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2話:聖女

短めです……。


 女神のように拝められている聖女。

 国王の次に偉い聖女。

 今は数人しかいない聖女。


 そんなわたしの前世は聖女であった。

どうやら前世であるわたしのいた場所は、今わたしがいるレイヴンフォルン王国の300年前のレイヴンフォルン王国だったようだ。

 300年前の王国はそれはもう常に他の国と戦争状態だった。

戦場には騎士や魔術師、冒険者など多くの人がいた。その中に聖女ももちろん参加していた。そして私が死んでから100年が経ち、ちょうど200年前の頃から戦争は休戦に入り、休戦状態のまま今に続いてる。


 300年前は聖女がたくさんいた。

 聖女が多かった頃は冒険者や魔術師として活動している聖女もいたぐらいだ。しかし今では、数が少くなったため冒険者や魔術師として活動する聖女はいなくなり、全員が王城で活動している。


普段、魔物討伐のとき以外は王城でポーション作りをし、怪我を治したり、武器や防具に耐性の効果を付けたりしながら過ごしているようだ。

 おそらくポーションや武器は一つ作るのに何日もかけて作っているんだろうな。わたしの頃は、1日にいくつものポーションや武器を作っていたのに。今まではそれが当たり前だったのに。300年でこんなに変わっちゃうなんて……。


この世界はみんな、聖女かどうか調べるために生まれてからすぐ魔力の色を確認するらしい。聖女は魔力の色が白く輝くようになっている。

 今わたしが魔力の色を確認すれば白く輝くのだろうか。試してみたい!


 もちろん平民から聖女が生まれることもある。

 平民も貴族も聖女が生まれたときは、王族の人に引き取られるようになっている。聖女が貴族だった時は王族から許可を貰えれば家族と会えるようになっているが、平民は会うことができない。前世のわたしは家族の顔さえ知らなかった。


 その魔力は誰もが持っているものなので、魔力の操作がうまいと魔法を使うことができる。だが、誰もが魔力を持っているからといってそれを使いこなすのはとても難しい。しっかり学ばないと使いこなすのは難しいし、学ぶには学校に行くか、魔法が使える人に教えてもらわなければならない。しかも学校に行くことができるのは貴族だけである。

 でも学ばなくても魔法を使いこなせている人はいる。才能ってやつだ。すごいね!


 聖女は誰も使うことができない『聖属性魔法』が使え、魔物の討伐には絶対に欠かせない。

 魔物は弱い魔物と強い魔物ですごい差があるのだ。弱い魔物は数人で倒せるが、強い魔物になると大人数での討伐が必須になる。それほど魔物は強いのだ。

 だから『聖属性魔法』の回復魔法を使うことができる聖女はこの世界で絶対になくてはならない存在だ。怪我をしたら回復魔法で治して、毒をくらったり痺れたりしたときにも回復魔法を使って治す。それに聖女だけが味方の耐性や防御力も高めることができる。あとポーションを作ることができるのも聖女の力だけだ。


 つまり聖女は仲間を護るために存在している。


 聖女は騎士、魔術師、冒険者たちと助け合いながら生きている。

 聖女がいなくなれば魔物や敵国と戦うとき怪我をしたら治せないので騎士や魔術師たちは進んで戦わなくなってしまう。そして逆に騎士や魔術師たちがいなくなれば、聖女を守る者がいなくなり、それもまた戦えずどんどん衰退してしまうだろう。


 今の聖女は自分が特別で選ばれた存在だと思っている。わたしも前世の記憶を思い出すまで聖女は特別な存在だと思っていた。けれどそれは違うと今は断言できる。

 聖女は国になくてはならない存在だが聖女が安全に生きて暮らすには騎士や魔術師、冒険者、王族、貴族、平民、皆の存在がとても大切なのだ。

 聖女のやることは今も昔も変わらないようだが、300年前と比べて何故かどんどん聖女が少なくなってきて、力も失われてきている。この300年で何があったのか? とても気になる。



 このままでは聖女は絶滅してしまうのではないだろうか?


 その前に聖女はいつからいて、どうやって生まれてきたのだろうか……。




聖女だけが使うことができる聖属性魔法。

今の聖女は数が減り、力も失われてきています。

エシリアは今の聖女について分からないことだらけですね。



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