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婚活聖女 〜お友達の女勇者さんの傍ら、私はしっぽり未来の伴侶探しの旅に出ますの〜  作者: ちむちー
【第2章 大森林動乱編】

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……ふぅむ? フラグって何ですの?



――――――

――――


――



 それから数日が経過いたしました。


 私の予想のとおり、この集落の主食はお芋系統だったようで、大小各色様々な種類の芋類を手に入れることができましたの。


 煮ても焼いても蒸しても揚げても良しというスーパー万能食材ですものね。


 これで料理の幅も格段に広がるというものです。


 そして何よりの収穫だったのはこちらの……!



「うっわ……ヒト族ってこんなモノを身体に塗りたくりたいわけぇ……? マジで理解に苦しむわ」


「この泥だからイイんでしてよッ!」


 お肌つるっつるになる泥パックでございます!


 筒状の土器に入れてくださいましたの。


 聞くところによれば、微細な泥がお肌の隅々にまで入り込んで、洗い流す際に古い角質や皮脂を絡め取って一緒にサヨナラしてくださるとか!


 夢のモチモチ肌をゲットでしてよ!


 おまけに美顔用のローリング石もいただいちゃいましたの。


 頬や目尻の上で転がすとお肌がイイ感じに引き締まるとのことで!


 いやはやさすがは土と岩の集落ですわね!


 初めこそ小汚い場所かと警戒しておりましたが、実は掘り出し物の山だったのかもしれません。


 ……もう少々滞在して、お身体をキメッキメにしてからでもよろしいのでは?



「まぁいいわ。アタシは使わないから。そんなことより食糧も物資も調達し終えたはずよね。長居は無用、早速出発するわよ」


「うっへぇ、いつにもましてセッカチさんですの……!」


「尾行に注意しなさい。ただでさえザコ聖女はドンくさいんだから」

 

 わ、分かっておりましてよ。


 もしかしたらこちらの集落は〝反・魔王派〟に毒されたエルフ族の息がかかっているかもしれないんですもんね。


 住民の皆さまとお話した感じではそんな気配はございませんでしたが、一応念には念を入れておきたいと思いますの。


 移動式の結界魔法や認識阻害魔法があれば非常に便利なんですけれども。


 超高難易度の術式を何重にも組まねばなりませんゆえ、たとえ女神様の加護を受ける私であっても、簡単に扱えるモノではありませんの。


 寝泊まりするときだけでご勘弁くださいまし。



「キノコ洞窟の中を引き返す感じになりまして? あの洞窟はただの一本道でしたから、万が一にも追っ手がいるようであればすぐに気付けるかと思いますけれども」


「そうねぇ。この前手渡された地図を信じるなら、ちょーっと遠回りになっちゃうのよねぇ」


 確かに地図に描かれていた絵を思い出してみますと、キノコ洞窟からでなく、この集落からもいくつか道が伸びていたような気がいたしますの。


 むしろ別のルートがございませんと、陸の孤島となってしまっていたはずですもの。


 森の外に続く道があるならそちらを選ぶべきだと私も思いましてよ。



「ま、下手にルート選択で怪しまれたくはないし、普通にまっすぐ最短距離を進んでいきましょ。そのほうが到着も早いわ」


「了解ですのっ」


 私たちの旅は先を急ぐ旅ですもの。


 おそらく今回は最短の集落滞在にはなってしまいましたが、得られるモノ自体は多かったのですし。


 この旅を終えて帰る際に、もう一度この集落に立ち寄って、泥パックをかき集めさせていただきましょうか。


 美容は乙女の嗜みですものね。

 目指せ最強モテ聖女でしてよっ。



 とにかく先を歩くミントさんの後に続きます。


 ちなみにスピカさんは特に何の打ち合わせをせずとも私の更に後ろを歩いてくださいますの。


 縦に隊列を組む形で進むのです。


 視界の悪い森の中には前後左右に岩や木がございますゆえ、一人の目視だけでは注意しきれないのです。


 多角的に索敵してリスクを減らしませんとね。



「無事に出口まで辿り着けたらいいんだけどね……」


「ふぅむ? 珍しく弱気なご発言ですけれども」


「前の前の集落のこと、思い出しちゃってさ」


「前の、前でして……?」


 えっと、森の中で異能の特訓に励んでいたときに唐突に呼び出されてしまったアレのことでしょうか。


 地下牢に捕らえていたはずの白髪エルフのアコナさんが姿を消して、代わりに血だらけの看守エルフさんが倒れていた事件がありましたの。


 誰がどう見たってアコナさんが、もしくは私たちの知らない誰かによる反抗だったのでしょうし、そのどちらも、未だに見つかっていないようですし。


 この広い大森林に潜伏しているってことですわよね……?


 自ら〝反・魔王派〟に属していると挑発しなさっておりましたし、ということは私たちと敵対すると意思表示をしたも同義なのですし。


 足止めを試みるとすれば、森の出口付近が怪しいと踏んでおりますの。


 そちらに辿り着くまでに私の〝重さの異能〟を仕上げておかないといけませんわね。


 ミントさんとスピカさんの手助けができるようになりたいのです。


 動かない亀モグラのような敵ならよろしいのですが、それ以上の相手では今の私ではただの足手まといにしかなりませんもの。


 叶うなら二度と会いたくないですわね。


 平和に平穏にただ何事もなく、この大森林を後にしたいものですの。



 ……ふぅむ? フラグって何ですの?


 

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