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遠矢くんとまた明日。  作者: ねいろ
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大山友希の独白

前世の記憶を取り戻したのは、実をいうと最近のことだった。

高校の入学式の帰り道。とある人間の一生の記録が、脳内に滝のように流れ込んできた。そして思い出した。自分は、とある国の王の側近だったのだと。なぜ今思い出したのかはわからないが、自身の記憶でもあったからか、そのすべてをすんなりと受け入れている自分がいた。


陛下が亡くなった日のことを思い返していた。

陛下は、悪王討伐後はあっという間に衰弱していき、眠るように息を引き取った。病の原因はわからなかったが、もしかしたら、と思うことはあった。


あの日、悪王を討伐した日。自身を倒したエルスト陛下ではなく、俺を睨みつけていたあの目は、憎悪にまみれていた。


「貴様らには生涯わかるまい。余の慟哭の意味を!何も知らぬまま、知ろうともせぬまま、貴様らは自分の王を殺すのだ!」


悪王の最期の言葉が耳にこびりついて離れなかった。もし悪王の言葉に嘘がなかったとして、陛下が死んだのは俺達のせいだとはどういう意味だったのだろうか。

国が発展すればするほど、陛下が衰弱していったことは、関係していたのだろうか。わからない。知ろうともしないで、と悪王が言ったからではないが、俺は自分が過労で死ぬその瞬間まで、陛下の死の原因を探し続けていた。

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