昼過ぎのガシャドクロを探して
掲載日:2026/09/14
私は街を歩いていると、いろんなものを見つける。
地面にスタンプのように押し付けられ、剥がれた塗装にクチバシを伸ばしているアホウドリや、駐車場の隅でフェンスにもたれ掛かり、横切る人々を頑なに眺めているハイイロオオカミ。
とりわけ、昼過ぎにガシャドクロを見つけたときにはとても驚いた。隣を歩いていた彼女に、「あ!あそこにガシャドクロがいる!」と言ってしまった。
それを聞いた彼女も、「えぇ?――あ?あっ本当だ!!」と納得していた。
◇
ガシャドクロはマンションの壁面に現れていた。
電柱に取り着けられている機器と電線が重なった影は、マンションの壁に「人の胸郭」を作り出していた。
その胸郭の大きさは、人の背丈をゆうに超え、3メートルから4メートルほどの大きさがある。
私は、その大きさによる迫力と、人の胸郭のように重なる怪奇な影に、浮世絵の「ガシャドクロ」を重ねた。
あの影の重なりは、自然が作る偶然にしては、出来過ぎている。
本当は――ガシャドクロやアホウドリ、それにハイイロオオカミの写真を載せたい。しかし、権利やプライバシーの侵害などのトラブルが怖いから、載せられない。
だからさ。
街中で探してよ。
塗装をついばむアホウドリ。
人を見つめるハイイロオオカミ。
そして、昼過ぎに現れるガシャドクロを。




