1/1
雪原
雪がちらつく。
あたり一面は新雪原、ザクザクと新雪を踏みしめる。
白い息が空中に舞って霞のように消えていく。
僕は、何をしているのだろう。
ここで、僕は一体何をしたいのだろう。
なぜかって?
だって、僕の目の前には…………。
赤く染まった雪が積もっているから。
僕は歩き続ける。新雪と赤い雪原の間を跨いで赤い雪原に入っていく。
悲しくなる。辛くなる。死んだ人の思いが足からじわりと踏みしめる度に、体の中を通っていく。
生き残った人は居るのだろうか。それとも僕だけなのか。
ねぇ、教えてよ。見ていたんでしょ?
「この……惨劇を………この、悪夢を………っ!!」
その瞬間、空気は荒れて吹雪となって僕に巻き付いた。
苦しい、息ができない。目も開けられない。
僕はその中を僕は叫んだ。叫んだ。叫んだ。……………叫んだっ!!!
「グリフォォォォォンッ!!!!」
なぜ、僕はその名を叫んだのかは分からない。
僕は叫んだせいなのかその場でバタリと倒れた。微かな光を見て。