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【完結:修正予定】緋色のグロニクル  作者: カジー・K
第6章 魔王編 -ほんとの俺は王子様-
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第79話 バトるランス

 ◆レンドウ◆



 なるほど、それがお前の事情か……。


 一向に水が飛び出す様子が無い噴水を見続けるのにも飽きて、俺はいつからか守の生い立ちを聞いていた。


 というのも。


 ――――バティスト、俺に一切の関心を示さないんだもんな!


 こんなん他の人と話してるしかないよな。


 いや、一瞥はくれたけど。俺たち全員の顔を見渡すとき、一瞬俺で止まったような気がしないでもなかったけど。


「……そういうことだ。俺が屋敷に戻った時には、もう既に皆が殺された後だった」


「生き残ったのは、……一人も?」


「ああ」


「そう……。ごめん、力になれなくて」


「ハッ。それを言ったら、そもそもここにいるのがおかしいんだ。お前には港を回す役割があるんだからよ」


「うん……」


 バティストとツギヒトの会話を聴きながら、俺は仲間たちの様子を眺めた。


 このパーティって結構繋がり薄いんだよなァ……。いや、人間誰しも、いつもある程度同じ奴とつるむもんだろうけどさ。リバイアはレイスとばかり喋ろうとするし、真衣は自分からは守と貫太にしか話しかけられないみたいだし、アシュリーは誰に対しても興味が薄い様子。魔人を殴ることしか考えてないのかてめえは。


 そう考えてみると、俺の方がまだコミュニケーション能力はマシなんじゃないか。一応、誰にでも話しかけられるつもりだ。や、ほんとに。きっかけさえあれば。


「……そういや、清流の国って、何でいちいち「……の国」ってつけなきゃいけねェんだ?」


 俺の素朴な疑問に、「僕知ってる!」と反応したのはレイスだった。お前もこっちでいいのかよ! 本代どもの方の話はいいのかよ!


「清流の国はオールブライト、リヴィングストン、螢光院(けいこういん)(あけぼの)……複数の地方豪族からなる、複合国家なんだよ」


 へえ。……かっこいい名前のやつらしか治められない決まりでもあんの。


 というか、ゴウゾクってなんだったっけ、と思ったが、なんか皆して頷いてるし。常識なのか。訊くに訊けねーじゃん。


 が、レイスにはそれもお見通しだったのか。


「……えっとね、すごいつよい家が4つあるってこと」


 かなり噛み砕いて教えてくれた。ここまではわかる? そんな仕草付きで。


 分かりやす過ぎて腹立ってきた。すごいつよい家、4つアツマッテ国ニナル。レンドウ覚えた。おいこら。


 どうせ強さの基準は武力だろ。そこに善悪の挟み込む余地はない。


「別に、初めて聞く言葉だったワケじゃねェ。ど忘れしてただけだ」


「はいはい」


 解ってますよとばかりのその余裕。頬を抓ってやりたい。どうせ柔らかい。頬でたこ焼きでも作ってツンツンしてや……りたくは別にねェな。


「よくもまァそれで国として成り立つもんだな。ゴウゾクって言葉の野蛮さ、半端ねェと思うんだけど。血で血を洗わずにいられんの、そいつら」


 本質的に、人間は権力を……そしてそれに伴う争いを求めるもんだろ。


「それを一つに纏め上げる教えがあるんだって……ね?」


 そこまで来るとレイスも自信が無くなってきたのか、隣を見て、守にバトンタッチしたい様子。


「法律っていうよりは……掟。勿論、それぞれの部族長の管轄によって細部は違いますけど……。掟に従って生活してるんです。まあ、皆よその国に倣って法律って言っちゃってますけど」


 頷いてから、守が引き継いだ。


 ふーん。


「掟、か。里を思い出すな」


 なるほど確かに?


 力が強ければ、周りを傅かせることができる。が、それは自らの手の届く範囲だけだ。限界を超えた範囲の民衆を自分の望むままに動かしたいなら、掟を作るって発想に至るのは当然の帰結か。


「この言い方が相応しいのかは自信ないけど……旧風な形態、って言えばいいのかな。彼らが従うのは……良心の在りかとしているのは、存在しないって分かってる、大きなもの」


「あん?」なんだその釈然としない説明は。


 さっきみたいに噛み砕いて説明できねェのかよ。……噛み砕かれ過ぎて腹立ててたワリに、すぐまたそれを求める俺も勝手よの~。


「シンとか王じゃなくて、か。いや、でも存在しないって分かってるって……」


 存在しないことを分かってる。それはつまり、自分自身が信じているそれを信じていないことを自覚しちゃってるんじゃ……んん、アレ? なんかこんがらがってきた。


「ハハ……頭の固い年寄り連中がそれ聴いてたら、今頃レイスさんは棒でどつかれてますよ」と言ったのは貫太。


 レイスは弾かれたようにそっちに向き直った。


「ご、ごめん! やっぱり、言い方悪かったかな」


「いえ、むしろ、私の故郷のそれを的確に表していたと思います。……うん、(かみ)って……そう、そんな風に言い表せるんだ……」と真衣が後半になるにつれてボソボソ度を増しながら言った。いや、そもそものスタート地点から充分なボソボソ度合を誇ってたけど。にしても珍しい。こいつが話に入ってくるって、今の話、相当に評価されてるって思ってもいいんじゃね。


「私と守にとっては捨てた故郷ですし、どう言われようと気にしたりしません」


 その真衣の表情は……鮮烈とすら表せるだろう。よっぽど祖国が嫌いなんだろうか。ああ……守の過去語りから察するならば、国と言うよりは神明の家を見限ったってことなのかも。


 カミっていうのが、その存在しないって分かってる大きなもの……のことか? まーた紛らわしい音使いやがって。普通に考えて、髪と紙でもう一杯だろ。あと、加味。


「俺は捨ててないけど……。ま、気にしなくていいッスよ」


 両腕を肩を越えるほど持ち上げ、両の掌を水平にしてみせた貫太。


 それさ、割と辛くない? 俺がそれやる時、そこまで手の平、水平にしないと思うんだ。


「…………」


「…………なにやってんスか、レンドウさん」


 おっと。貫太のポーズの再現を試みて、掌を外側に向けたり戻したりを無言で試していたんだが、そうだよな、不審過ぎるよな。とりあえず結論だけ出しとくと、これめっちゃ疲れる。直角はマジで吊るだろこれ。これを普段から何の感慨も無しにできるとするならば。


「いや、別に……」


 ――貫太の手はめっちゃ曲がるってことだな。全身に渡って軟らかいなら羨ましいな。


 ……俺、ほんとにどうでもいいことを考えるのが好きだよな。


 んでもって、多分(たぶん)大体(だいたい)大方(おおかた)(ほとん)どそれは何かしらからの逃避であるってことも、はぁ。……もう解ってンだ。


 今この状況で俺が何から逃げたがっているかなんて、わざわざ言うまでも無いだろうけど。


「……?」


 釈然としない様子の貫太を尻目に、俺は覚悟を決めてそいつに歩み寄る。 


「……すぅ~、はぁ~……」


 深呼吸完了。よし、じゃあ、いくぜ。


「……やい、バティストォ! いつまでこの俺を無視してやがる! 忘れたとは言わせねェぞ!!」


「それ確実に勝者側のセリフじゃないよね!?」


 背後より、白髪流本気(はくはつりゅうマジ)ツッコミが響き渡った。うん。それはあれだよ。ネタだよ。わざとやってるんだよ。


 だからこそ、ツッコんでもらえたのは喜ばしいことだけど。


 お前の反応に喜んでる場合じゃないんだ。気になるのは、相手の反応なワケで。


「……………………」


「……………………」


 バティストは正面から俺を見据えたが、何も言わない。


 暗闇の中では分からなったものが見えてくる。髪はダクトやツギヒトと同じ金髪系だが、より薄いか。肌の色は黒いっちゃ黒いけど、船乗りをやってるツギヒト程じゃない。こうして見てみれば別に目つきが悪い訳でもなく、むしろパッチリしていて、俺ほどじゃないが高めの鼻、怪我一つない肌に自信に満ちた表情。整っていると認めざるを得ない顔立ちをしているじゃねェか。色々と持ち過ぎじゃねェのかチクショウ。


 そんなんいちいち褒めてやんねーけど。


 ……俺もまた、同じように奴の顔を見続ける。


 というか、昨日あれだけの戦闘を繰り広げたのになんで怪我が見当たらないんだよ。


 血を流してたはずだろ? ……まさか、全部治ったとか言わないだろうな……いや、吸血鬼じゃないんだから。


 ツギヒトは、話し相手を奪われたせいで微妙な表情になりつつも、一歩引いて静観、俺に譲ってくれるらしい。


 え、何かあったときに止めてくれないの? 初対面の人に優しくできないのかよ。俺もできないかもだけど!


 庭先にいる全員が無駄話を辞め、俺たち……バティストの動向に注意を払っているのを感じる。俺といえば、視界の内にはいないダクトがどういう状態なのかも結構気になるところだが……。


 悪ィな、先にこいつとの会話貰っちまって。


「……………………フゥ」


 沈黙の果てに、やがて、バティストはため息をついた。その理由でも問いただしてやろうかと俺が口を開きかけた時だった。


「ツギヒトとばかり話し込んでいて、大変申し訳ありませんでした、ヴァリアー御一行様。私は本代・J・バティスト。現在……昨夜より、本代家の当主代理を務めさせていただいております」


 ――バティストがすらすらを話し始めたのは……、……っ!?


 思わず、後ろに転びそうになった。


 驚いたからだ。


 バティストの口調が、声色が、俺の知る昨夜のそれではなかったことも。あれだけ溜めを作っておいて、俺じゃなくて全員に向けて話始めんのかよってことにも。


 倒れそうになる体をなんとか持ち直し、しかし意外に几帳面な性格の俺は、どう返すべきかを即断できない。


 あーっと……喋るなら、こっちも敬語で返すべき……なのか!? いや、でもそれじゃあ俺がヴァリアーの代表みたいになっちまうんじゃ……とかそんなかんじ。助けを求めるように後ろに伸ばした右手で、誰に向けてか、誰でもいいから、手招き。変な奴が来たらどうすんだ。


「当主代理、バティストさん。お初にお目に掛かります。私はフランシス。此度の遠征の指揮を執る者です」


 幸い、進み出たのは代表者というに相応しい人物だった……よな? いや、こいつが魔王城遠征メンバーのトップだったっけ? 偉そうだとは思ってたけど、てっきりこいつとアルとレイスは同列かと思ってた。


 いや、待てよ。レイスは七全議会じゃないよな。ヴァリアーにおける特殊な立場、魔人のリーダー張ってるってだけで。じゃあ、アルを抑えて(この場にはいないけどさ)トップを名乗るランスは、七全議会のメンバーと見ても良さそうだな。


 ってか名前ランスじゃなかったのかよ。フランシスて。バティストに対して名乗ったそれこそが、本名と見るべきなのだろうか。あ……コードネーム! ≪ランス≫ってフランシスを略しただけかよ! 安直だなオイ。……道理で槍を使う気配もないワケだ。パンツスタイルの大腿部に備え付けてあるのはダガーだ。


 自分の名前にかこつけて得物を決めるタイプの人間ではないらしいな。アレ駄目だよね。爆弾使いのボンバー将軍ですみたいなの。それこそ安直が過ぎる。


「これはこれは、お美しい女性だ。貴方が指揮する部隊に配属されたとなれば、さぞ付き人達もお喜びでしょう。是非お見知りおきを」


 こっちもこっちで歩みを進め、手を差し出したバティスト。


 ううっ。何だお前、よくそんな歯の浮くようなセリフ出てくんな。気持ち悪ィんだよこのモトシロ! 別にモトシロは蔑称にはならないか。……こう思ってしまうのも、昨夜のイメージが抜けないせいなのか。俺が変なのか。


 俺は中性的な雰囲気、美丈夫にも女騎士にも見えるフランシスの性別認識に結構手間取らされた思い出があるんだが、バティストは搭載されているセンサーの格が違ったらしい。


 …………え、マジでこっちが本当の本代・J・バティストなの……? クソキザたらしボーイなの? ボーイは違うわ。ボーイ抜きで。クソキザたらし。


「……ふふ。面白いことを仰る方ですね」


 そう、差し出された手をふわりと握り返したランス改めフランシス。


「誰にでもそう仰るのでしょうね?」


 その口調は和やかそのものであったが、


「これは手厳しい。まあ、相手が人間の女性であれば礼を尽くすのはとうぜ、ん……?」


 それに対して返答したバティストの言葉が、途中で違和感あるものへと変わった。見れば、彼は困惑した様子で、首には筋が浮かんでいた。


 ……ああ、力入れてんだな、と思った。フランシスが。あの初等教育の子供たちがよくやるやつだ。握手しよーぜとか言って応じちゃうとめっちゃ力入れてくるやつだ。いや~懐かしい。いやなんでんなことしてんのっフ……ランスっ! 相手は本代・J・バティストだぞ!?


 わざわざ「人間の」ってつけるような奴の手を握りつぶしたくなる気持ちは分かるけど。なぁ、カーリー。


「私、思ってもいないことをすらすら言えちゃう人、好きじゃないんですよねー」


「はぁ、そう……でしたか」


「いやいやいやいや、だとしてもそこを我慢するのが大人ってもんだろ!?」


 我慢できずに飛び出して、フランシスとバティストの繋がりを強引に断ち切る。それもこれも、バティストによるフランシスへの報復を恐れたからだ。ぶっちゃけ、初対面の相手が握手に力を込めてきたという事実に驚いていただけで、バティストとしては平気そのものだったんだろうけど。


 船乗りのオッサンと話してるときは温厚そのもの、相手の話を引き出すのが得意、その上アルフレートを抑える調停役みたいな雰囲気出してたのに。やっぱり一筋縄じゃ行かない系の人間かよ……お前も。


 もしかしてまともな人間はこのパーティーにはいない感じか……?


「そうだね。……でも、敬語も、取り繕うのもやめてもらえる? 私もやめるから」


 けろっとした顔で力の片鱗を容易く引っ込めるも、続けざまに放たれた言葉には静かな覇気があった。


 対する彼も、それに怯む男だとは思えなかったが…………なんと、素直に頷いた。


「そうしよう。慣れない口調で、心にも無いことを言った非礼を詫びよう。……別に美しくもない普通のフランシスさん」


「お前もなんですぐにまた火種になりそうな発言をすんだよッ!? やっぱ本能的に戦いを求めてんのか本代ってやつはッ!?」


 フランシスが怒りに染まる前に、俺が大声を出すことで意識を反らそうという試みだったが、上手くいったらしい。フランシスは鼻を鳴らすに留まった。よっ、姉さん大人っ!


「別に外見悪くないと思うぜッ」


 口を突いて出たフォローの言葉は、


「……言われなくても、いちいち気にしたりしないよ」


 やんわりと受け流された。


 いや、どの口がそれを言うんだ。その口だ。さっきまで静かに激昂してただろ。


「……ったく。昨夜、“あの後”家に帰ってみりゃ、家族全員がぶっ殺されてて、急に家の事を仕切らなきゃなんなくなってイライラしてんだ、こんぐらい許せ。つーか殆どお前のせいだ、レンドウ」


 なんだこの本代、いきなり名前で呼んできたぞ。


「憎まれ口叩かねェと死ぬ呪いにでも掛かってんのか。いや、確かに同情できる境遇ではあるけどさァ……」


 でも、取り繕ってるにしても、まだ平気そうじゃねェかよ、バティスト。場合によっては、怒りのままにいきなり俺に殴りかかることもあり得たよな。本当に俺のせいだと思っているなら。


「うちのダクトの方が、よっぽど傷心ってカンジだぞ……?」


 それは、別にバティストに聞かせようと放った言葉ではなかったが、力をぎゅうぎゅうに込められたであろう手をさすりながら、奴は表情を改めた。やっぱあんまり痛く無さそう。形だけの腕さすり。


「…………そうだ、お前ら一行の中に、あいつもいるんだったな」


 言って、俺の肩越しに後ろを注視した。


「ダクト。ちょっとこっちに来い」


 後ろから即座に、だが、少し迷いのある足音がして。


「意外だな。当主代理様が俺なんかのことを覚えてるなんて」


 俺とフランシスより前に出て、ダクトはバティストを見上げた。卑屈なその台詞は、自信家のダクトには似合わないと思った。


「ハッ、残念だな。毎日片時も忘れないって訳じゃない。というか殆ど思い出しはしないが……、今だけは少し事情があってな」


「……事情」


「ああ。……当主殿の遺書が発見されたんだ。その内容について、本代の血を引く者だけで話がしたい。屋敷に入ってくれ。……ツギヒト、お前も」


「僕も? もう家は出たんだけど……いや、分かった、行くよ」


 突然話を振られて戸惑いかけたツギヒトだったが、思い直したように同意した。バティストを怒らせないようにする処世術的な?


 そうして本代組が――本代組って言うとなんかアレだな――屋敷の中へ消えていくと、目を瞑っているフランシスと冷や汗ダラッダラの俺がその場には残された。いや、少し下がれば他の奴らもいるけど。


「フ……ランス、あんた、どうしちまったんだよ急に」


 どっちで呼べばいいんだ。俺が名乗られたのは≪ランス≫なのだから、やはりそう呼ぶべきなのか。俺が、俺の知る彼女の事を、本名を知ってなお、≪ヒガサ≫と意識的に呼び続けているように。


 すると彼女は、けろりと周りに笑いを振りまいてみせる。


「いやあ、ごめんね皆。私、本代家とはちょっと因縁があって。バティスト君は関係無いから、八つ当たりだったね。あ、これは本心からの笑みだよ~」


「ハァ。こういうこと、もう無いように頼むぜ……? あんたが指揮官ってんなら、相応の姿勢でいてもらわないと困る…………面倒を起こすのは俺だけでいいんだからな!」


 言い過ぎになってしまったかと不安になって、つい自虐ネタを付け加えてしまったが、どうだ。


 レイスが「や、レンドウも気をつけてよっ!」と即座に叫んでくれたおかげで、救われた気がしないでもない。サンキュー。


「うん。あとはずっと頼れる指揮官であれるように、頑張るよ」


 胸の前で両こぶしを握り締めて、決意のポーズ。ふんすふんす! ……って子供かお前は!


 心配は尽きないけど、なんとかこの場は乗り切ったか。


 ……なんで俺がこんなに余計な気を回さなきゃなんねェんだ?


 これであとは、屋敷の中で遺書の内容を聞かされることになったダクトが出てきたとき、正常な状態であればとりあえず解決なんだがな。どう出るか。


「私としては、誰でもいいからバティストと戦って見せてほしかったのだがな……」


 誰も何も言わなかった、そんなティスの空気を読まない発言に、少し毒気を抜かれた。


 …………ったく、どいつもこいつも。


 人間って、何がどう転んで誰にどう作用するのか、本当に分からないもんだなァ…………。


例によって清流の国の情勢も一々覚えなくて大丈夫です。

「緋色のグロニクル」では舞台にならないので…… 笑

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