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王様の呼び出し

俺は頭を抱えて悩んでいる。隣で


「私もいいじゃないですか!」


「ダメです」


「ダメなのじゃ」


「ダメなの」


とサーシャ、エリザ、コーデリアと第三王女のアンリが言い合い、その奥では


「アークよ〜うちのアンリの方が天才だぞ〜」


「残念だったな。アレクは天才を超えた天才だからうちの方が凄いんだ」


と国王と父さんとで言い合っていた


「あら?ナナさんもレイさんも大変なのね」


「そうですよ。アレクちゃんもリーン領に帰っちゃうし」


「サーシャはブラコンで兄様がいないとよく泣くんですよ」


と王妃、レイ、ナナが奥でで女子会を開いていた

俺は思った


どうしてこうなった!!


ことの始まりはパーティーが終わった後、俺ら大公爵家の人は全員国王に呼び出された。デルタはいかなかったが、エリザは婚約者だから行けた

そこに呼び出された理由は主に3つ


1つ目は俺のステータスのこと

2つ目は第三王女のアンリのこと

3つ目はこれまたアンリのこと


1つ目おれのステータスを説明するだけで済んだ。


(魔眼やスキルの習得方法は教えてないが)


レベルやステータスで周りがめっちゃ驚いていた


(見せたステータスもレベルも当然嘘だ)


2つ目は第三王女のアンリに友達がいないからなってほしいそうだ。俺らもそれぐらいならと即答だった。そして問題が最後の王家とリーン家の結び付きを強くするために俺とアンリの婚約だそうだ。これには勿論エリザ、サーシャ、コーデリアが大反対した。


「アレク様は王家を裏切るような人ではありません」


「兄様にもう婚約者は入りません」


「そうなのじゃ。妾達だけで十分なのじゃ」


とムキになって返している。しかしそこは王女。しっかりと対応


「それでも念のための保険です」


「アレク様は英雄ですよ?『英雄色を好む』と言うじゃないですか」


「アレク様を独り占めする気ですか?」


どっちも10歳が言う言葉じゃない。が、言い合うところは10歳。内容が内容ではあるが


「「「「むむむむむ」」」」


「ふははははは。流石アレクだな。俺も子供の頃はこんなにもてなかったぞ」


「何言ってるんですか?アークは昔からモテてましたよ。ただ本人が気付いてないだけで」


「うむ。確かにそうだな。みんなアークのことを見てあったぞ」


「なら何でアレクのようにならなかったんだ?」


「それはアークの父親アレスが眼力で抑えたったよ女子だけでなく男子もな」


「流石父さんだな」


と大人は大人で別の世界で話しているかのように俺らのことをスルーしている


「父さんと王様この4人なんとかして欲しいんですけど」


「残念だったなアレク。モテる男には修羅場が必須だ」


「アレク。父さんも助けてやりたいが何事も経験だ。ここで経験しておけば次からは対処できるようになるぞ」


「俺は今ここで対処したいです」


「まあそう言うな。後で何か1つだけ言うことを聞いてあげよう」


「1つだけですか?」


「そうだな。アレクをこいつに自慢していいなら2つにしよう」


今回は父さんの親バカの結果でやる気になった。親バカも案外役に立つな


「分かりました。自慢していいですよ。そのかわり2つですからね」


「分かってるさ。息子の頼みを断るほど俺はマヌケでも、アホでも、最低でもないからな」


流石にそこまででもないと思うが


「分かりました」


そう言って元の場所に戻ると案の定まだ言い合っていた


「私もアレク様と一緒にいたいの!!」


「「「だめ!!」」」


「何でよ!!」


「あなたを許すと他の人もやってくるからよ」


「エリザの言うとうり」


「うむうむ」


「はぁ。3人とも落ち着いて、アンリ様もそんな喧嘩腰で話さなくてもいいでしょ」


「アレク様ぁー3人が私のこといじめてくるぅー」


「「「いじめてない!」」」


「ほらー慰めてーアレク様ー」


そう言ってアンリが抱きつこうとしてくる。確かに見え方によっては3対1に見えるかもしれないそう思い俺はアンリのことを─────避けた


「え?きゃああああ」


アンリは盛大に転んだ。


「「「えぇー·········」」」


流石の3人も引いた。普通はアレクも抱きついてあげるべきだと思っていたからだ。流石のアレクもこの空気の悪さを察して


「いやだってさ、王女様を抱きしめるとかやばそうだし、なんか近衛兵とかに捕まりそうじゃん」


と言ってみたが悪い空気は変わらず最後の手段として謝るしかなかった


「分かったよ、俺が悪かったちゃんと抱きしめる」


と言ったら空気が改善されるどころかさらに悪くなった。お前ら何に怒ってるんだよ!と思いつつも、本当は答えを出していたアレク。これが対処法だ!と確信して3人に近づいていき3人同時に抱きしめる。


「本当にゴメンって、でも、あそこで抱きついてたらそれこそ怒ってたろ?」


「うん········」


「それは·········」


「そうじゃな·······」


微妙に言葉になっている3人の声を聞いて


「エリザの時はああ言ったが、そんなに婚約者を増やすつもりはないから安心してくれ。だからエリザ達もそんなピリピリするなよ」


「分かりまし、え?そんなに?てことは増やすつもりはあるってこと?」


「まあ、俺がそうまでして欲しいと思う相手がいればな」


「「「じーーーー」」」


「それでも1番はエリザだけどね」


「アレク様ぁ」


と言って抱きついてくる。今回は避けずに受け止めた。これが正しい攻略法だ。


「「「むぅーーー」」」


「何でアイリ様も?」


「別にー」


そう言って顔を逸らす。しかし何か言って欲しいのかこちらをチラチラ見る


「ならいいか」


俺は王女様の視線を無視する。王女様には王女様の恋を頑張ってもらいたいからなただの見かけだけの恋なんてこれから先もするつもりはないからな


「それで王様。話したい内容はこれで全部ですか?」


「ん?なんだそっちの話は方がついたのか?」


「ええ、そうですよ」


「ちがいますよー!!まだ話し合いは終わってませんよ!!」


「ん?何か他に話すことあるか?」


「私もアレク様と婚約したいです!」


「俺はさっき言いましたよ。『おれに欲しいと思わせろ』と。アイリ様は何か俺の興味を引けるものはありますか?」


「それは·········」


「ないのですか?ならだめですね」


「アレク、いくらなんでも婚約を才能の有無で決めるのは」


「父さんの言いたいことは分かりますけど、そこで折れてしまうとうちの3人がうるさいんですよ」


そう言ってエリザ達を親指で指す。指された3人は恥ずかしそうに顔を背ける。がその顔は後悔はしてない顔だ


「アレクが言ったことも正論だ。しかし、うちのアンリが言ったこともまた正論だが?アレクが我を裏切るかもしれない、それにアレクも色を好むかもかもしれんぞ?」


「確かにそうですけど、それだったらアンリ様がいても同じなのでは?それに万が一俺が色を好んだとしても王女様は使いません」


「確かにそうだが······」


国王が言い淀む。それを見てうちの親は


「レイ!うちのアレクが国王を言い負かしてぞ!」


「ええ、見てましたよ。うちのアレクちゃんはやっぱり天才ですね!流石アレクちゃん!」


そう言ってアレクを抱きしめるアレク。これが敵意あるなら対処は容易いが、完全に善意だけだと対処に困る。そのまま抱きつかれたままだった


「母さん。もうそろそろ離してくれない?」


「ダメです。今天才過ぎるアレクちゃんを労ってるんですから」


「レイ。俺もぎゅうしたい」


「アークはまだ待っててください先に私がやってるんですから」


「くっ。ならこうだ!」


「きゃっ。アークったら大胆ですね」


アークはレイごとアレクを抱きしめた。


「父さん、母さんも今王様が目の前にいるんですよ?こんなことしてたら不敬罪で捕まって処刑されますよ?」


「そのことなら安心しろ。2人を捕まえて処刑することなんて一生ないからな」


「何でですか?2人が英雄だからですか?」


「それもあるが、2人はいや詳しくは5人は親友だからね」


「5人?てことは後2人いるんですか?」


「ああ。その2人も公爵の子だよ。男と女で1人ずつだ」


「確かに王族と釣り合うなんて公爵の子だけですからね」


「あれ?知らなかったのか?今日アークに挨拶に行ったと思うが」


「王様こそ知らなかったのですか?俺は3人とデルタでパーティーを遊びまわってましたよ」


「てことはあの騒ぎは」


「多分僕でしょうね。王様なら知ってそうですが」


「その時は挨拶の貴族がな」


「まあそう言う役職ですからね」


「それより、俺たちは同年代の中でも成績がな、アークは武力が、レイは回復が、俺ら3人と比べてもずば抜けていたがな」


「ちょっと待ってください。今同年代って言いましたか?」


「ああ言ったが」


「父さんと同年代で第三王女が俺と同年代ってことはこの上に2人もいるんですか!」



「残念だな。男もいるから5人だなアンリが末っ子だな」


俺は神でいた時も含めて初めて見た目で人を判断しないと言うことを実体験を持って学んだ


「·········本当に人間ですか?エルフとかではないのでは?」


「違うぞ。どこをどう見てもれっきとした人間だ」


俺はこれ以上この話に踏み込まないことにした


「それで、父さん達がずば抜けていても残りの3人もずば抜けていたのでは?」


「ほう、何でそう思う?」


「感じますよ。あなたから凄い力をね。多分ですけど、ステータスも総合10万ぐらいあるのでは?」


そう聞くと凄いプレッシャーが俺を襲う。しかし俺はプレッシャーをかるくなごしながら、俺はある魔法を使う。


「なぜそう思う」


さらにプレッシャーが増す


「そんなの感覚ですよ。あなたも、父さん達と同じようなものです。俺だってそれなりに経験は積んでますから」


「ふふふ、あははははは。やはりお前は面白い。

お前はいずれアーク達を超えるかもしれんな」


「まあ、頑張りますよ」


ここで既に超えているとか言ったら確実にアウトだ。ま、そんなヘマはしないがな。


「しかしその才能は惜しいな。本当にアンリは要らんのか?」


「さっきから何回も答えてますよ。俺には既に3人がいますからね。これ以上はよっぽどじゃない限りは要りませんよ」


「なるほどよっぽどか。なら王令を出すか」


「何言ってるんですか!何でこんなことで王令を使うんですか!?」


王令というのは王族だけが出せる命令で、勝手に使ってはいけないとなっている。しかし王令が出た場合、スランフの国民(冒険者でも)は必ず従う。従わないことは国家反逆を意味している


「いやだって、その才能が惜しいから」


「惜しいなら契約書でも何でも書きますよ」


「契約書なら破る可能性も、いやアレク。お前何か隠してないか?なぜここまで必死になる?」


「バレました?実は今魔法を使ってここでの会話を変換して父さん達に送ってるんですよ。それの効果がもう直ぐ切れそうで」


「だから急いでいたと。本当に凄いな。我の前で魔法を使えば国家反逆罪に囚われてもおかしくないのに、さらに魔法の発動を感知させない隠蔽。ますます欲しくなった」


「俺の話聞いてましたか?効果が切れるんで早く話を切り上げたいんですけど」


「まあ落ち着け、魔力なら我が出そう」


そう言って魔力を放出し結界に魔力を貯める

せっかく魔力貯蔵型にして早く切り上げようと思ったのにその選択が仇となった·········


「これならまだ持つだろ。それでも結婚の件だが」


「まだ婚約すらしてないのに結婚まですっ飛ばすのはやめてください」


「なら婚約の件だが、お前がいやなのは3人を裏切ることだよな?」


「なら、って。まあそうですけど」


「それでこにらの条件はアレクを手に入れること」


「俺は奴隷なんてゴメンですよ」


「国王に向かってそんなの態度を取れるのは後にも先にもお前だけだな。その権力に屈しない態度気に入った」


何やっても気に入られるアレク。アレクは既に諦めかけていた。


「3人を裏切らず、アンリを婚約させるには方法は1つしかない」


「もしかしてアンリ様から婚約のこと言い出したのかな?」


俺は頑なに諦めようとしない国王の態度からそう予想した


「········方法は、アンリが3人を説得させ納得させること。そして、アレクに認められるだけの特徴を身につけることだな」


「何で目を晒したんですか?ちゃんと目を合わせてくださいよ」


「アレク。世の中には知らなくていいことがたくさんあるんだぞ」


俺は血走った目で国王に見られた。さすがに怖いと思い


「分かりましたよ」


と納得しておいた


「それで、我はこの案は名案だと思うんだが」


「何で国王が10歳の子供に相談してんだよ。まあ俺はいいですよ。後俺は政略結婚はゴメンですから」


「それは大丈夫だ。アンリはお前のことを好いているからな」


「今日会っただけで?顔だけで判断されるのは嫌なんだけど」


「アンリが言ってたぞ『私を助けてくれた人のところに嫁ぎたいからお父様。探してー』てな。それがアレクだっただけだ」


「俺は王女様を助けたことなんて······あれか!」


「思い出したか?」


「俺は直接は王女様を見なかったがな」


「そうなのか?貴族が助けられたらお礼を言うのが普通だと思うが」


「俺が先に行ったんだよ。俺とコーデリアはリーン領でギリギリまでレベル上げしてたからな」


「アンリは走って帰ったと言っていたが」


「馬車で行くより、走ったほうが速いからな」


「もうそこまでなのか」


「ステータスは教えたけど」


「疲労によってステータス以上の動きも以下の動きもできるからな。子供の体だと半分発揮できればいいほうだと思っていたがそこまでとはな」


「それよりもう話すことはないから結界切っていいか?」


「いいぞ」


「アンリ様の件はそっちで内密に話してくれ、みんなの前で話すと3人が強情になって認めない可能性があるからな」


「なるほどな。了解した」


「なら切るぞ」


そう言ってアレクは結界を切り、みんなの元へ戻った






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