表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

夢で見た冒険物

作者: 操影術士




「『思えば遠くに来たもんだ』って、そんな歌があったな」



古代の迷宮。その奥にあった空飛ぶ船のブリッジで


ふと、そんな事を漏らす。



「たしかにな。あれからもう2年は経つのか」



気が付けば横に並ぶように甲冑をまとった女が立っている。

その髪は雪のように白く、その目は燃える炎の色。

何よりも特徴的なのは、頭に生える角の存在だ。



「ん?…聞いてたのか、と言うか本当に動くのか?

いくら保存状態が良いとは言っても数千年は放置された遺物だぞ?」


「私に聞くな。そう言う事はアイツに聞いてくれ。

…説明はされたが頭が痛くなったんでな」



ふと浮かんだ疑問を投げれば、頭を振りつつそう言う。


戦いともなればまさに《鬼神》の如き活躍を見せるこいつも

頭を使う方は苦手だったな。



「むっ! なんとなく馬鹿にされた様な気がするぞ?

私は『おーい、ブリッジ! 聞こえるか~?』むぅ…間の悪い…」



「くくく…、『アーアー、こちらブリッジ。

ちゃんと聞こえてるぞ。そっちの調子はどうだ?

動力炉は? ケーブルの類に断線とかあったらシャレにならんぞ?』」



「『それが聞いてくれよ!! 保存状態もさることながら

この動力が前に見た『オータム城』に使われてた『エーテル炉』

なんかとは比較にならない…


「ア~…ハイハイ。ソノ話ハダーイブ聞イタカラ少シ黙ッテロ」


なんだ! 僕がまだ話しているの、うが!? 「…ようやく黙った」』



…あ~、ボコられたか。

アイツ、非力な割に杖の一撃は重いんだよなぁ…。


てか、やっぱり向こうで狂喜乱舞してたのか…。居なくて良かった。



「『おーい、黙らせるのは良いが、こっちは何をすればいいのかさっぱりだぞ?』


「…ちょ!?僕の扱ブベッ!?」


『…問題無い。ブリッジの正面に赤いレバーと水晶球があるはず。

…まず水晶球に触れて、出てくるコマンドの一番上を押してからレバーを引いて』」



了承し、球体に触れ、

説明通りに操作しレバーに手をかける。


何となく視線を感じるとソワソワした様子の鬼娘。


「…折角だし一緒に引こうぜ?

今を逃したら絶対にできない経験だ」



「…!! そ、そうだな。せっかくだしな…。っ…「「せ―、のっ!!」」



そう言って一緒にレバーを掴み一気に引く。



ゴウン! と大きな音を立て動力に火が灯り


ブリッジの各計器が正常に稼働し始め、…空飛ぶ船が息を吹き返す。



「『ブリッジ!!!大成功だ!!!くぅ~!!

この命が吹き込まれる瞬間!!この重低音!!たまら・・・ぐひょ!!


「…嬉しいのは分かるけど、煩い」「…多分聞コエテ無イゾ、完全ニ伸ビテル」』



そんな会話をしり目に事態は進行して行く。


これまで踏破してきた迷宮が割れ、数千年振りに太古の船が陽光を浴びる。



「『さて、故郷の言葉では「初フライト」って所なんだが…。

折角だし全員で言いたい事があるんだ』

『…言ってみて』『ヨッポド変ナ事ジャナケリャ付キ合ウゼ』『…僕もだ』「私も構わん」


『オッケー、じゃあ5秒カウントしたら『・・・』って言う。いいか?』


『『『「(…)オッケー!」』』』」




思い返してみよう。



『…じゃあカウント、5』



俺達の出会ったあの日を。



『アッ、ズリ―ゾ! 4!!』



これまでの冒険を。



『じゃあ僕が 3!』



そしてここから始まる。



「最後はお前だぞ? 2!!」



…俺達の物語を。



『オッケー!! 1 !!』



『『『「「発進!!」」』』』




…まぁ、続かないけどね!!







とりあえずキャラ説明をば…


『語り手』人間の男。日本出身のパーティーリーダー


「甲冑女」鬼族の女。パーティーの切り込み隊長


「機械男」人間の男。メカニック担当で知識人


「片言男」魔族の男。回復・支援担当でガラが悪い


「無口女」エルフの女。魔法攻撃担当。固定砲台



実は全員別々の世界出身で

ある存在に迷宮の踏破を依頼された勇者達。


しかし、問題の迷宮に入るには上空からの侵入しか無く


古い文献に記された“空飛ぶ船”があるとされる遺跡に向かい


2年の歳月の果て、ようやく目的の船を手に入れ

問題の迷宮へ…。



と言う夢でした。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ