最終編記念:キャラクター情報(ここまでのネタバレだらけ)
ここまで順当に読み進めていただいた方には、問題なく見ていただけます。
後程、より分かり易くなるよう、重要なキャラクターが前に来るように並び直すかもしれません。
1.
■レンドウ
・幼馴染であるシンクレアを護るため、その身代わりとなって人間による治安維持組織である≪ヴァリアー≫へ入隊することになった吸血鬼の少年。
……ということになっていたが、後に本当の種族は“アニマ”というものであることが判明した。
・8年程前にそれ以前の記憶の全てを喪失してしまっており、その関係で同族の中でも疎外感を感じていた。
記憶を失う前の自分と今の自分を比較されることを嫌い、現在ではむしろ過去の自分を知るものがいないヴァリアーの環境を好んでいる。
・当初こそ自分の強さを疑っていなかったものの、立て続けに人間に敗北を喫したことで、自信を喪失しかける。
何度となく傷つき、その度に新たな仲間に助けられ、力を合わせて強敵を打ち破っていき、望んだ強さを身に着けていった。
・ヴァリアーが魔王軍に襲撃を受けた際に初めてヒトを殺めてしまい、そのことで深く苦悩している。
・本来は酷く臆病で、攻撃的な人格は意図して作り上げたもの。彼が好んで読んでいた小説の主人公を演じていたところがあるが、現在ではそれがほぼ素となっている。
・傷口や、腕や肩甲骨の周辺に黒い煙のような物質を噴出させることができる。それは自らの傷を癒したり、望んだ形に作り替えて武器として振るうことが可能な力であり、緋翼と呼ばれている。
・魔法剣ヴァギリの助けによって覚醒し、緋翼の奥に眠る本来の力、炎を操る力を得た。
・現在はヴァリアーに所属しつつも魔王軍に協力すると決めている。
己を生み出した龍である劫火の望みを知り、それには賛同できないと袂を分かった。
劫火を殺してでも止める、しかし同族であるアニマは殺さずに無力化していきたい、という欲張りさんとなっている。
・黄玉の瞳に黒く長い髪をしていたが、ヴァリアーに来てからは「黒は縁起が悪いし、吸血鬼であることを吹聴しているようなものだ」と染めることを強要される。
結果彼は赤に染めることを選んだ。その後のジェットとの戦闘で後ろ髪を切られてしまったため、肩辺りで切りそろえることにした。
現在でも定期的に赤に染め直しているが、些細な思い付きから頭頂部や一部の髪束を黒のままに留める拘りに目覚めており、本人はそれをカッコイイと思っている。
・ヴァリアーにおけるコードネームは≪グロニクル≫。グロニクルとは吸血鬼(正しくはアニマ)の族長を表す称号であり、
彼の中にある長への信頼と少しの反抗心、そして自らを鼓舞しようという意図の元つけられたもの。
2.
■レイス
・魔人でありながら、ヴァリアーで重用されている謎多き人物。真っ白な髪に青い目を持つ。
他者の魔法を無効化する不思議な能力を持つが、その温和な雰囲気や儚げな外見から悪印象を持たれにくい。
ヴァリアー内の魔人としては古参なため、新たな魔人が現れた際、もしくはヴァリアーに所属することになった際、彼が面倒を見ることになる。
・初代、レンドウの監視役。
・人間と魔人の融和を目指しており、あらゆる魔人を“ヒト”と呼称し分け隔てなく扱おうとする。
吸血鬼のような危険な種族に対しても平常通りの対応をするため、周囲から不気味に思われることもある。
・副局長アドラスとは意見が合わないことも多々あるが、両者は不思議な信頼で結ばれている様子。
・結果から見るに、プロローグでレンドウと死闘を繰り広げた……らしい。
その後、彼はレンドウの緋翼を白く染めたような能力を発現できるようになった。他の魔人の魔法を無効化するだけでなく、自分の力として取り込むこともできるのかもしれない?
・レンドウに対して、不思議なシンパシーを抱いているようだが……。
3.
■リバイア
・片時もレイスにくっ付いて離れたがらない、中等教育生頃の少女。水色の髪を長く伸ばしている。
レイスに危険が及んだ際は暴走しがちであり、精神面が安定しないふしがある。
・髪の毛が発光するのが魔法を使おうとしている合図。消費した髪の量に合わせ、破壊力抜群のレーザー光線のようなものを放つ。
高電圧の雷撃にも見えるそれは、レンドウをも震えさせる火力である。
だが、近接戦闘に耐えられる身体ではない(時折“防御力ゼロ”と称される)ことから、単独で出動を要請されることはない。
・ヴァリアーに入隊した経緯は不明。
副局長アドラスのことを深く信頼している様子があり、彼を悪し様に言う派閥を好まない様子。
4.
■カーリー
・長い黒髪から、二つの大きな兎耳を生やした魔人の女性。顔は人間そのものであり、人間としての耳も持っている。
普段使いの耳は人間のものであり、広範囲を警戒する際に使う兎耳は、普段は弁のような機構で閉じている。
・ヴァリアーの周辺地域である“エイリア”の地下にて、アンダーリバーと呼ばれる集落で同じような魔人の子供たちを世話していた。
ヴァリアーによってそこが検められた際、レンドウの計らいによって家族が護られたことに深く感謝しており、彼を深く信頼している。
・長らく人を世話する側だったことの反動か、ヴァリアーに所属してからは一転してレンドウに対して甘えることが多い。
集落では腕っぷしが強く自信家だったが、ヴァリアーでは借りてきた猫のようにおとなしい。
・魔王軍によってヴァリアーが襲撃された際、ジェットによって左耳を根元から引きちぎられている。
普段音を聴くのに問題は無いため、幸いそこまで支障はなかった。
その耳の欠損を自分の責任と感じて深く落ち込んでいるレンドウに気にしないように伝えている。
が、実際はレンドウが責任を感じて気にかけてくれていることを嬉しく思っており、怪我の巧妙といったところだろうか。幸せそうで何よりである。
・魔王城を目指す旅の途中、氷に包まれた鉱山を訪れた際、冬でないにも関わらず全身の毛が白く変色した。
その後、なぜか黒に戻らなくなっている。
・斜陽編ではヴァリアーから派遣されたレンドウの監視役としての役割も持っているが、監視役が監視対象とイチャイチャしているのはいかがなものだろう?
5.
■本代ダクト
・全身を黒い衣服で固めることに拘りを持っている割に、目立つ金髪をした少年。
・プロローグではレンドウによる不意打ちを受け、そのまま気絶させられてしまった。
しかし、実際はヴァリアーの人間の中で最高戦力とも言うべき戦士であり、レンドウは「真正面から戦えば確実に負ける」と感じている。
・生まれは無統治王国アラロマフ・ドールの首都ロストアンゼルスの中流貴族“本代家”であり、王直属の暗殺組織に加わるはずだった。
が、中等教育生頃に落ちこぼれとして家を追い出されている。しかし、落ちこぼれにしては強すぎるのでは? と、彼に関わった人間の多くが疑問を抱いていた。
・本代家当主の遺書により、ダクトは落ちこぼれでは無く、むしろ真の後継者としての素質を試す為に捨てたフリをされていたことが判明した。
複雑な思いを抱きつつも、現在は異母兄である本代バティストを当主とし、ナンバー2としてその補佐をする形で本代家の再興に尽力することを決める。
劫火による人類滅亡の危機を防ぐためレンドウに協力して戦う、頼もしき戦友。
・斜陽編では同時に本代家から派遣されたレンドウの監視役でもあるが、彼がレンドウが不利になるような報告をすることは無いだろう。
・他の本代家の人間の名前から察するに、彼の名前にもアルファベットの一文字が入るはずだが、明かされていない。
・ヴァリアーに入った理由は「かつて友人だった魔人と再会するため」。
6.
■ガンザ
・“灰のガンザ”と呼ばれていた、全身を灰色の衣服で固めていた長身の男。
・プロローグにてシンクレアを捕縛することに貢献したが、その後現れたレンドウに気絶させられた。
・残念ながら、レンドウと親交を深める前に魔王軍の襲撃により命を落とした。
・彼が両腕に装着していた腕輪は後に“伝説の3大ザツギシュ”の一つである“ヘル”だと判明した。
現在では片方が宝竜貫太の右腕に。もう片方の所在は行方不明となっている。
・エスビィポートでの戦闘時、突如として大生の脳内にガンザの声が語り掛けたような場面がある。
7.
■アドラス
・ヴァリアーの副局長。不思議と表に出ないヴァリアーの局長ロードに代わり、ヴァリアーのほぼすべてを取り仕切っている。
・この国には珍しい濃い肌の色と象牙色の髪を持つ。眼鏡をかけている。
・常に刀を帯刀しており、それから繰り出される“抜刀術”と呼ばれる剣は、前に立つ者を許さない。
・確かな実力を備えた猛者ではあるのだが、「たった一人で魔王軍の一個師団を壊滅させた」「魔王軍軍師ニルドリルがライバル視した」という前評判の割には、ただの一人の人間止まりにしか見えないな、とレンドウは訝しんでいる。
・どうやら、彼が全力を出したがらないのには、彼を監視している何者かが関係している様子。
・ヴァリアーにおける幹部集団、“七全議会”のナンバー2。
8.
■ティス
・ヴァリアーの研究班でチーフを務める、縁なし眼鏡を掛けた銀髪の女性。
・よくマッドサイエンティストと呼称されているが、ヴァリアーが捕縛した魔人に対してそこまで過激な行いはしていない。
・学徒の国エクリプスで社会問題になりかけている魔道具、ザツギシュを開発したのは元々彼女の父親であり、そのことに責任を感じている。
・魔王軍を目指す旅路の途中、魔王軍よりもザツギシュの問題を優先することを選び、アザゼルと共に一行から離脱した。
・非常に頭が切れ、当初からアルフレートの正体を疑問視していた。また、レイスやレンドウの能力の解明にも光明を見出している。
9.
■アルフレート
・≪歩く辞書≫という非常に呼びづらいコードネームをしていた、茶髪の陰険男。
・人を食ったような態度の皮肉屋で、嫌われ者。何故かレンドウが吸血鬼(正しくはアニマ)における貴族の血統であることを知っていて、
副局長アドラスに対して「シンクレアの身代わりに、こいつをヴァリアーに引き入れよう」と進言した張本人。
・カーリーたちアンダーリバーの住人を護ろうとしたレンドウを試した際、彼をいたく気に入る。その結果、自分を「アル」と呼ぶことを許し、アンダーリバーの住人に資金援助を申し出た。
・その正体はレンドウと同じアニマであった。若くして里を出て、己の力で生きていくことを決めていたアルフレートは、ただアドラスのことだけを深く信頼している様子。
・当初こそ暴虐無人な性格をしていたが、魔王城への遠征が決まり、そのまとめ役になってからは常に全員の命をことを考え、自ら先頭に立ってエイシッド、ニルドリルと戦った。
・魔王軍によるヴァリアー襲撃事件の際、ヴァリアーに現れた劫火によって憑依されており、それ以降ずっとその状態が続いている。
とはいってもアルフレートが劫火の言いなり、操り人形になっているかと言えばそんなことはなく、彼自身の意思で行動している。
ただ、「有事の際は己に代われ」と命令されている。憑依された当初は劫火の言葉が勝手に口から漏れ出ることも多かったが、アルフレードがその度にキレ続けた結果、
劫火は出来るだけ喋らないように努めるようになった。自分たちの神様を教育した男……。
・ヴァリアーにおける幹部集団、“七全議会”のナンバー6。
・現在は劫火と共にアニマの里に戻っていると思われる。彼自身がレンドウの敵となるかは不明。
10.
■ヴァレンティーナ・ラーツォヴァー
・≪ヒガサ≫という非常に誤認しやすいコードネームをしていた、黒い貴婦人然とした女性。
紫色のウェーブがかった長い髪を持ち、後ろ髪を黒いシュシュで括っている。
・常に持ち歩いている黒い日傘は手製であり、仕込み武器でもある。
ボタンを強く押しながら芯を引き抜くことにより、長く鋭い針が姿を現す。彼女はそれを“隠れ潜み穿つもの”と呼んでいる。
・裁縫が趣味であり、仲の良い人間の衣服を手掛けることもある。
・その外見と性格からレンドウを含め多くの人間を魅了してやまなかったが、特定の相手を作ろうとはしていなかった様子。
・生まれは特殊であり、この世界を包む“嵐の海域”の外、実在さえ疑われている幻の大陸と、そこにある国家、レピアータの上流階級出身。
中等教育生頃、ある事故をきっかけに“嵐の海域”を越え、こちらの世界へ迷い込むことになった。
行く当てを無くしていた彼女を拾ったのは副局長アドラスであった。向こう側の世界に戻ることを人生の目標としており、そのためにとにかく権力を求めていた。
だが、貴族としての誇りを捨てることまでは出来ず、高潔に生き続けていた。
・ヴァリアー襲撃事件の片棒を担がされていた、同郷でありかつての従者でもあるミンクスを見捨てることができず、ヴァリアーでの地位を捨てて彼女と共に逃亡することを決める。
その後の行方は不明。
・外の世界に、信頼してやまない兄がいるらしい。
・かつて人類最高峰の刺剣使いであるイービルモートに師事したことがあり、それが彼女の強さとなっている。
・聡明で戦闘能力も高く、ヴァリアーにおける幹部集団、“七全議会”の末席、ナンバー7を賜ったばかりだった。
11.
■ミンクス
・ヴァリアーにて研究班の雑用を担当している少女。桃色の髪を持つ。
・かつては外の世界の住人でありヴァレンティーナに仕えていたが、こちらの世界に迷い込んでからは主従の関係を解消し、お互いにあまり干渉しないようにしていた。
・現在はヴァレンティーナと共にヴァリアーから逃亡し、行方は不明。
12.
■大生・グスターヴォ
・ヴァリアーでのコードネームは≪タイショー≫。
・イーストシェイド自治領の孤児だったところを、当時の冒険者ギルドの団長を務めていたエサイアスに拾われた青年。
・エサイアスより「グスターヴォ」、敬愛する師匠であるイデアから「大生」の名前を貰っており、その双方を名乗っているため不思議な名前になっている。
・水色の髪を短く揃えていて、長身でがたいがいい。
・剣で相手を切ることに苦手意識を持ち、巨大な大楯で味方を護ることに徹していた時期がある。
今では剣も扱えるが、大楯で相手に体当たりをする方が好みなのは変わっていない。
・凡庸な外見をしている割に、師匠が大地を司る龍に憑依された関係でレンドウら一行の中で最も早く竜門についての知識を持っていたり、
死んだはずの仲間の声を聴いたりするなど、不可思議な経験を多くしている。
・現在はヴァリアーに戻っている。
13.
■平等院 黄銅
・何事もテキトーに流すように生きている、背の低い少年。栗色の短髪。
・かつては長髪だったが、ヴァレンティーナにフラれて断髪した悲しい過去を持つ。
・剣の腕はさほどでもないが、仲間を信頼し、自身も決してへこたれない芯の強さを持っていた。
・貿易国家であるアロンデイテル政府によって、港町エスビィポートの襲撃事件における責任を負わされ、首都シルクレイズにてフランシスやジェノと共に処刑されてしまった。
14.
■アザゼル・インザース
・かつてザツギシュ研究の第一人者であった博士(ティスの父親)に協力していた天才少年。現在は青年。長い金髪をしている。
・ザツギシュの研究者の一人、ラファエルという人物の裏切りにより博士が殺された際、その罪を擦り付けられた為逃亡を余儀なくされた。
・自らに掛けられた嫌疑を晴らし、幼馴染である少女、サーレニと和解すること。ラファエルへの復讐を果たすこと。ザツギシュという兵器が悪用されることを防ぐこと。
以上3つの目的を持って行動しているが、エイリアでは大生や平等院に混じって酒場で賭け事に興じるなど、人生を楽しむことは忘れていない様子。
(エイリアにて彼を見た際のレンドウは、彼を“もさもさコートのカードゲーム無双金髪マン”と評している)
・ザツギシュ関係者の身内であるティスを味方に引き入れたがっており、そのためにヴァリアー一行に付きまとっていた。
結果として、エスビィポートでは不死鳥という凶悪すぎるモンスターから一行を護ることになった。
・伝説の3大ザツギシュの一つである、“ゼロ”を右手に宿している。
・ミッドレーヴェルにて、レンドウらによって戦闘及びサーレニ探しに協力してもらったことを深く感謝しており、いつか必ずヴァリアーに力を貸すと約束した。
・ティスと共に一行から離脱し、現在の行方は不明。
15.
■ピーア
・ヴァリアーに所属していることと、アドラスやヴァレンティーナと同じ寮で生活していたこと以外は謎に包まれている、ベージュ色の髪を伸ばした女性。
・劫火の言葉通りなら、金竜をその身に宿した憑依体であるらしい。
・ヴァリアーにおける幹部集団、“七全議会”のナンバー3であり、コードネームは≪スカーレット≫。
16.
■アシュリー
・魔人を深く憎んでいる様子が見受けられる、大男。灰色がかった茶髪で、右の前髪を伸ばし、左右を刈り上げている。
・初登場のシチュエーションのせいで暴力的な人物だと長らくレンドウから誤解されていた。
実際は人間に対しては理性的なくらいで、戦士としても研究者としても優秀。
・ゴテゴテとした籠手や、ナックルダスターの類を装備し、相手を殴りつける戦い方を得意とする。
・現在は思うところがあったのか魔王城に残り、積極的に魔人たちと交流している。
17.
■神明 守
・高等教育生にして、大人顔負けの剣の腕を持つ、天才少年。
・もじゃもじゃした水色の髪を持つ。
・清流の国出身で、生まれは高貴らしい。
・いつも寝ぼけたような表情で、実際抜けているところが多いが、戦闘中に集中を切らすことはない。
・汚職に手を染めていた父親に反抗する形で家を飛び出しており、それ以来一切連絡を取っていない。残してきた弟のことを常に気にしている。
何度となく実家へ手紙を送ろうとは考えているが、中々筆が進まない。
・現在はヴァリアーに戻っている。
18.
■神明 真衣
・守の「姉であり妹である」少女。
・清流の国において、魔物の巣を掃討した際に救出された、“奇跡の少女”。
まぎれもなくただの人間であり、何故彼女が魔物の巣穴で生き続けていたのかは不明。
・彼女自身、討伐隊に発見されるまでの記憶を失っている。守の父より、神明の姓を名乗ることを許されている。
・発見者である守に懐いている……というには、彼女の方が守に対して世話を焼き過ぎている節があるため、「姉であり妹である」と評されている。
・守と貫太以外の人間の前では話したがらない。
・長めの水色の髪を両側でおさげにしているが、常にフードで顔を隠そうとしているため、分かりづらい。
・現在はヴァリアーに戻っている。
19.
■宝竜 貫太
・これといって外見に特徴の無い、水色の髪を短く切りそろえた少年。
・自分にあまり自信が持てずにいたが、仲間を大切に思う心だけは育っていた。
そんなところに、伝説の3大ザツギシュの一つである“ヘル”を手に入れてしまったため、高揚感を抱きながら戦っていた。
・決して自分の力に溺れている訳では無いが、激化する戦いに取り残されないために、身を削ってまでザツギシュを扱い続けているさまは、アザゼルに危機感を抱かせていた。
・ザツギシュを使い続けることで自分の身体がボロボロになっていく可能性を聴かされて尚、「仲間を護る為なら、何度でもこの力を使います」と豪語した。
・現在はヴァリアーに戻っている。
20.
■アストリド
・ねちっこい喋り方をする灰色ナース。ガンザの姉。
・プロローグにて輸血パックを運ぶ際、だらりと垂れ下がったチューブの先が地面に触れそうになっていた。
レンドウは「アレが地面に触れたらナース失格だ」と勝手にやきもきしていたが、ギリギリのことで床に触れることはなかった。
・レンドウが人を殺さないようにしていることにいち早く気づいた人物でもある。
・現在はヴァリアーに戻っている。
21.
■フランシス
・コードネームは≪ランス≫であり、魔王城への遠征におけるリーダー格の一人だった女性。
・中性的な外見をしており、黄緑色の髪を長く伸ばすことによって女性だということを周知させたい様子。
・冷静沈着かつ気丈な人物であり、剣の腕はかなりのもの。エイシッド勢力に拘束されても「くっころ展開」にはならなかった。
・貿易国家であるアロンデイテル政府によって、港町エスビィポートの襲撃事件における責任を負わされ、首都シルクレイズにて平等院やジェノと共に処刑されてしまった。
・ヴァリアーにおける幹部集団、“七全議会”のナンバー5であった。
22.
■ロード
・ヴァリアーの局長である老人。
ロードとはコードネームであり、そのままヴァリアーにおける最高権力者であることを示すもの。
・滅多に人前に姿を現さず、多くの隊員は副局長であるアドラスを通じて、その存在を信じている。
・この世界、この時代における人間の寿命はせいぜい50そこらのはずだが、この老人は果たして……?
・ヴァリアーにおける幹部集団、“七全議会”のナンバー1。
23.
■ジュニア
・ヴァリアーにおける幹部集団、“七全議会”のナンバー4である人物の息子であり、代理として七全議会に出席していた。
24.
■フェリス・マリアンネ
・本物の吸血鬼の女性。長い金髪の束が踊るように揺れている。
・フェリスが姓で、マリアンネが名前。この並び方は珍しく、特に高貴な者の特徴らしい。
・かつて、記憶を無くす前のレンドウとは旧知の間柄であったらしい。
昔のレンドウのことを好いていて、今のレンドウに昔のレンドウに戻ってくれるよう懇願したが、それが彼の逆鱗に触れてしまい、長らく喧嘩を繰り広げることとなった。
現在はなし崩し的に和解し、レンドウを巡る恋愛バトルからは身を引いている。
当初はメインヒロインになる予定だったというのに、無常すぎるぜ、この世界はよ……。
・吸血鬼特有の力である黒翼を駆使し、影から影へと自身を含めた物質を取り込んで、移動させることができる魔法を持つ。
・吸血鬼最後の純血であり、それを“ピュアブラッド”と呼び尊ぶ者もいるが、どちらかというと種馬のような扱い方であるため彼女自身は快く思っていない。
彼女の境遇を哀れんだ前魔王ルヴェリスにより養子とされ姫となったが、そこでも恵まれた種族故にやっかみの対象となり、苦労が絶えなかった様子。
・おじさんとして慕っていたニルドリルの裏切りに心を痛め、それが洗脳によるものだったことを知り喜ぶ……暇もなくニルドリルの死を伝えられた為、傷心中。
その心の傷がようやく癒えてきた今、魔王城にて自分にできることを探し始めている。
・彼女のことをよく知る吸血鬼からは「マリー」と呼ばれている。記憶を無くす前のレンドウもまた、そう呼んでいたらしい。
25.
■フェリス・アウルム
・マリアンネの妹。外見年齢は中等教育生くらい。長らくその存在は死んだものとして隠されていた。
実際は3姉妹の内末の妹のみが殺害されており、アウルムを護ろうとした者たちによって、死を偽装されていた。
・陰謀に満ちた魔王軍との関りを嫌っており、ただ静かに暮らしたいと願っている。
・才能溢れる姉へのコンプレックスが強い。
・その能力は不明だが、彼女の力を取り込んだニルドリルの黒翼は一級品だったため、潜在能力は高いと思われる。
・レンドウによって救われて以降、再び周りの手によって隠されたと思われる。現在の行方は不明。
26.
■ジェット
・ヴァリアー襲撃事件の際、レンドウの目の前でイオナを殺めた魔人の少年。
・黄緑色の髪で、前髪の一部を黄色く染めている。童顔だが、怒りに歪んだ表情は悪魔のよう。
・自らの腕を変形・変質させ、甲殻類を思わせるハサミや針のような形を取ることができ、それらを振るって戦う。
・好戦的であり、レンドウに出会ってからは彼を殺すことに拘る……ところだったが、一人魔王城まで逃げ返った際、魔王ルヴェリスより叱責を受け、深く反省した。
自分にとって本当に大切なものは仲間たちであり、愛するシュピーネルであることを自覚し、自らが犯した罪から逃げることも無く、気丈に振舞い続けている。
・だが、それが中々レンドウには伝わらない為、両者は衝突しがちである。
レンドウはジェットばかりがイオナを殺し、カーリーの左耳を千切った悪魔だと思い込んでいるが、実際はレンドウもジェットの知人であるラルフを殺めている。
その認識の差異が、二人の和解を阻む壁となっている。
27.
■フレム・ル・シュピーネル
・橙色の長い髪をツインテールにした狐耳の少女だが、ツインテールは勢いで解けていることもしばしば。
・ヴァリアーを襲撃した際に名乗っていたコードネームは≪ツインテイル≫。
・固有魔法だけでなく魔術も堪能で、応用が利く戦い方が可能。
魔術師タイプに見えるが、重いローブを脱ぎ捨てて、ぴっちりとしたボディスーツ姿で短剣を手に舞うこともある。
・マリアンネを「フェリ姉」と呼んで慕うが、初対面では吸血鬼の姫にいいイメージを抱いてはおらず、険悪だったらしい。
・ジェットに好意を抱かれていることに関しては、なんてことは無い風を装いつつも嬉しく思っている様子。
・精神面が弱いところがあり、激昂しやすかったり、激しく気落ちしたりする。
自分たちによるヴァリアー襲撃の行きつく先が敬愛する魔王ルヴェリスの悲しみと死に繋がっていたことに心を病み、現在は自室に引きこもる生活となってしまった。
・妖狐という名有りの種族の名家出身であり、兄は次代の指導者になるとも言われている。
28.
■ヴェルゼ
・黒い髪を伸ばしっぱなしにした、アニマの少年。
・ヴァリアー襲撃の際に名乗っていたコードネームは≪ジェノ≫。
・かつて吸血鬼とアニマが結んでいた“翼同盟”が崩れた際、フェリス三姉妹の末妹を護るために吸血鬼側についた。
しかし、その娘は魔王軍内部のいざこざによって命を落としており、その後数年は死んだように生きていた。
・それがようやく癒えてきて、マリアンネのためにできることを探し始めた矢先にニルドリルに唆され、今度はヴァリアー襲撃事件の主犯格となってしまう。
・ヴァリアーに捕縛されてからはレイス、レンドウらと交流し、少しずつ棘が取れていった。
・かなり早い段階から魔王ルヴェリスが命を落とすことになるであろうことに感づいており、魔王城へ向けての旅路の最中はそれによって憂鬱だった。
だが、敬愛する魔王よりも先に、自らがアロンデイテル政府によって処刑されてしまうことになるとは、さすがの彼も想像できていなかった。
29.
■フォックステイル
・妖狐の次代の指導者を担う期待を込め、逆にフォックステイルという没個性的な名で呼ばれる青年。
・本名は不明。シュピーネルの兄。本名はフレム・なんたらだと思われる。
30.
■ザークニシュ
・長い紫色の髪に白いメッシュを入れ、モノクルをつけた青年。
・魔王ルヴェリスの近衛騎士長を務めていた。
31.
■ナインテイル
・九尾の名を戴いた、長らく妖狐の長である女性。
・前魔王ルヴェリスの死後、魔王の座を引き継いだ実力者。
とは言っても、残念ながら前魔王ルヴェリスとの間には天と地ほどの能力の差がある。
・先代が優秀過ぎたこともあり、魔王という位に伸し掛かる重圧は凄まじいものがある。
その中で彼女が選ばれたのは、その重圧にも耐えうるだけの精神を備えていることを買われたところが大きい。
彼女自身も周囲の者も「魔王ルヴェリスの代わりなど誰にも務まらない」ということを認識しており、皆で協力して政策を決めることにしている。
・しかし、由緒正しき名有りの種族である妖狐が魔王の座に就くことをよく思わない者もベルナタ本国にはおり、中々前途多難である様子。
・まだ名前が売れていないため、魔王としての呼ばれ名が存在しない。
32.
■ツヴァイク
・マリアンネの執事を務める男性。
33.
■看守のおじさん
・ヴァリアーの“黒の牢獄”ので受付の椅子に座るおじさん。
・プロローグにおいて、レンドウの攻撃により腰を痛めていた。
34.
■キア
・看守のおじさんに付いて回っていた双子の、兄の方。
・せいぜい高学年の初等教育生といったところ。
・周囲に悟られないように凡庸な少年を演じているものの、頭脳明晰で度胸もある。
・血にまみれたレンドウを目の前にしても臆さない。サイコパス気味?
彼が用意したロングソードを手に、レイスはレンドウと戦った。
35.
■メア
・看守のおじさんに付いて回っていた双子の、妹の方。
・ただの初等教育生にしか見えない。
36.
■黒仮面のアニマ(青髪の男)
・多数の黒仮面のアニマを従える男。
・緋翼を巨大な触手のように伸ばして扱う。その力の優先度は高く、レンドウの緋翼と相殺し合ったほど。
・ニルドリルの自殺を止めようとするレンドウを阻み、その後何故か魔法剣ヴァギリをレンドウへと返した。
37.
■黒仮面のアニマ(長い黒髪の女)
・アウルム姫を介抱する様子を見せた女性。
・「記憶を失う前の俺の知り合いか?」と問うレンドウに対し、違うと答える。
38.
■シンクレア
・レンドウの幼馴染の少女。一般的なアニマの例に漏れず、黒い髪に黄玉の瞳。
・レンドウに次いで緋翼の扱いに長けていたが、燃費が悪く、力を使った後は酷い空腹に襲われる欠点を持つ。
そのため、里の掟を破り、一人で食料を取りに人里まで降りるという暴挙に出てしまった。
・プロローグにてレンドウと共にレイスらを苦しめたが、激闘の末に敗北。
一週間以上意識を取り戻すことが無いまま、髪を切られ、車イスに乗せられた状態でアニマの族長、シャラミドによって引き取られた。
39.
■ゲイル
・レンドウの幼馴染の少年。最近、青年になった頃合い。
・端正な顔立ちに、真ん中で分けた黒髪。気分で伊達眼鏡をかける。
・レンドウの兄貴分であり、彼がよく夢に見るほど信頼している人物。彼の双剣さばきを見様見真似にしているのが、レンドウの戦闘方法らしい。
40.
■シャラミド
・齢70を超えて尚、黒々とした髪を持つ、アニマの族長を務める男性。
・長らく微睡の中にいた劫火に代わり、自分たちの種族を「吸血鬼」とし、人間と密約を交わすことにより同族の延命を図っていた、漆黒のグロニクル。
・レンドウのことを深く信頼しており、シンクレアを護るためにヴァリアーに使われることを選んだ彼のことを喜ばしく思っている。
レンドウが無事に帰ってきた暁には、彼に全てを話し、本格的に後継者となるべく指導を開始しようと考えていたが、愛する孫はアニマと敵対する道を選んでしまった。
おじいちゃんの心境やいかに……。
41.
■イデア・エロイーサ・リアリディ
・大生の師匠。エロ姉さんと呼ばれると激しく怒る。
・大生の回想(4年前)では20才くらい。
・ある時、何かを決意し、冒険者ギルドの仲間を裏切って一人地竜ガイアとコンタクトを取ろうとした。地竜ガイアと何らかの関りを持つ血族らしい。
結果として、彼女は深く傷つき、それを癒す為にも地竜ガイアは彼女に憑依せざるを得なくなった。
・その後、エサイアスに連れられてサンスタード帝国に所属することになった様子。
ガイアは「彼女が目覚めれば、この身体を返す」と言っていたが、果たしてサンスタード帝国がそれを許すかどうかは疑問が残る。
42.
■エサイアス
・かつて冒険者ギルドを率い、孤児であった大生を拾い上げた人物。
・その正体はサンスタード帝国から送られた工作員であり、冒険者ギルドは土神の塔から地竜ガイアを見つけるための組織だった。
エサイアスが冒険者ギルドの団長を降り、帝国に帰った後も冒険者ギルドは存続している。帝国からの援助も多少は続いているらしい。
・現在は“防壁のエサイアス”と呼ばれ、サンスタード帝国皇帝直属の騎士に数えられる。
43.
■本代バティスト
・本名を本代・J・バティストという、ダクトの異母兄。
・ダクトより色素の薄い金髪に、少し濃い肌の色をしている。
・本代家最強の戦士であるとされており、その名前を聴くだけで魔人すら震えあがるほど。
・どうやら吸血鬼との交戦経験もある様子で、レンドウに対しても一切恐れる様子がなかった。
・原理は不明だが、「俺には一切の精神攻撃が効かん」と話す。
・本代家の当主が無くなって以降、正式に本代家当主の座を継いだ。
44.
■本代アーヴリル
・本名を本代・L・アーヴリルという、ダクトの異母姉。
・長い黒髪を、毛先で切りそろえた毛束をいくつもの長さに分けており、見ようによっては黒い蛇がのたうっているシルエットとなる。
・鉄扇で口元を隠しながら「ケタケタ」と嗤うクセがあり、彼女を前にした者の足を竦ませる。
・本代家“最凶”の戦士であるとされており、その実力はバティストに並ぶとも言われるが、信用に欠け、大切な任務に当てられることは無い。
もっぱら危険人物の排除にばかり回されている。
・自分の母親をぞんざいに扱った父親を嫌悪しており、ついには反旗を翻し、多くの兄弟ごと殺してしまった。
本代家が一夜にして壊滅したという情報はあらゆる街を震撼させたが、彼女が下手人であるということは公的には判明していない。
・その際、元からの能力だけでは本代の戦士を降すことは出来ず、カーリーの体内を流れていたレンドウの血液を取り込むことにより、
アニマの力を得て成し遂げた(アーヴリルはそれを吸血鬼の力だと誤認している)。
・重用されているバティストや、当主によって本当は期待されていたことが判明したダクトに対し複雑な思いを抱いているが、本代家を去る際にバティストを攻撃することはなかった。
・現在の行方は不明。
45.
■ツギヒト・モトシロ・ウルフスタン
・昔の名を本代・U・ツギヒトという、今は本代家を出た青年。
・所帯を持っており、妻の名前はユーフェミア・ウルフスタン。
・ダクトと同じ髪の色をしているが、船乗り故に肌はずっと黒く焼けている。
・本代家を出たとはいえその戦闘能力は超一流で、エスビィポートの戦いでは再生し続ける不死鳥を殺し続け、一行の助けとなった。
46.
■本代 創始
・本代家の当主。
・幾度も優秀な女性を見初め、多くの子供に恵まれてきたが、“子供たち”には彼を恨む者も多くいた。
・アーヴリルによって殺害された。
47.
■アンナ
・工業国家デルより機械技師たちがやってきた際にくっついてきた、機術士の少女。
・赤い髪に灰色の瞳。厚手の手袋をしていることが多い。
・美形であり、人好きのする笑顔が特徴。ヴァリアーに来てからというもの、すぐに人気者になっていた。
・自らに成り代わっていた少女を許し、その身を案じて妹として迎えるなど、優しさと強さを併せ持った少女。
・レンドウと再会の約束を交わし、デルへと帰っていった。
48.
■イオナ
・何らかの目的を持つ者により、ヴァリアーへと送り込まれたスパイの少女。
・魔道具によるものか、アンナにそっくりの顔へと作り替えられている。
・瞳だけは元のままらしく、アンナとは違って青い色をしている。
・改心し、アンナに恩を返す為に生きようと誓っていたが、レンドウの目の前でジェットにより殺されてしまう。
その際、彼女は倒れたアンナを庇うようにして槍を受けていた。姉となってくれた人物を護るという目的だけは、果たせたと言ってもいいのかもしれない。
49.
■マルク
・ヴァリアー基地の外に研究室を構えている、はぐれものの研究者のオッサン。
・ヴァリアーの上層部に話をつけ、フローラを自分だけの秘密の研究体にしているが、彼女の扱い自体はまともな様子。
・彼が魔人を囲っていることは一般隊員には秘密裏なため、フローラの存在が明るみに出ないように苦労している。
50.
■フローラ
・マルクに研究されている魔人の少女。緑色の、伸びるのが異様に早い髪を持つ。
・レイスやレンドウといった、一度でも自分の髪を切ってくれた人には好感を抱く様子。
・かつてのダクトの友であり、探し人。昔の名前はナタシャ。
実は魔王城に向けての旅路が始まる前に、既にダクトと再会できている。
・寿命が異様に長い種族なのか、知能の発達が遅めで、年端も行かない少女のような素行が目立つ。
51.
■エリク
・図書館の管理をしている男性。エイリア在住。
・図書館の管理では金銭が稼げないが、ヴァリアーの人間たちと助け合うことで生活できている。
・老け顔を気にしている。
52.
■恵登
・図書館の管理をしている女性。エイリア在住。
・図書館に常駐できる人物が自分とエリクしかおらず、度々本が盗まれる現状を嘆いている。
53.
■認識阻害の魔法を持つ少女
・金髪ロング。小柄。
54.
■ラファエル
・未登場。
・3大ザツギシュである“ヘヴン”を所持する、アザゼルの宿敵。
・ザツギシュ開発の第一人者であったティスの父親を殺害し、アザゼルに濡れ衣を着せた。
55.
■ジレイゴール
・“亜人の名匠”と言われる流れの鍛冶師で、各地で有用な魔道具の作り方を教えているのだという。
56.
■アラン
・アンダーリバーの狼少年。
・弟分の方。
57.
■エト
・アンダーリバーの狼少年。
・兄貴分の方。
58.
■コリンナ
・港町エスビィポートにおける警備隊の、入国手続きを担当する女性。
・同僚に橋田という人物がいるらしい。心底どうでもいいな。
59.
■神明 堅
・守の父。
・先祖代々が護ってきた希少生物の密売に手を染めてしまった。
60.
■神明 蓮
・守の弟。
・剣術を好んでいるらしい。
61.
■ヴィクター・スフレイベル
・本物の吸血鬼の族長。
・これから傷を受ける場所に前もって黒翼を纏わせ、相手の斬撃を無かったことにする(受けた瞬間に傷口が縫合する)という神業、“先行する治癒”の使い手。
・吸血鬼の未来の為、「吸血鬼の里をエルフの里と誤認させる」という計画を立案した人物。
62.
■クラウディオ
・成人したばかりの体格に恵まれた吸血鬼。
・金髪を乱暴にかき上げたような髪型をしており、荒々しい態度もそれにマッチしていたが、本当は冷静で周囲をよく見ている人物。
・戦闘では偃月刀を巧みに扱い、相手の武器を叩き落とすのが得意。
・青年団のまとめ役らしい。
・「エルフのふり」をする吸血鬼達が多かった一方、戦いに秀でたクラウディオは数少ない「吸血鬼であることを自認する吸血鬼」であり、里の用心棒を担っていた。
・そのため、里の子供たちからの人気は高い。
63.
■アンリエル・クラルティ
・吸血鬼の里に住む子供であり、自らをエルフだと思い込んでいた。
・里の大人たちに黒翼を回収され続けていたため魔法の強さは未知数。
・現在は聖レムリア十字騎士団の演習に参加させてもらい、能力の向上に努めている。いつか、自分も戦いに参加できるようになるために。
64.
■ナージア
・氷竜の集落において、中々竜の姿になれなかった魔人。
そのせいで長らく自分に自信を持てていなかったが、大器晩成型であり、ついには氷竜の後継者と目されるだけの力を開花させた。
・レンドウと共に、ニルドリルとの決戦を戦い抜いた戦士。
・現在、普段は魔人の姿をしており、体力を消費して一定時間竜の姿に変身することができる。
・劫火との決戦にも共に挑んでくれる予定。
65.
■アレインターク
・「レピアータの証明」という著書を持っている、賢人らしい。
66.
■イービルモート
・その剣の実力だけであらゆる者を黙らせ、「レピアータは存在する。そこに帰る為に活動する私を助けよ」と、サンスタード帝国に自らを売り込んだ伝説の剣豪。
・刺剣を好み、“刺殺卿”とも称される。
・いくつかの著書を持ち、大生もそれを読み、見様見真似で剣術を再現しようとしたことがある。
・かつてレピアータ本土にいた頃、ヴァレンティーナに剣を教えたことがある。
・現在はサンスタード皇帝の懐刀になっているらしい。
67.
■オールドマン
・サンスタード帝国の皇帝。本名をギャラティ・ジ・オールドマンという。
・野心家であり、魔人排斥派として知られる。
・先々代が崩御した後、先代である魔人融和派が即位した後、あまりにも早く災害によって事故死した話は有名。
それは魔人の立場が回復することを嫌った災害竜テンペストによる襲撃であり、オールドマンにとっては玉座を狙う者どもを躊躇させる贈り物でもあった。
・オールドマン自身にテンペストとのパイプがあるのかは不明。
68.
■ユウ
・本名を一本槍 優子という、ただの地球人の少女。強いて言うなら美少女。
・1000年前にこの惑星に連れ去られた後、地球人たちのまとめ役として奔走した。
・龍という存在が生まれ、地球人を虐げていた魔人を滅ぼす為に動き出した際、彼女はそれを止める為に戦った。
69.
■ルヴェリス(無形)
・魔王軍……ベルナティエル魔国連合を統べていた、魔人の王。男性。
・この時代では長らく魔人の為に尽力していたが、1000年前は一介の地球人だった。
その頃の名前は田中 王子。
・この星に連れてこられた後、運命のいたずらか人ならざる存在へと変質した彼は、しかし自分を失うことなく、大切なものたちの為に戦い続けた。
・あらゆる魔人に分け隔てなく接した彼は、いつしか“博愛の魔王”と呼ばれるようになっていた。
・人間からはその勢力を危険視され、長らく攻撃を仕掛けられてきたが、必要以上に反撃することをせず、手加減して反撃することで膠着状態を作り上げてきた。
・自らの寿命が尽きることを予期し、その前に他の龍と意見をすり合わせたり、その身を人間への贈り物にすることまでも考えていたが、劫火の行動により考え直す。
・人間との融和を果たすことが叶わず、更に人間と劫火の戦争が始まってしまうことを悲しみながらも、最後まで希望を捨てないよう皆に言い残し、その長きにわたる生涯を終えた。
・対応する属性を持たない。本人曰く「出来損ないの龍」。
・1000年前もまたユウに協力し、人間と魔人の融和を目指していた。
70.
■炎竜ルノード(劫火)
・1000年前、もっとも強大な力を振るったという、“暴虐の炎王”と呼ばれていた龍。
・本名を一本槍 修二という。
・遥かな昔、魔人を強く嫌悪し、滅ぼそうとした際に姉である優子と衝突し、結果としてそれを諦めた。
その後、吸血鬼を参考にしてアニマという種族を創り出し、それの繁栄を祈って微睡を繰り返しながら生きることを選ぶ。
・現代において覚醒した後、人間がアニマを捕らえ、魔法の力を得るための食料としていることを知り、怒り狂う。
まずは魔王ルヴェリスに会い、同じく人間に虐げられる者として、意見のすり合わせをしようと考えた。
ついでに、次代の後継者候補であったレンドウの人となりと、選択を見る目的もあった。
・結果、融和派であった魔王ルヴェリスとの交渉は決裂し、どちらが譲歩するかを掛け、決闘に望むことに。
ルノードは決闘に負け、一年間は人間界に対して攻撃を仕掛けないことを約束した。
・しかし、アロンデイテル政府が憑依体であったアルフレートの仲間を処刑してしまう。
怒りに我を忘れたルノードは、その日のうちにアロンデイテルの首都、シルクレイズを壊滅させてしまう。その際の使者は数万に及ぶと予想される。
これにより、アニマという種族が人間に受け入れられることは絶望的になってしまった……。
・引くに引けない状況となり、人類を滅ぼす為に次なる手を打とうとするルノード。
人間界に対し、魔王軍を通じてでも宣戦布告をしたことだけは、彼の最後の良心、もといルヴェリスへの謝罪の念だったのかもしれない。
・彼を倒し、アニマの立場を復権させることが、最終編におけるレンドウの目的。
71.
■金竜ドール(黄金)
・無統治王国と名乗るアラロマフ・ドールを、しかし裏から確実に操っている謎めいた龍。
・遥か昔より金竜は人間に味方し続けた。それは自らが不幸にしてしまった人間(地球人)という種族への罪滅ぼしだと言われている。
彼による人間の遺伝子操作により、この地で代々暮らしてきた現在の人間は怪我をしてもすぐに回復し、病気にもほとんどならず、吸血鬼やアニマに血液を入れ替えられても死ななくなっている。
(逆に言うと、ヴァレンティーナやミンクスのような外の世界から内の世界にやってきた人間は、吸血鬼に血を吸われるのは危険である)
・ルノードやルヴェリスの行動を注意深く監視していたが、積極的に争おうという気は無かった。
だが、ルノードがヴァリアーに攻撃を仕掛けるならば、全霊を以てこれを迎え撃つだろう。
・ドールが生み出した生命体は「オーロス」といい、純粋なそれはすぐに消え去ったものの、その血は多くの人間たちの中に残っているという。
・何度か代替わりをしているため、1000年前に地球人を不幸にした金竜とは別個体である。
72.
■氷竜アイルバトス(俗称なし)
・他の多くの龍たちと違い、200年ほど前に生まれたばかりの若い龍。
だがその力は強大で、特に炎竜に対して相性のいいもの。
・魔王ルヴェリスは、「ルノードが暴走した際に対処できるよう、神が力を与えた龍なのではないか」と推察していた。神などというものが存在するなら、だが。
・ルノードとの決戦の核を担う存在。レンドウ達の役割は、「ルノードと戦うアイルバトスをアニマたちに邪魔させないこと」であると言われる程、
アイルバトスがルノードに勝つことが絶対条件となっている。他人任せだな~。
73.
■地竜ガイア(大地)
・かつて、ルヴェリスと共にユウに味方した融和派の龍。女性。
・現代では彼女を信仰したものたちが国を興しており(竜信仰の国ガイア)、土神の塔に住むと言われる彼女はその象徴となっていた。
・9年前、危険な兵器の開発に着手しようとしていた人間たちを収める為、各国の王に念話により警告を発した。
しかし、それが魔人を排斥しようと考えるテンペストの怒りに触れ、攻撃される理由となった。
テンペストにより、ガイアは骨だけの姿に変えられてしまったのだという。
・以来、死んだように生きていたガイアの元へ、それを回収しようと企む帝国の手が忍び寄っていた……。
・人間だった頃の名前は鈴木 詠。
74.
■災害竜テンペスト(災害)
・1000年前より、延々と魔人を憎み続けている最もヒステリックな龍。女性。
・自らと眷属の力を合わせて“嵐の海域”と呼ばれる空間を広範囲にわたって広げており、それによって世界は「内の世界」と「外の世界」に分かたれてしまった。
外の世界には魔人が一人もおらず(当初は少しはいたはずだが、すぐに排斥されてしまった)、人間としての尊厳を取り戻した地球人の世界が広がっている。
・テンペストの次なる目的は、内の世界でも人間を優位に立たせることである。
一見して既に人間の方が優位な世界に見えるが、実際は魔王ルヴェリスが人間に対して手加減しているだけであり、もしルヴェリスがいなくなり魔人達の統率が取れなくなれば、押し寄せる魔人に為すすべなく人間界が滅ぼされる可能性はある。それがテンペストがルヴェリスを攻撃しない理由なのかもしれない。
・強国であるサンスタード帝国のトップに魔人との融和派が即位した際は、即座にそれを殺害した。
・人間に対して不利益になる行いをしたガイアにもまた、自ら裁きを下しに向かったらしい。
それらの際、“嵐の海域”の管理を眷属に任せて離れているせいで、その間は“嵐の海域”の効力が弱まっているのだという。その関係で、外の世界からヴァレンティーナのような漂流者が入ってくることがある。
(外の世界から入ってきた漂流者を、テンペストの眷属は攻撃しない。それは純粋な人間なので)
・人間だったころは真理、もしくは≪人喰いマリィ≫と呼ばれていた。
75.
■名称不明(幻想)
・世界に混乱をもたらす、目的不明の厄介者。
・こいつがニルドリルを洗脳したせいで、この長く苦しい戦いが始まってしまったといっても過言ではない。
76.
■名称不明(上位存在)
・この世界の管理者であり、上位に位置することは間違いないが、それよりも更に上位の存在がいるのかは不明。
77.
■リディオ
・傭兵ギルドに所属している傭兵。
78.
■サムエル
・リディオの所属していた隊の隊長。
79.
■トールビョルン
リディオの同僚。
80.
■ニルドリル
・“幻想”によって洗脳され、世界に混乱をもたらしてしまった悲しき魔王軍軍師。
・魔王編のラスボスとしてレンドウ一行と何度も戦いを繰り広げた最悪の敵であり、技のデパートとも言える手札の多さにレンドウは何度も敗北を覚悟した。
自分の姿を隠す隠蔽の魔法を使う。
物質を加速させるリングを生成し、そこを通らせることによって強烈な打撃を繰り出す。
宙に浮かぶことが出来る。
刀からビームを飛ばせる。
強大な魔物を召喚できる。
致命の一撃を受ける瞬間、召喚した生物と入れ替わって逃げ延びる。
相手の思考を読む。
アウルム姫の力を取り込み、黒翼を扱えるようになる。
……と、単体でも強いものがいくつも揃っている。そりゃ大勢で掛かるしかないわ。正々堂々、一体一とか絶対ムリ。
・生まれ持った魔法は「召喚術」のみであり、心を読む魔法は“幻想”より貸与されたもの。
それ故に、「本当に相手の本心を読めていたのかどうか」は疑問が残る。“幻想”の都合のいいように誘導されていた可能性が高い。
・異界から召喚した魔物には命令できる訳では無く、好き勝手に暴れさせることしかできない。トロール、リザードマン、不死鳥、マジム等はこの世界(主に暗黒大陸)で事前に手懐けた生物であるため、命令通りに動かすことが可能。
・“幻想”によって与えられた妖刀、妃逆離によって洗脳されていたため、それが引き離されたことによって正気を取り戻すことができた。
しかし、自らの罪に耐えきれず、自死を選んでしまった。
・もし改心した彼の身柄を確保できていれば、それを人間界に引き渡すことで関係の改善が計れていたかもしれない(どちらにせよ、アロンデイテル政府によるランスらの処刑には間に合わなかったはずだが)。
彼の自殺を止めようとしたレンドウを阻んだ、青髪のアニマの行動が無ければ……未来はどう変わっていたのだろうか。
81.
■妃逆離
・持ち主を強烈な魔力と念話で洗脳しようとする、邪悪な魔法剣。
・「ニルドリルほどの男を洗脳できる魔法剣など、“幻想”にしか造れまい」とはルヴェリスの言。
・レンドウのことも洗脳しようとし、その際は「あいつは近い将来、最悪を生む存在になるよ」「今ならやれるよ」と唆し、レイスのことを斬らせようとした。
(実際、結構斬ってしまった)
82.
■ヴァギリ
・アルフレートの父親が鍛えたという、「清廉・穿牙」という銘を持つ骨製の短剣。
正も邪もなく、アルフレートのためを思って行動する、アニマの里の祭具の一つ。
・父親が従えていた魔物の骨で出来ているらしく、その魔物の意思が宿っているのだという。ヴァギリとはその魔物の名前。
・緋翼との親和性が高く、それを纏って長剣と化すことができる。その状態でも羽のように軽いのが強み。
・アルフレートの父親を基準としてしまっているため、かなりの翼の力の使い手にしか声が聴こえないのが玉に瑕。
友の息子であるアルフレートに対しても声が聴こえないというのは、なんとも悲しい話である。
83.
■イスラ
・プラチナブロンドの髪を細かく結っていた、家出少女。
・年齢はリバイアと変わらないのに、妙に発育が良く、色っぽい雰囲気を持つ。
・発言に他者を従わせる力を持ち、高貴な身分であることが窺えた。
84.
■ヘイディ
・ヴァリアーにて、物資発注を担当している隊員。女性。
85.
■レンドウ・アイン・ホド
・1000年前、一本槍 優子をペットとして迎え入れた、ホド家の青年。
・地球人に人権を与えるべく奔走した。
・この人物とレンドウに何か関係があるのかは不明。
86.
■佐藤 陽司
・類まれなる身体能力を持っていた少年。
・1000年前の一般人。地球人。
87.
■サーレニ・アン・レネー
・根元はピンクで、毛先の方が黒に染められた奇抜な髪を伸ばした少女。
・乱暴な言葉遣い。
・父親だった博士を殺したのがアザゼルだと勘違いさせられており、深く憎んでいる。
・ティスの妹……? 実妹なのか、義妹なのかは分からない。
88.
■ベニー
・赤毛を伸ばして目を隠している少女。
・ヴァリアーの医療班に所属していた。
・長らく人間のフリをして、目立たぬように行動していたが(どれぐらい目立たないかと言うと、メインキャラなのに作者がここまでベニーの紹介を忘れていたくらい)、
その正体は魔人であり、サキュバスである。とは言っても、純粋なサキュバスでは無くかなり薄まっている上、魅了行為も全く行ったことが無い為、
一般的にイメージされるサキュバスとは大きく異なっている。率直に言うと、スタイルが貧相である。
・その魔法は強力で、他者の生命力を操作して自然治癒力を爆発的に上げたり、眠っていた能力を開花させることができる。
しかし、無条件で相手の為に行動することは好まず、自分に見返りが無ければ協力を渋る。
・ヴァリアーという環境に飽いており、ベルナティエル城下町にやってくることが目的だった。
・魔王ルヴェリスとの謁見の前に一行と別れ、今は城下町で生活している。
89.
■チャパ
・影山邸でレンドウが選んだ、栗毛色のナイド。
・ナイドとは、魔王軍が運用している軍馬のようなもの。一般的に体躯は2メートルにまで達し、4対の角を持つ有蹄類。
90.
■エイシッド
・ヴァリアーの戦力を分析し、それぞれに対策を立てた上で、エスビィポートにて一行に襲撃を仕掛けた男。
・一般人を巻き込んで事件を起こすことに躊躇が無い。
・ニルドリルと協力関係にあり、不死鳥や透明化の能力を持った爬虫類生物などを使役していた。
・他者を眠らせた上、改変された過去の光景を見せることで錯乱させるザツギシュ“デイドリーム”、
自分や登録された味方の生命力を移動、補填させる生命操作の力を持つザツギシュ“アロゲートキュア”の二つを所有していた。
複数のザツギシュを使用している上、それらを過剰に使い続けた結果、四肢を欠損した。
・その後、アルフレートによって止めを刺された。
ザツギシュはアザゼルが回収している。
91.
■ラルフ・ノルドクヴィスト
・ヴァリアー襲撃事件の際、レンドウが殺めてしまった魔人の少年。
・武家の出身。
・父親の名はベリル、母の名はマーユ。
・彼の家の者たちは、レンドウに対して複雑な想いを抱いている。
92.
■本代カスト
・本代家の“子供達”の一人。アルファベットは不明。
・本来は槍の扱いを得意とするが、屋内の戦闘では短剣を構えた。
・アーヴリルの首に短剣を突き立てるも、それをものともしない反撃を受け、死亡した。
93.
■本代シーズモンド
・本代家の“子供達”の一人。アルファベットは不明。
・棍棒の使い手。
・アーヴリルの扱う人外の力に臆さずに攻撃を仕掛けるも、緋翼に対応できずに敗北、死亡した。
一部、ここでしか出していない情報もありますね。
こういった“設定厨”と思われそうなページは、読者がついて来れなくなる可能性があるため、最初の方には作らない方がいいとよく耳にします。……けど、これだけ終盤になら問題ないですよね!