武神正装をする
最近戦いというより日常を書いてるような••••••
「父さん。本当にこんな格好で行くの?」
「勿論だとも。アレクは私の一人息子だからな。ヘボヘボな服は着させられんよ」
「でも、これはやり過ぎだと思う」
アレクの服は宝石が散りばめられていて、まるで宝石のフルプレートアーマーのようだった
「そんなことはないわ。アレクちゃんならどんな服を着たって格好良くなるもの。だから安心して頂戴」
安心できる、できないの問題じゃない。
俺はそう言おうとしたがそんなことを言える空気ではなかったので、その言葉を飲み込んだ
「アレク様。凄い似合っています」
「兄様!凄いカッコいいです!」
サーシャが抱きついてくる。
「サーシャ。流石に今はやめよう。折角着た服にシワがよっちゃうからね」
「はい·········」
少し落ち込んでしまったようだ。それはそうだ。俺は暇さえあれば、リーン領でステータス上げをしていた。そのせいで俺がサーシャや家族に会えたのは年に数回だ。サーシャや周りと違って精神が大人ではない。エリザも隠しているが寂しいはずだ。だったら俺が取るべき行動は
「サーシャ、エリザ。後でパーティーが終わったら遊ぼうね」
「本当ですか!!」
「ホントに!!」
「ああ、本当だ。2人とはあんまり遊べてなかったからな」
「やったぁー!!兄様と遊べる。何して遊ぶ!?」
「サーシャ。まだ速いわよ。遊ぶのはパーティーが終わった後でしょ」
「むむむ。エリザに言われるのはイヤ」
「こらこら。2人とも喧嘩しないの」
「「だってエリザ(サーシャ)が!!」」
「2人とも息ピッタリだね」
「「そんなことない!!」」
「「「あははははは」」」
2人があまりにも息が合いすぎて俺達はつい笑ってしまった
「「むぅ」」
「あははは。コホン。それで父さん。いつになったらパーティーに行くんですか?」
「そのことか。パーティーてのは爵位が低い者から会場に向かうのだ」
「だとしたら俺たちは最後ですね」
「いや。今年は王女様も同い年らしい。だから俺らは最後から2番目だな」
「アーク何言ってるのよ、今年は聖女様も一緒なのよ。だから3番目よ」
「そうだったな。確かレイの後釜だったかな?」
「そうよ。確かに優秀な子よ。でもアレクちゃんの方が凄いからねー」
「確かにそうだ。この世にアレクより優秀な者がいるわけがない。アレクならいずれ魔王すら討伐しそうだ」
「いやいや!!流石にしないから!!」
決して無理とは言わないアレク
「そうよアーク。アレクをわざわざ戦いに行かせなくてもいいでしょ」
「しかしアレクは初期のステータスが神童と言われた私たちを凌駕しているのだぞ。信用するなと言う方が無理がある」
戦わせたい父さん。戦わせたくない母さん
この口論はいつまでも続くかと思ったが、意外な形で幕を閉じる
「アーク。何してるの?もうそろそろ私達の時間じゃない?」
今話しかけてきたのはナナ・リーン。サーシャの母親で王都1の商会の娘。ナナは第二夫人だが、レイとの仲は良い。理由はレイの公爵家がナナの商会をよく利用していて、必然的に2人の仲も良くなったのだ。
「おお。そうだったな。それでは行くとするか」
「あのぉ。私まで一緒にしていて良いんですか?」
そう聞いたのはエリザだった
「それは当然だな。エリザはいずれアレクの嫁になる。このパーティはそれをアピールする意味もある」
「てことは他の意味もあるのですか?」
「それはアレクのことだな」
「俺?」
俺は思わぬ指摘を受けて自分を指さし聞き返す
「アレクはイケメンすぎる。自分で言うのも恥ずかしいが、俺とレイの間に生まれたのだからその顔も正直に言うと魅惑だ。女の子からしたら黄色い悲鳴だな」
「そうですか?」
「それに、貴族の中では大公爵家と縁を持ちたい貴族も多いはずだ。だから、どの貴族も娘を勧めてくるだろう。それを防ぐ意味もある」
「なるほど」
「他には」
「まだあるんですか!!」
「そりゃあるだろ。周りの女子がアレクに群がると自然と周りの男がアレクに嫉妬するわけだ。するとどうなるかはアレクでも分かるだろ?」
「はい」
そんなことになったら絡まれるのがオチだ
「分かっただろう」
「はい」
「お父様!だったら何で私には一緒にいてと言わないんですか!」
サーシャが自分の存在を主張するように声をあげて聞く。その言葉にアークが困惑する
「それはだなー。エリザは婚約者だが、サーシャは妹だろ?だからサーシャは逆にお婿さんを見つけて欲しいんだ」
「イヤ!私は兄様と結婚する!!」
「いやそんなこと言われてもなー」
「父さん。取り敢えずは様子を見ましょう」
「アレクっ!」
「今のサーシャには何言っても聞きません。いずれ誰か素敵な人を見つけるでしょう。それに婚約者を見つけるのは今ではなくても良いはずです。ただ俺が早すぎただけですよ」
「確かに、そうか?」
「そうですよ、それに早かったらパーティーで見つかるかもしれませんよ?」
「まぁそんなこともあり得るな」
「でしょう?だったら今なら好きにさせても良いのでは?」
「そうだな。ならアレクの言う通りにするか」
「サーシャ良かったな。パーティーの時も一緒にいて良いってさ」
「ほんとに!!やった!」
そう言って抱きついてくる。しかし俺はそれを止めることはしなかった