池に落ちたら異世界に
バトルシーンを書けるかによって、ゆるふわストーリーになるか、ウキウキワクワクストーリーになるか分かりませんが、なるようにしかならないので、書き続けられるように頑張ります。
高校生だった筈の高山圭人は見知らぬ土地で素振りをしていた。
簡単に説明すると昨日家の近くにある大池公園でランニングしていたら、バランスを崩し池の中に落ちた。顔を拭ったらお金持ちの和風な家の池の中だった。
家の主人であるローランドに保護され一夜を過ごしたのだが、戻る方法は皆目見当がつかない。
「帰る方法は私が探しておくから」
ローランドの好意に甘え、朝食後にする事が無く真剣で素振りをしていたわけだ。
「真剣で何やってんのよ」
「素振りだけど」
「いや模擬刀で練習しなさいよ」
「えっと、ごめん。お手伝いさん」
茶髪のポニーテール少女は何か唱えた後、池の水を球体にして圭人の顔面に向けて飛ばしてきた。
「これで起きたかしら。化け物退治一家に侵入した挙句、私のことを使用人って揶揄うにももう少しマシな言い方あるわよ」
「悪かった」
「こらユリナ、客人に失礼だぞ。お前も自己紹介をしないのが悪い。この子は私の娘のユリナ。悪い子じゃないんだ。許してやってくれ」
「お父様!」
「これからユリナのパートナーになるのだから仲良くしなさい」
「パートナー?」
「帰る方法が見つからない間は私の家業を手伝ってもらおうと思ってね。君が良ければだけど」
「俺でよければ。バイトは慣れてるんで」
「ばい、と?」
ローランドとユリナは聞き慣れない言葉に首をかしげるが自分が住んでいた場所ではお手伝いのことだと伝えると納得してくれた。
どうやら、通じない言葉もあるらしい。
「俺は高山圭人。これからよろしく」
「ええ、よろしく。パートナーの件以外は」
★★★★★
ローランドの家は異形の生き物の討伐を生業としているらしい。ローランドにはユリナ以外に息子が一人いるらしいが忙しく、なかなか帰ってこないらしい。
「化け物退治は初めてだな」
「簡単に出来る仕事じゃないのに素性の知らない男を手伝わせるなんて」
「人手不足だからね」
「俺は構いません」
「私が困るんだけど」
ユリナに呆れられてしまうが、圭人は今までにたくさんのバイトをしてきた。
子どもの送り迎えや飲食店、宅配業に試合のメンバーと仕事もバラバラだ。家が貧乏だからだが、楽しく働いて能力を身につけている。
今回も大して心配していなかった。人生なんとかなる。いわゆる圭人は楽観主義者だったのだ。
「ユリナ、まずは圭人くんがどれに適しているか調べようか」
「そうね。まずはそこからかしら」
しかし、黒い犬と白い犬が部屋に突撃してきて予定は変更されることになる。
「ユリナ様、怪物が現れました。駆けつけましょう!」
「ローランド様、我々にご指示を」
「犬が喋った!」
「なんと失礼な若造だ。シロという名があるのだぞ」
「クロという名だ、若造」
「ごめん」
本日2回目の謝罪だと思っていると腕を引っ張られる。
「貴方も行くわよ。実際退治する相手を見ておいた方がいいわ」
危機感のない青年の圭人ですが、果たしてキリッとなるのだろうか。ユリナはきっと振り回されると思いますね。




