〜デジャブスライム?〜
あの後は大変だった。あぐらを書いた状態の僕にあの米スライムが突っ込んできたわけだが、それを僕は無抵抗で受けてしまった。
受けた直後、僕は抱くようにそのスライムを捕まえ、シャワー室まで駆け込んみ、シャワー室でスライムの体に付いた米を洗い流した。
しかも、大学の講義の時間が迫っていた。僕は急いで着替えを済ませ、部屋にスライムと洗面器を残して家を出た。
なんとか講義の時間に間に合った。しかし、僕はあることが気がかりで仕方なかった。
家の鍵をちゃんと掛けたか、戸締まりはちゃんとしたか、火をちゃんと消していたか、など、運が悪ければ帰ってから絶望するという程のことではない。が、しかし、僕はそれと同様くらいのレベルであのことが気になって仕方がない。
僕は講義がすべて終わると急いで自転車に乗って大学を出る。こんなことなら昨日とかに自転車の空気入れとくんだった。ある程度頑張ってスピードを出しながら、僕は最悪の事態だけはやめてくれ、と心の中で叫ぶ。
家に着いた。僕は自転車をとめ、急ぎ足で家のドアを開き、玄関で靴を脱ぎ捨てる。
たのむっ!
洗面器の中に米が残っていませんようにっ!
大袈裟かも知れないが部屋が汚れるのは嫌だ!!
これからみる光景によっては目眩くらい起きても仕方がないと覚悟を決め、洗面器があるであろう部屋のドアを勢い良く開ける。
次の瞬間、
あの、朝僕に米を付けて突っ込んできた、バスケットボールくらいで水色のぽよぽよした物体、スライムが僕に飛んできた。
デジャヴ!?
を感じたが、幸いスライムに米なるものは付いていない。
やった〜、心配して損した〜
僕は安心してスライムに恍惚の眼差しを向けた。
洗面器を回収しようと思い、洗面器に近づく。
あ、、、はぁ〜、、
この時点で流石に床が完全にきれいな状態だろうと油断した僕が甘かった。
僕が家を出た後、スライムはもう一度洗面器に入ったのだろう。洗面器を囲うように米粒が見える。さらによく見ると、スライムがその上を跳ねたのだろう、なんとその米粒たちは一粒一粒きれいに広がって潰れていた。
潰れたお米のりみたいになってて、いやなんだよな、、、
絶望感に打ちひしがれている僕の真後ろで、スライムは元気に跳ねているようだ。ぽよんぽよんという音が聞こえる。
ドリンクバーで5種類くらい混ぜたジュース飲ませるぞてやろうか
そんないたずらの思いつきも一瞬で砕かれる。
僕はそのスライムに目を向ける。
くっ、、はやり、かわいいから許してしまいそうだ。