へ叩き落としてやるぜ!」
「いいですねぇ。その心意気……」
「恨みは生きてゆく為の大きな糧となってくれます。遺恨と怨恨は大きくなればなるほど、生き甲斐にもなってくれることでしょう」
「どうしても現実を認めたく無いのであれば、大いに私を恨むことです。そして、邪悪と思うこの私を殺したいほどに憎み続けなさい」
魔餓鬼は言い終わると同時に、強烈なボディブローを丈二に見舞った。
腹を両手で抱え込んで魔餓鬼の足元に跪き、身を丸めた丈二は低い呻き声を上げながら悶絶した。
「ウグ、ウグググ……」
冷たい視線で丈二を見下しながら、魔餓鬼は言った。
「彼女を守れなかった罪悪感と、彼女を失ってしまった喪失感に苛まれ、心身ともにボロボロになり、藻掻き苦しみながらこの私を憎み続けなさい」
「無能なあなたに残された道は、恨みと無念の道しか無いのです」
苦痛で顔を歪めながら、丈二は魔餓鬼を見上げて言った。
「バ、バケモノめ……」
「何があってもテメーだけは絶対に許さねーッ!」
魔餓鬼は冷たく笑って応えた。
「何をどう言っても自由ですが、自分が置かれている現状を自覚することです」
「うるせーッ!」
「おやおや。私の言葉がまだ理解出来ていないようですね?」
「では、心の底から思い知らせてあげましょう。いかに自分が無能な男であったかということを……」
跪いている丈二のテンプルを、魔餓鬼は横から蹴りつけた。
丈二は身体を浮かせて、大きく吹っ飛んでいった。
激しく地面に叩きつけられ数度回転した丈二は、起き上がることさえも出来ず、グロッキー状態に陥ってしまった。
大の字になって天を仰ぎながら、丈二は心の中で呟いた。
『赦してくれ。真央……』
『キミを守れなかったどころか反撃することさえも出来ず、こんな無様な姿になってしまったこの俺を……』
ゆっくりと閉じられた丈二の目から、一滴の涙が頬を伝って流れ落ちた。魔餓鬼と魔犬の「魔火丸」が、丈二に近づいて見下した。
「身動き一つしまへん。くたばったのかも知れまへんな?」
「脳震盪でも起こしたのでしょう」
魔火丸は魔餓鬼を見上げながら聞いた。
「一つ聞いてもよろしいでっか?」
「どうぞ。一つと言わずに二つでも……」
「何で地獄送りにせえへんのでっか?」
「女と一緒に、この男も……」
魔餓鬼は丈二を見下しながら言った。
「二人が恋人同士であって生き別れになれば地獄です。ですが、二人で一緒に地獄に落ちれば一緒に死ねたという妙な連帯感と幸福感を味わうことにもなりかねません」「虫唾が走るのですよ」
「二人がそういう気になってしまうことが……」
「なるほど。そういう理由でおましたか?」
「ワテはてっきり、閻魔さんに二人を逢わせるのが嫌なのかと思うてました」
魔餓鬼は怪訝顔で、魔火丸に聞いた。
「……なぜ、私が嫌がるのですか?」
「閻魔さんは現世に於いて、地蔵菩薩に化身してでも人助けをしようとする慈悲深いお方でおます。そやさかいに、二人を現世へ送り返す可能性が万に一つでも無きに しも非ず、と思うたんですわ」
グロッキー同然だった丈二の耳がピクリと動いた。
そして、丈二はゆっくりと目を大きく見開いた。
『……二人をこの世へ送り返すだって?』
『そんなことが出来るのか? バケモノの父親の閻魔ってのは?……』
魔餓鬼は魔火丸の話を聞きながら苦笑した。
「無理でしょうねぇ。なぜなら……」
丈二はすっくと立ち上がって言った。
「深く考える必要は無い」
「頼めばいいんだ。慈悲深い閻魔さんに……」
「万に一つでも、真央が助かる可能性があると言うのなら……」
魔火丸と魔餓鬼は呆気に取られた顔で、意気込んでいる丈二を見つめていた。
丈二は大きく叫びながら、穴に向かって走っていった。
「待っていろ! 真央―――ッ!」
―――
走る丈二の後ろ姿を見送りながら、魔火丸が魔餓鬼に聞いた。
「ええんでっか? あの男を捕まえんでも……」
魔餓鬼は冷たく笑って応えた。
「好きなようにさせて上げましょう」
「この世にはどうしても生きていたい、長生きしたいと願う人間が掃いて捨てるほどいるというのに、あの男は女の後を追って自ら地獄に落ちていこうとしている典型的な大バカ者の「死願者」です」
「物事の後先を考えず、どれほどまでに自分が稚拙で愚かな行為をしてしまったのかを、奈落の底でじっくりと思い知るがいいでしょう」
―――
瞳を輝かせ、丈二は笑顔で穴に向かって走った。
「閻魔に会うぞーッ!」
穴の手前で大きくジャンプすると、石塔の前でぽっかりと開いている漆黒の穴の中へ丈二は頭から飛び込んだ。
丈二の叫び声が穴の中から聞こえた。
「まおおおおおお―――ッ!」
小さく消えて行く丈二の叫び声と比例するようにして、漆黒の穴も急激に縮小して 消えて無くなり、境内は何事も無かったかのように元の状態に戻った。
―――
御堂の陰に隠れていた矢沢が思わず声を上げた。
「き、消えた!」
「ホンマかいな! 信じられんわ?」
矢沢は今まで目撃してきた全てのモノを信じることが出来なかった。
「消えた穴もしゃべる犬も信じられんけど、閻魔を信じて穴に飛び込むあの男が一番信じられんわい」
「どんだけ女に惚れてんねん。アホちゃうか、あいつ?……」
―――
珍皇寺の門前に白のセダンの覆面パトが停まり、運転席から政岡が車外に出て来た。「あのバカ野郎……」
「後先考えずに身勝手な行動をしやがって……」
苦々しげな表情で、政岡は腕時計を見た。
「……何が30分だ?」
「とっくに過ぎているじゃねーか。約束の時間が……」
―――
魔餓鬼は近くの木を見上げ、天辺に止まっている白頭ガラスに声をかけた。
「やはり、いましたか」
「この珍皇寺に……」
鋭い眼光で魔餓鬼を見下しながら、白頭カラスは応えた。
「思った通りだ」
「やっぱり出てきたか。この珍皇寺へ……」
―――
御堂の陰に隠れて事の成り行きを伺っていた矢沢が、再度、度肝を抜かれた。
「ど、どないなってんねん?」
「こ、今度はケッタイな鳥がしゃべりよったでぇ?」
―――
魔餓鬼は白頭ガラスに聞いた。
「ここは「死の六道」の珍皇寺です。私が「生の六道」の福生寺から出てくるとは 思わなかったのですか?」
白頭ガラスはせせら笑うようにして応えた。
「お前のことだ。真面にこの世に出てくるとは思わねーよ」
「なるほど。裏の裏の、そのまた裏だと読みましたか?」
「いつだって鋭いですねえ。ケンちゃんの読みは……」
「誰がケンちゃんだ?」
白頭ガラスは大きな声で怒った。
「俺の名前は縣衣翁だ!」
「縣衣翁と呼べ! 縣衣翁と……」
魔餓鬼は怒る懸衣翁を無視して「迎え鐘」の御堂の方を見た。
姿の見えない矢沢に向かって、魔餓鬼は呼びかけた。
「いつまでも御堂の陰に隠れていないで、そろそろ出て来きてはどうですか? 矢沢君……」
矢沢は訝しがった。
「……矢沢君?」
「もしかして、矢沢君ってのは、この俺のことか?」
御堂の陰からゆっくりと姿を見せ、矢沢は魔餓鬼に聞いた。
「……何で、俺の名前を知っとんのや?」
「苗字だけでは有りません」
「あなたの下の名前が慎二郎だってことも、私は知っています」
サッと拳銃を取り出し、矢沢は銃口を魔餓鬼に向けた。
「俺も知ってとるわい!」
「お前は超の付く大バケモノやということをーッ!」
矢沢はいきなり拳銃をぶっ放した。
乾いた拳銃の音が境内に鳴り響いた。
―――
覆面パトの横に立っていた政岡が、遠くで発射された銃声音を聞いた。
「銃声だ!」
政岡の表情が険しく変わった。
「ま、まさか、丈二の身に?……」
―――
魔餓鬼は指先に摘まんでいた弾丸を矢沢に見せた。
「この弾丸はあなたの拳銃から発射された弾丸です」
「な、なんやてぇ?」
薄笑いを浮かべた魔餓鬼は、矢沢を小バカにしたようにして言った。
「すべてを目撃していたはずなのに、あなたも先程の男と同じ様に、救いようの無いバカな男のようですねぇ?」
「じゃかましいわい!」
魔餓鬼に向かって矢沢は再び発砲した。
「くたばれ! バケモノ!」
両手の指先に二つの弾丸を摘まんだ魔餓鬼が平然と立っていた。
ニヒルな笑いを浮かべた魔餓鬼は、二つの弾丸を足元にポトリ、ポトリと落とした。「な、何でや?」
矢沢は唖然とした顔で聞いた。
「……何でお前は、死なへんのや?」
魔餓鬼はにこやかに笑って応えた。
「私好みの悪党では有りませんが、少しは役立ちそうなので教えてあげましょう」
「あなたは「フェムト秒」というのを知っていますか?」
「知るかい!」
「何の病気や。それは?……」
「病名では有りません。「フェムト秒」とは時間の経過を表現する単位のことで、 1フェムト秒は0.0と小数点の後にゼロが14個も並ぶ秒数です。1秒で地球を 7周半する光の速度であっても0・0003ミリしか進めないのですから、1フェムト秒は目にもとまらぬほどの速さで「一瞬の時間」と言っていいでしょう」
矢沢は黙って魔餓鬼の話を聞いていた。
「光の速度には遠く及びませんが、私たちはフェムト秒単位の時空間を自由自在に 移動することが出来るのです」
「何かよう分らんけど、瞬間移動が出来ると言いたいのやな?」
「そうです」
「その証拠にあなたのズボンのポケットに入っていた免許証から名前を知ることが出来、発射された拳銃から難なく弾丸を指先で摘まみ取れるということです」
矢沢の横にスッ!と立ち、驚く矢沢から拳銃を奪い取ると、魔餓鬼は飴細工のようにグニャリと両手で曲げてその場に捨てた。
「これで私の説明は終わりました」
「では、行きましょうか?」
矢沢は魔餓鬼の誘いに青ざめた。
「ど、どこへ行く気や?」
「説明する必要は有りません」
「そ、そっちにのうても、こっちには知る権利ちゅうもんがあるんじゃい!」
「有りません」
「な、なんやてぇ?」
「権利と言うものは、義務を果たしてから主張するものです」
「アホか! お前に果たす義務なんかあるかい!」
「有ります」
「私はあなたを抹殺せずに生かしておいてやっているのです。ですからあなたは私に助けて貰った恩義を返す義務が有ります。義務を果たせなければ首と胴だけでなく、手足が右と左にサヨナラすることになりますが、いいですか? そうなっても……」「ええワケ、無いやろが!」
怒れる矢沢の襟首を、魔餓鬼はグワッと掴んだ。
「おしゃべりが少し過ぎました。では、私と共に行きましょうか?」
「断るわい!」
「お前勝手に一人で、どこにでも行きさらせ!」
拒む矢沢の襟首を掴んだまま、魔餓鬼は参道に向かって走った。
魔餓鬼の走るスピードが余りにも早いために、矢沢の両足は浮き上がって吹流しの鯉のように真横になって引っ張られて行った。
「た、助けてくれ―ッ!」
地面と水平になって引っ張られて行く矢沢の目前で、魔餓鬼と共に走っていた魔犬の魔火丸が四つ足から二足歩行の走行へと変わり、ロングヘアを風に靡かせる うら若き美女へと変貌していった。
矢沢は目前で変貌していく魔犬を見ながら、悲鳴にも似た声で叫んでいた。
「ギャ、ワワワ―――ッ!
「犬が女に、女が犬に化けよった―ッ!」
―――
珍皇寺の山門を走り抜け、政岡が参道に入って来た。
マネキン人間のように身動き一つせずに立ち止まっている政岡の横を、矢沢の襟首を掴んだ魔餓鬼と若い女性が一瞬にして走り抜けて行った。
政岡は怪訝顔で振り返り、山門の方を見た。
「何かが横切ったような気がしたが?……」
微風が吹き抜け、小さなナイロン袋が政岡の足元近くで僅かに動いていた。
「……気の所為か」
政岡は再び、境内に向かって参道を走った。
政岡と入れ替わるようにして、白頭ガラスがゆっくりと滑空しながら珍皇寺の山門に向かって飛んでいった。