〜スライムとの出会い〜
周りのほとんどは山に囲まれ、見上げると山一面生き生きととした木々で埋め尽くされている。そんな所でもなんとか一本道路が通っており、そこに小さな家がある。
僕は大学受験をなんとか乗り越えたが、大学に通うため、住む場所を探さねばならず、探しに探してなんとかこの小さな家に住むことができた。しかし、住んでみるとまぁど田舎で、コンビニヘ行くのでさえ、チャリで山を越えなければならなかった。
少しずつ暖かくなってきた春先、僕は大学から帰宅中、普段は何もない道路のわきに少し大きめのダンボールが置かれているのを見つけた。不思議に思った僕はそのダンボールへ近づく。ダンボールには貼り紙がされてあった。
貼り紙には
「心優しい方、どうかこの子の世話をしてあげてください」
と書かれている。
おいおい、もっとこう、多少ひと目に付く所でこういうことはするのではないのか。ここは山中だぞ。もし僕が見つけてなかったらどうなってたんだ。昨日くらいにこの道は通っている。そのときにはこんなダンボールなどなかったはずだ。
ところが、特にその中にいるであろう動物の鳴き声など聞こえず、最悪の事態を予想しながら僕は思い切ってダンボールを開けてみた。
ダンボールから現れたのは、捨て犬でもなく、捨て猫でもない、ましてやモルモットなどでもない。
くりっとした愛嬌のある目がついていて、透き通った水色をしている、丸いとても柔らかそうな物体。
、、、、、いわいる"スライム"とかいうやつであろうか。
僕はたぬきにでも化かされているんだろうか
夢かとも思った、しかしとりあえず僕は、家に持って帰ることにする。ダンボールを閉じ、自転車のかごに上手くすぽりと入れる。なんか、ぺちゃぺちゃ音がする。気にせずにそのまま家に帰った。
こうして僕は、これからこのスライムをペットのように飼うこととなる。