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婚活聖女 〜お友達の女勇者さんの傍ら、私はしっぽり未来の伴侶探しの旅に出ますの〜  作者: ちむちー
【第1章 王都周辺編】

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ま、まさかこの問題の真犯人って……!?


 私の言葉で表現し直させていただきましょうか。


 以下、チンピラさん方が仰るには、ですの。



①掲示板の討伐依頼書を見てその場所に向かってみた。


②しかしながら件の魔物はおらず、徒労に終わってしまっただけだった。


③無駄足になった分の補填をしてほしい。


④間違った依頼を出したギルド側に責任があるはずだ。



 とまぁ要するにこういうことですわよね?


 ふぅむ。クレームにしてはかなり直球かつ自分本位な内容かとは思いますが、たしかに実害を被っていらっしゃる可能性もゼロではなさそうに思われますの。


 今はまだ真偽のほどを確認してみなければ何とも言えませんけれども。


 ここはお一つ、質問責めタイムといきますの!



「あの、そもそものお話。依頼書の内容にミスなんて起こりえまして?」


 もちろん依頼書自体は人の手でご作成されているものでしょうから、誤字なり誤記載なりはいずれ発生してしまうんでしょうけれども。


 それでもある程度のレベルであれば貼り出す際に気付けるかと思われますし。


 依頼の内容そのものが間違っているだなんて、そんな冒険者ギルドの根本を覆すようなことがあるのでしょうか。


 真っ先に、そして素直に、純粋な疑問に満ち溢れた瞳をカウンター越しの受付さんに向けてみました。


 すると、即座にご返答をなさいましたの。



「いえ、まさかそんなはずは。私共も厳正かつ度重なる審査を経て依頼書を作成しておりますので。複数の目撃証言からの近隣調査を経て魔物の危険度を定め、適正等級と危険度の設定をし、更には期限と報奨――」


「ほわぁー、情報が右耳から入ってきては左耳へ抜けていきますのー。全然処理しきれませんのー」


「いやちゃんと聞こうねリリアちゃん」


「お、おっけですの……えっと、えっと」


 何だか小難しい単語をたくさん仰られたようですが、ワンテンポ置いてしっかりと噛み砕いてみれば、意外に理路整然とご回答してくださったような気もいたします。

 

 要するに、依頼書を作る時点では大きなミスなんてモノは早々には起こりえないってことですわよね?


 私もそれを願いたいばかりなのでございます。


 だってだって、冒険者ギルドがただの慈善事業(・・・・)であればいざ知らず、実際は依頼金のいくらかを仲介料として得ていらっしゃる企業(・・)運営なはずなんですの。


 キチンとお仕事として成り立っていなければ日々の経営費を捻出できませんでしょうし、ザルな業務ばかりでは受付さんの給料はおろか、その他のスタッフが皆一様も食いっぱぐれてしまうことでしょうし。


 お金を得るということは〝相応の責任を果たす〟ということに等しいのです。


 全部が全部無償の善意から成り立つほど、世の中は甘くはありませんものね。


 公金で生きてきた修道女が、ほんの少し背伸びをして出過ぎたことを宣っているだけに過ぎないかもしれませんけれども。


 お金を稼ぐという尊さと大変さを私なりにも理解はしているつもりです。


 だ、だからこそ前金だけを受け取って、早々にトンズラをキメ込んでしまおうなどという離れ技を思い付けるのでございますッ!


 私、不真面目ゆえに真面目なんですの。

 今一度無駄にドヤドヤさせていただきますの。


 ふぅむ、というわけですから、なるほど。


 トンズラをキメ込む……つまりは逃げ出す……。



「あ、そうですの。それで討伐対象の魔物って何だったんですの? 飛んだり跳ねたりして、お二方が到着なさる前にいなくなってしまった可能性は?」


「たーしかに! いないヤツは倒せないもんね!」


 この前提条件でしたら徒労に終わってしまう可能性も全くありえないわけではございません。


 その場に到着して討伐するだけならまだしも、魔物を探し出す必要もあるのなら滞在準備やら散策時間やら、色々と余計にかかってしまいますでしょうし。


 もし依頼書にあらかじめ範囲などが書かれていなければ、情報不足の一つとして考えられなくもないのです。


 受付様。その辺のほどはいかがでして?

 キチンとケアはされておりまして?


 もし事前に予防線が張ってあって、地域全域とか潜伏気質アリとか何とか書かれていれば、チンピラさん方の探索不足ということで丸く収めることができましてよ?


 彼女の目を見て再度確認させていただきます。



 ……やはり狼狽なさる雰囲気は感じられません。


 むしろ、その逆。はっきりとした瞳のまま。



「いえ、その可能性は考えられませんね」


 ほぼ断言レベルの語勢でお返しくださいましたの。


 あらまぁこれはまた強く出られましたこと。

 よほどの自信と確信をお持ちなのでございましょう。


 そのままシャッキリとした姿勢かつ堂々とした佇まいで、彼女がお言葉をお続けなさいます。



「といいますのも今回の討伐対象はヒュージプラント(・・・・・・・・)でしたから。その地に根を張る魔物に、基本的に移動は考えられません」



 受付様のご発言に、私とスピカさんは――



「「……へっ? ヒュージプラント……?」」



――ついついシンクロ気味な驚嘆の声を漏らしてしまったのでございますっ!


 適当な魔物の名前であればまだしも、その植物型魔物のコトでしたら正直思い当たる節しかありませんもの。


 ま、まさかこの問題の真犯人って……!?



 いや、別に犯人ではありませんけれどもっ。

 

 

 

いつのまにかもう10万字ですってよ奥さん←

 

ここまで来たら言っても許されるかな?

ご愛読いただきまして誠にありがとうございます!

これからもよろしくお願い申し上げます!

(*´v`*)

 

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