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4話:エシリア・ドレスフォード

 

 わたしはエシリア・ドレスフォード。このドレスフォード子爵家の長女だ。


 わたしには、3つ上と6つ上のお兄様と1歳の可愛い妹がいる。


 6つ上のお兄様の名前は、レイン・ドレスフォード。今は10歳で、ちょうど今年に学校へ入学したのだ。そして貴族は基本自分の領地に住んでるので、そういう貴族は寮で生活できるようになっている。だからレインお兄様もわたし達の住んでいるドレスフォード領からはだいぶ遠いので、寮で生活しているのだ。帰ってくるのは長期休みのときだけになっている。


 実はわたし、レインお兄様とあまり会話したことがないんだよね。レインお兄様は子供っていうより大人って感じがするんだもん。

 でもレインお兄様は、わたしが小さいころに一度だけ、お父様のようになりたいと言っていたのを覚えている。レインお兄様は次期領主だからね。いい領主になれるようわたし応援してるからね! 

 あと帰ってきたら学校ってどんな感じなのか聞いていてみよう。勉強ばっかとかじゃないよね……。


 3つ上のお兄様の名前は、ロイ・ドレスフォード。今は7歳で騎士になるという立派な目標をもっている。これもまたお父様の剣の腕に影響されたのだろう。

 わたしは確信しているのだ。ロイお兄様はいつもわたしと遊んでくれるから、そんなロイお兄様はきっと立派な騎士になれる! しかも優しくてかっこいいし……。特にあの笑った時の顔が。

 いけないいけない、ロイお兄様のことになるとつい熱くなってしまう。


 わたしは全てを出し尽くすような勢いで決意する。


 決めた! わたしはそんなお兄様みたいに優しくてかっこいい男の人と将来結婚するんだ!!!

 ……はあはあ。気合を入れすぎてしまったようだ。声には出てないよね? とにかくまた遊んでもらおう!


 妹の名前は、フローラ・ドレスフォードという。フローラはまだ1歳でいつもお母様と一緒にいる。わたしもたまにフローラと触れ合っている。

 一つわたしは言いたいことがあるのだ。なんですかこんな可愛い天使のような生物は。……あ、わたしの妹でしたか、そうですか。わたしもこのぐらいの頃はこんなふうに可愛かったのだろうか。いやいや! 今もわたしは可愛いよ! ……そうだよね? そうだと信じてる……。うん、きっと。なんか悲しくなってきた。


 そして私の両親であるお父様の名前は、ルイス・ドレスフォードである。わたしのお父様はドレスフォード領の領主だ。爵位は子爵で下のほうだが、お父様の騎士としての実力と実績のおかげで騎士爵も持っているため、家は貧乏ではない。しかも他の領地と比べて良い領地に分類されている。貴族たちからもあまり見下すようなことはない。でも子爵のくせにと嫌味を言ってくる貴族もいるらしい。それにお父様は頭を抱えていたのを知っている。

 その貴族はどこの誰だ! ……まあそんなことは置いといて。わたしはこの家に生まれて良かったと思っている。毎日が楽しいしね!


 お母様の名前は、カテリーナ・ドレスフォード。実はお母様は伯爵家の娘だったらしい。この前お母様になんで子爵に嫁いだのか聞いてみたら、馬車で王都に向かっている途中、魔物に襲われて死んだと確信した時にお父様に助けられて一目惚れしたらしい。それから親を何度も説得させて認めてもらったそうだ。

 なんて素晴らしい話なのだろう。お母様は顔を真っ赤にして話してたんだよ。わたしもそういった恋がしたい!

 まあ、まだわたしは4歳だからそんなこと当分ないんだろうな。学校行ったらいい人見つかるかな。


 貴族の子供たちは5歳になるとパーティーを開いて、そこでやっと公に貴族の子供ですよと発表するようになっている。それまで貴族として認めてもらえないらしい。そのためには礼儀作法や貴族の言葉の言い回しなどいろいろ勉強しなければならないのだ。これがめんどくさいのだ。


 そして10歳になると貴族が通う学校に行かなければならない。学校では歴史や地理、魔法を皆共通で学ぶことになっている。そしてそれと一緒に他の分野に別れて色々学んでいくそうだ。


 他の貴族の子供たちにとってはうれしいようだが、わたしにとっては最悪である。わたしも魔法に関しては楽しみだけど、その他の勉強が嫌なのだ。友達が出来たら勉強も楽しくなるのかな。





 * * * * *





 あれから時間が経ち、昼食を終えて私は部屋に戻ってきた。


 部屋に入った瞬間私は専属メイドであるサーラに衝撃なことを言われた。


「では勉強を始めましょうか」


 今日は昼食の後に勉強をすることになっていたらしい。初耳だよそんなの。


「勉強やりたくないー。外で遊びたい!」


「ダメですよエシリア様。昨日もやりたくないと言って外で遊んでいたではありませんか。さすがに今日は勉強しないといけません。パーティーや学校で恥をかいてしまいますよ。」


 サーラは呆れたような顔で言う。


「うぅ……。わかってますよ」


 サーラはいつもは優しいんだけど、勉強しない時だけ厳しいのだ。


 サーラは私が生まれた時からずっと一緒にいる。今の年齢は17歳で13歳の時に私の専属メイドになったのだろう。

 サーラの髪は夜空のような黒髪でちょうど肩に付くぐらいの長さである。そしてサラッとした癖のない髪の上には白いカチューシャが付いていてとても可愛いらしい。瞳は紫色で宝石みたいに綺麗な色をしている。そしてすらりとした身体は大人な雰囲気を出しているけれど、胸がないのだけが残念だ……。


「今日の分の勉強が終われば、遊んでもいいですよ」


「ホントに!?」


 サーラの言葉に驚いて、大きな声が出てしまった。

 わたしは昨日も勉強をしていなかったのに、今日の分だけでいいなんて、なんてサーラはこんなにも優しいのだろう。さすがはサーラである。いつも私のためを思って行動してくれる。大好きっ!


「だから今日の分はしっかり勉強するのですよ」


「はぁ~い!」


 わたしは早く遊びたいため今日の分の勉強をしっかりやろうと決意する。今日は計算練習と言葉づかいの練習だ。

 でも、勉強を始めたはいいがよくわからない。


 サーラはそんなわたしの姿を見て、微笑みながらちゃんと教えてくれた。

 そんなサーラを横目で見ながら思う。

 か、かわいいなぁ~! シミ一つ付いてない肌がとてもきれいだ。面倒見のいいサーラはきっとモテるんだろうな。


「ちゃんと聞いているのですか?」


 ビクっ!


「き、聞いていますよ。……おほほ」


「はぁ~」


 サーラは呆れたような溜息を吐く。


 どうやら聞いていないのがばれてしまったようだ。

 サーラにはいつも隠しごとがばれしまう。どうしてだ?


 それからサーラに教えてもらいながらしっかり勉強をして、今日の分の勉強が終わった頃にはお昼から大分時間が過ぎていた。


 わたしは早く遊びに行きたくて走って扉から出ていく。そこでわたしは階段で足を踏み外して大怪我をしてしまっのだ。






 ようやくなんでこうなったのかを思いだした。



 わたしってばなんてドジなのだろう。うぅ、恥ずかしいよ……。早く遊びたいだけにこんな大怪我をしてしまうなんて。


 その後もどうなったのか聞いてみたが、どうやら一週間ほど眠っていたらしい。

 しかも腕などがいろいろ折れていたようだ。びっくりだ。だからあんなに体中が痛かったのか。でもそれも聖女の力で治ったけどね。凄すぎである。聖女の力恐るべし!


 すると、わたしのなんともないような体を見てお母様が言います。


「本当に体はもう大丈夫なの?痛いところはないの?」


「もうお母様は心配性ですね。体は大丈夫ですよ」


 ホントにお母様はとっても心配性だな。でもそれは無理もないだろう。あんな高い階段から転げ落ちて、腕とかいろいろ折れてたのに今ではとてもきれいに治っているのだから。


 だがお母様は納得できないようだ。


「あの時あなたはとてもひどい状態だったのよ。腕や指は折れ、頭からは血がながれていて、今までずっと意識を失っていたのよ」


 お母様は涙を流しながら言ってくる。

 確かにひどい状態だ。わたしはその状態を想像してぶるると震えた。

 そんなわたしをお母様は強く抱きしめてくれる。とても暖かくて落ち着く。前世ではなかった感情だ。


「とても心配していたのです。私があなたに声をかけてしまったせいであなたが階段から落ちてもう目を覚まさなくなったのではないかと。……よかった無事でいてくれて」


 お母様がどんな思いで一週間過ごしていたのか。

 わたしはとてもお母様に心配をかけてしまったようです。もちろんお父様やメイド達にも心配をかけてしまったようだ。

 わたしのせいでいろんな人に迷惑をかけてしまったことを知ってわたしはしゅんっと頭を下げる。


「ごめんなさいお母様。わたしがもっと落ち着いて行動していたら……」


「いいのよ。子供は元気なのが一番なのだから」


「そうだぞ。エシリアはもう少し落ち着いたほうがいいが、エシリアが元気に過ごしてくれるそれだけでいいのだ」


「はい!」


 お母様とお父様の声にとても癒される。

 はぁ~幸せだなぁ。

 するとわたしの瞳から涙がこぼれ落ちていく。


「あ、あれ……なんで……」


 拭っても拭っても溢れ出てくる涙に動揺を隠しきれない。


 前世の時は生まれた時に聖女ということが分かり、その後のわたしは王城で暮らしていたため、家族と過ごした時間はなかった。そもそも家族の顔さえ知らない。


 初めて感じる家族との感情に自然と涙が溢れ出てきたようだ。


「どうしたの!? なんか気に障る事言ったかしら?」


「ううん、こうやってお父様やお母様に心配されて幸せだなぁって思っただけです」


 そう言うとお母様とお父様は驚愕したような顔になる。


「っ! 私達は親なのよ。いつでもあなたのことを思ってるわ」


「そうだ、お前にもし何かあればすぐに駆け付けやる」


「うん。わたし、お父様とお母様の子供で幸せです」


 幸せ、ほんとに幸せだよ。

 わたしは家族との時間を大切にしていこうと改めて決意する。

 もっと家族と一緒にたくさん遊んでやるんだから!


「でも当分はおとなしく部屋で過ごすのよ」


「はい……」


 遊ぶことを決めた瞬間に部屋でおとなしくしていなさい宣言である。

 企んでいたのがバレたのかな? わたしは肩をガックリと落とす。


 まあ、外で遊べないのは残念だけど今は少し調べたいことがあるのだ。自分から勉強をするとは思いもしなかったな。


「じゃあ後はよろしくね。サーラ」


「かしこまりました。カテリーナ様」


 お父様とお母様が部屋から出ていく。部屋に残ったのはわたしとサーラだけになる。


「エシリア様、申し訳ありませんでした」


「え、急にどうしたの?」


「わたしがあの時追いかけて止めていれば……」


 サーラは苦しそうな顔をしている。

 ああ、そのことか。


「悪いのはわたしの方だよ。サーラの声に気づかずに走っていったんだから。そしてそのまま階段から落ちて……。自業自得だね。あはは」


「エシリア様……。これからはしっかり守れるようエシリア様から目を離さないようにします」


 サーラはとても真剣な顔で言ってくる。

 そ、それはちょっと……。さすがにトイレにまでは来ないよね? なんかサーラなら普通に無表情のままトイレにまで入ってきそうだ。


「だ、大丈夫だから、今のままでお願いします!」


「ダメです。エシリア様はすぐ目を離すとどっかに行ってしまいますからね」


「ごめんなさい……」


 わたしは申し訳なくて素直に謝る。


 今までわたしは結構な問題児だったようだ。サーラ、今までごめんなさい。


 でももう前世の記憶があるから前よりはマシになるはずだ。きっとそうだ……。




 結局常にサーラと過ごすことになった。

 まあ別に嫌だってわけじゃないんだけどね。


エシリアの家族には父、母、兄×2、妹がいます。

5歳でパーティーを開かなければなりません。

そして貴族は10歳から学校に通います。

エシリアのことなら何でも知っているサーラです。

常に一緒に行動することが決まりましたw


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