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恋活聖女 〜お友達の女勇者さんの傍ら、私はしっぽり未来の伴侶探しの旅に出ますの〜  作者: ちむちー
【第2章 大森林動乱編】

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エルフ族の方々って性欲はあるのかしら……

 


 森の、奥の、奥の、さらに奥。

 そこそこ深いところまでやってましたの。


 振り返っても入り口のイの字も目に映りません。


 そりゃあ一日中歩いていたら右を向いても左を向いても木しか見えない場所に来てしまうわけですわよね。


 不幸中の幸いと言えばよろしいのか、花畑を過ぎたのち、夜を迎えるほんの少し前にテントを張れる場所を見つけられたのでございます。


 ある程度開けていないと焚き火もできませんからね。燃え移ったら大変ですもの。


 一応ながら周囲にも結界魔法を張っておきましたゆえ、とりあえず今晩の安全は確保したも同然ですの。


 ただいまは地面を掘って簡易的に作った焚き火かまどを囲んで、終日酷使し続けた足を労っているところなのでございます。


 火は万物の元ですの。

 コレがないと何も始まりませんの。

 全てを変える魔法の源と言えましょう。


 ただの干し肉でも炙ったら香ばしくなりますわよね。私、結構好きなんでしてよ。


 あくまでこっそりと、女神様にブチギレられない程度に食べちゃいますの!


 もひもひと頬張りながらも、お隣に座るスピカさんにも残りを手渡してさしあげます。



「それにしてもホントに広い森ですこと」


「いやぁー、さすがは大と名の付くだけのことはあるよねぇ。これだけ似たような木がいっぱい生えてると脳内マッピングも捗らないし」


「スピカさんで迷ってしまうなら、私なんて即遭難レベルでしてよ。これがあと数ヶ月も続くとは……おっそろしい限りですの」


 道に迷うどころか、その道さえも無い状態なのです。


 エルフ族の方に出会えたら、森の出口までの道案内とかお願いできませんかしらね。


 ご依頼費用はお金でイケますかしら。


 通貨は王都製のものでよろしくて?

 この森専用の通貨とかありますの?


 もしくは物々交換などになりましょうか。

 ふぅむ。価値のありそうなモノ、私持ってましたっけ……?



「……はッ! 閃きましたのッ!」


「うん? どしたの?」


 かくなる上はこの麗しき裸体を捧げますの……ッ!


 むふふ。むふふふ。

 我ながら最高に良い考えを思い付きましたわね。


 さぁ、素敵なエルフ族の殿方さんっ。


 瑞々しい私の上も下も手も足も大事なトコロも。

 アナタのお好きにお使いくださいましィ……!

 うぇっへっへっへっへっ。


 いーや、ちょっと待ってくださいまし。



「エルフ族の方々って性欲はあるのかしら……。長命種の発情期は数十年周期にもなると図鑑にデカデカと書いてありましたし……」


「えっとリリアちゃん!? どういう思考回路でその呟きになるのさ。そんな話ちっともしてなかったよね!?」


「ふふふふ……もしや私の嗜好にご興味がございまして?」


「ないけど」


 おおん。即蹴りされてしまいましたの。

 とっても残念ですの。


 掘り下げようと思えばそれこそ夜が明けるまで延々と語ってさしあげられますのに。


 少なくとも時間つぶしにはなりましてよ。


 まぁでも、森篭りの初日から夜更かしをする必要はございませんものね。


 先はまだまだ遠いのでございます。

 今日はもうお休みいたしましょう。


 疲れを翌日に残さないように、今夜は早めにテントの中で横になって、すやすやと夢の中でウハウハ薔薇色生活な妄想を繰り広げさせていただくことにいたしましょうか。




――そう思っていた、矢先のことでしたの。




「ッ!?」


 唐突に、スピカさんが立ち上がりなさいましたの。


 おまけに腰に下げた小刀(ナイフ)に手を当てて、周囲を警戒し始めたのでございます!


 どうなさいましたの!? 何事ですの!?

 そうお尋ねしようと思ったその瞬間っ!


 私の背筋辺りにイヤなモノが走りましたの!



「ふぅむッ!? 今のは!?」


 そこそこ後方から何者かの気配ッ!?

 私も彼女に遅れて察知できましたのッ!


 殺気にまでは至らないモノだったのですが、どこかの誰かからの明確な敵意を、この肌でビリビリと感じ取ってしまったのでございます……!


 おまけに肌に突き刺さるような感覚は……視線、なのでしょうか。


 それも一つや二つの視線ではございませんの。明らかに複数の箇所から同時に気配を察知してしまったのですッ!


 まるで私たちのことを観察しているのか、あるいは今から監視しようとしていたのか……何にせよあまり心地のよいモノではございません。



「さすがに近寄ってはこれないはずですの」


 テントの周囲には女神様直伝の結界魔法を展開しておりますゆえ、簡単には内側に侵入できないようになっております。


 しかしながら今回は簡易的な施術にしていたせいか、覗き込むこと自体は可能になっていたかもしれません。


 くぅ。やらかしましたの。



「……消えたのかな」


「……そうみたいですわね」


 私たちが気付いたそぶりを見せた瞬間から、気配を感じなくなりました。


 今はもう、何も感じ取れません。

 周囲にはいないはずですけれども。


 引き続き警戒しておくことに越したことはないと思いますの。



「今のは何だったのでしょう……? 野生動物? もしくは魔物? それとも……?」


「分かんない。けど、確実に近くにまで寄ってきてたね。どうする? 追いかけてみる?」


 ちょ、ちょっとぉ。

 冗談でもやめてくださいましっ。


 飛んで火にいる何とやらかもしれませんもの。



「聖女の結界魔法が早々に破られるとは思いませんけれども。念には念を入れて、しばらくの間は注意しておいたほうがよろしいかと思いますの」


「そうだね。寝るのはもう少し後にしようか」


 ふぅむ。森篭り初日から忙しいですの。

 交代で休眠しておくのがよいかもしれませんわね。

 

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