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レアガチャ転生もアリでした  1

考えた末にこういう始まり方になってしまった……

そうしたら、いつも以上に読みにくい駄文になったけど許してください。

目を覚ますのが遅かったと……

本当に手遅れになってしまったと……

肌を掻きむしるほどに後悔したことは魔族という種族の永遠にも等しい寿命の中であっただろうか?


「シノノメッ!!」


どれだけ叫ぼうが届くことのないこの声が、これほどまでに焦燥感に駆られる自分が、東雲爽という人物の中に自分がいなくなっている気がしていることが……酷く心を枯れさせる。


「おい、聞こえてるんだろう!?返事をしろ!!」


魔力が体を侵食しているのか、それとも爽が完全に操っているのかは定かではないが、その後ろ姿がとても危うく感じてしまう。


「チッ……何で届かない」


「…………」


大地を駆けるハウザと大空で立つ爽では、まさに天と地の距離がある。


「ここなら届くか……!」


それでも本来の力を開放しているハウザにとってその距離は最早目と鼻の先のような距離に等しく、即座に爽の背後に転移し体に触れ、目を向き合って、唾液が飛散するほどの大声を荒げたが――――それでも目の前に東雲爽だった(・・・)存在には届きもしなかった。


「おい、シノノメッ!!どうした――――ッ!?」


「■■■■……――――■■■」


聞き取れないほどか細い言葉がハウザの耳を掠め、爽の手の平は魔王城に向けられた。


「■■■■」


「何を――――」


聞き覚えのない言葉が爽の口から綴られていることにも驚いたが、そんな事実を遥かに上回る現象によってハウザは息をするのもやめてしまった。

灰色の雲をかき分けるような勢いで魔王城付近に降り注ぐ巨大な魔力の塊が〈インドラ〉の地形を変え、空中にいるのにも関わらず振動が体に伝わるのを感じる。


「……なんだ、この魔法は」


見たことも感じたこともない魔力が、世界の一部を崩壊させていく光景はさながら終焉といったところか。

だが、これだけではなかった。


「先天の先 刃は一閃を 収束を射て欠ける 血は蠢き地が唸る 天上の言葉が耳を掠めた」


言霊を魔素に付与させ神々に聞き届ける原初の魔法にして最強の魔法――――古代魔法の一種。

神と同調し、神々に等しい現象を起こすこと可能な魔法。


「偽神……魔法」


虚ろな瞳で次々と放つ言霊が爽の体に纏わりついていき、雲の向こう……空の彼方から神々しくも禍々しい魔力が爽に降り注ぎ始めた。


「【禁忌の開放】――――」


人生を賭けるとまで思った長い長い研究は目の前で動き出したことをまだハウザは知らない。感じ取ることが出来なかったのだ。

その事実は少しの間だけ脳裏に滞在し、思わず〈インドラ〉そのものと融合していく爽を眺めてしまう。

瞼を閉じてしまうほど眩い白銀の輝きが爽を包み込み次第に漆黒に変わる。

魔族と潜在的に備わるアビリティが交わり、この世界で変革を起こしかねる――――まさに歴史が黒く塗り潰される瞬間の隣に立っている事実。


「これが爽の〝力〟だと言うのか……?いや、違う。これが異なる世界から来た者の権利――――神の玩具にされているのか?それとも……」


この世界のシステムがそうなのか――――


正真正銘の〝魔〟というのこういうことなのかと、ここまで禍々しい存在が本来の〝魔〟の姿なのかと。

納得できてしまうほどに爽の体には異変が見られていた。

日本人らしい黒目は白く濁った淡い瞳に、黒く長髪だった髪は灰を被ったように灰色になってしまった。


「あぁ……ようやく戻ってきたー」


姿は人間の時とはまるでかけ離れているが意識は戻ってきたようで、自分の変化してしまった体をペタペタと触って確かめている爽の背中に向けてハウザが声かける。


「お、おい。シノノメ?大丈夫なのか?」


「その喋りは……って誰だ?お前」


爽から離れてしまった手の平をもう一度届かせようと試みたが、その冷徹に聞こえる別人のような声に恐怖のあまり伸ばした手が宙で止まってしまった。


「なにを……寝ぼけているのか?私だ、ハウザだ」


「はぁ……何を言ってんだ?いいか、俺が知っているハウザはまず身長が低い。胸もペッタンコのまな板ボデイ。それにまだ目が覚めないはずなんだ」


「どういうことだ?」


「俺の知り合いの魔族が教えてくれた……。ハウザを攻撃するとき一瞬で気を失ったのは魔王から借りた力が原因だってな。――――残念ながらそいつら(・・・・)は殺されたけどな」


何をしでかしてもおかしくはないという表情。

とても危険な香りがする雰囲気。


「それが魔王と戦う理由か……」


「色々とあった。この話しは寝ているアイツに自慢しながら話すことにしてるけど、俺って〈インドラ〉に体乗っ取られててあんまり覚えてないんだよね――――って」


大気が震え、地上では魔族が歓喜を上げる声が高らかに聞こえる。

よく見れば魔王城の周り、住宅地が全く傷を負っていないように見えた。


「ようやく出て来たな……クソ野郎(魔王)がよぉ」


「(魔力感知が大分成長しているな……。それに身体能力も大幅に成長を遂げている。私が寝ている間にどんな真理に辿り着いたかは知らんが――――)」


「私も隣で戦ってやろう。随分と力が有り余っていてな……」


「お、そうか?助かるわ」


空中から見ているから把握できた魔族の軍勢の動きは物凄いものだった。

もしかしたら〈インドラ〉で生きている魔族全てが魔王の一言によって動き出したのではないかと思わせるほどだ。


「二人でこれだけ相手にするのか。慣らしには持ってこいだな、飛ぶぞ」


爽の体を引き寄せるように抱き締め、瞬間移動によって魔族の軍勢の目の前まで向かう。

そこには見たことがある顔がチラホラと見受けられた。

同じ時代に生きて来た旧魔族である六王幻魔の〝大地〟と〝深緑〟の二人。


「随分と久しいな……」


ヴァガイ、デイディ。


「貴様は誰だ?私の記憶には残っていないようだが」


「俺もだ……。だが、アレの味方っていうのは確かだな」


「こないだのジジィと女……」


「ようクソガキ。お前さんのせいでこっちは大きな迷惑を被ったんだ……今日こそは覚悟しておけよ?」


まだこれほどの数が戦力として残っているがヴァガイの言葉から察すると爽は既に大量に魔族を減らしているようだった。

デイディの表情には珍しく怒りを露わにしている。


「そっくりそのまま返すぜ……クソジジィ」


緊迫している二人の空気が〈インドラ〉を包み込み、今にも戦闘が始まりそうな雰囲気に一人だけ釘を刺す人物がいた。


「おいシノノメ……私にやらせろ」


「あ?」


「おいヴァガイ――――いや、ここにいる全ての魔族。宣戦布告だ」


湧き上がっていく膨大な魔力。

まるで相手に気付かせるようにわざとらしくも力を誇示するハウザが、爽の前に立った。


「魔王はこいつが殺す……が、私はお前らを殺す。今から三秒数える……首を洗え」


三、二、一……――――

ハウザは人差し指を横一閃に……まるで刀を振るうように薙いだ。







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