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軍服に萌える

こんにちは!

最近、このペースで書き続けると一年で40話くらいしか書けないことに気がつきました。

いや、まぁいいんですけどねぇ?

のんびり続けて…続け、て…( ;´Д`)

「フィフィ〜おはよぉ〜!」


話し合いのあと、もえが部屋に戻るとフィフィはまだぐっすりと眠っていた。

大声にも起きる気配がないので横にゴロンと転がり、フィフィの寝顔を眺める。

長いまつ毛に高い鼻。気の強い性格も寝ている間は息を潜め、儚さすら感じられる。

小さく、細い身体でどれだけ戦ってきたのだろうか。幼い心でどれだけ耐え続けてきたのか。

ゲームのフィフィなんてほとんど知らないもえだからこそ、先入観なしに目の前にいるフィフィを見てあげられる。


「もう…大丈夫だからね。もう、戦わなくていいの。耐えなくていいの。私が守るからね。」


聞こえてないとわかっていてそっと囁けば、フィフィがふにゃりと笑った。

もえもクスクスと笑いながら見守り続けた。









結局その日フィフィが起きたのはお昼が近くなった頃だった。


「ぅん…?いま、なんじ…?」


むにゅむにゅとフィフィが尋ねた。


「そろそろお昼だよ。フィフィはお寝坊さんだねぇ。」


ふふふと笑いながら答えるもえの声にフィフィはパチリと目を開けて飛び起きた。


「…えと、えっと、モエ?ホントに?夢じゃなかったのかしら…?」


頭がまわっていないのかキョトンとして尋ねるフィフィにもえは悶えた。いわゆるギャップ萌えである。


「ふへ…夢じゃないよ!んふふ…フィフィ…好きぃ…。」


もえはおかしな笑い声を上げながらそっと(もえ基準)フィフィを抱きしめた。


そのうちに意識がハッキリしてきたのか、フィフィは顔を赤くしながらそっぽを向いた。


「わ、私も…嫌いじゃ、ないですわっよ…?」


嬉しくなったもえの力が強くなり悲鳴をあげたのは余談である。


遅めの朝食(昼食)を食べながらもえはフィフィに自身について説明をした。


使える魔法のこと、とっても強いこと、フィフィが大好きなこと、知識がないこと、食事、睡眠はなくても平気なこと、フィフィが大好きなことなど。


「…じゃあモエはご飯を食べれないんですの?夜もお暇ですの…?」


しょぼーんとしたフィフィにもえは慌てて弁解をした。


「ち、違うよ!出来ないわけじゃないから!フィフィと一緒に食べたいって思ってるから!夜もぐーすか寝てるから!」


フィフィはまたしても頬を染めてそっぽを向いた。


「ま、まぁ。そういうことなら…ぃ、一緒に食べてもよろしくてよ…?」


これでもかというツンデレをくらったもえは心からの叫びをあげた。


「はいっ!よろこんでぇ!」


嬉しくなってフィフィに飛びついたら悲鳴を上げられたのは余談である。









フィフィは腐っても公爵令嬢なのだ。

1ヶ月後に迫ってきた誕生日も盛大に祝われる予定だ。

現に今日の夕方に衣装の採寸がある。

しかし、しかしだ!

今回はフィフィの誕生日以外にももえとの契約祝いを同時に行わなくてはならなくなった。

そのため、ドレスのデザインや色を決めるのが難しいのだ。

社交界デビューこそ果たしているが、まだまだ子供であるためある程度ふわりとした可愛らしいデザインに、もえの黒色でフィフィに似合うように作らなくてはいけない。

しかし、黒色というのは一歩間違えば喪服である。

採寸に来たお姉さんも頭を抱えてしまっていた。

同じく困っているフィフィと…妄想中のもえ。


もえの脳内では軍服風のドレスを着て銃を構えているフィフィたんが存在していた。

ドラゴンになり気の大きくなったもえはにっこりと微笑むと、お姉さんの肩に手を置いた。


「今回の件、私に任せて頂けませんか?」


お姉さんとフィフィは尊敬の眼差しでもえを見つめたが、後に この時問い詰めていれば… と苦悩することになる。


もえは前世でヲタク予備軍であった。

気に入ったものがあればとことん入れ込み、着こそしないものの、コスプレ用の服を作成することもしばしばだった。

そんな人がちょっと、いや大分行動力を持ち始めた時にドレスなんぞを作らせれば、結果はお察しである。






軍服姿のフィフィは鏡の前で固まっていた。

顔などは真っ青を通り越して真っ白だ。

反対にもえは満足そうに頷いているが。


この1ヶ月間。

もえは地道にドレスを作り続けていた。

指先に魔力を通し、ぎゅぎゅっと密集させて無理矢理糸として固定する。

指先に魔力を通し、ぎゅぎゅぎゅっと密集させて無理矢理布として固定する。

多量の魔力を消費するだけあって最高の肌触りに、様々な付与が施されていた。

防火防水、衝撃吸収、魔法反射、軽減などだ。

同じ要領でぐぐぐぐっと魔力を集めて靴の形を作ったため、国宝レベルの装備が出来上がった。


そもそも魔法とは魔力を炎や水にして放出しているものなので、ものっっっそい頑張ればどんなものにでも変えられるのである。

ちなみに、こんなことができる生物はほとんどいないと付け足しておこう。


話は戻るが、勿論腰にはベルトを締め、大きな襟を付けたそのドレスは全く新しいスタイルで、間違ってもお誕生日に着るものではなかった。

ちなみに銃については扇子で代用した。

髪飾りにはデカリボンを用意し、現在は寝ぼけたフィフィにそれを着せたところである。


「な、な、な、な…なんですの⁉︎このドレスはぁ!」


フィフィが思わず叫び声を上げるも代わりのドレスなどはなく。


「…終わりました。死にました。詰みました。なんでモエを信じちゃったのかしら…?」


ブツブツと自問自答をしているうちにとうとう会場に向かう時間が来てしまった。


フィフィは緊張でか怒りでか震える両手をぎゅっと握りしめ、恐る恐る一歩を踏み出した。

もえは着飾れて満足したのか嬉しそうに笑いながらフィフィの手をそっと握った。


(こんなことになったのに手を握られて嬉しくなるのは何故かしらね…?)


フィフィはそっと頰を染めて微笑んだ。


世の中の人々はこれを現実逃避という。






フィフィが名を呼ばれて会場に入ると二人は大きなざわめきに包まれた。

ヒソヒソとあちこちから話声が聞こえてくるが誰一人として話しかけてくることはない。

それはドレス故なのか、もえがいるからなのか。

微妙に居心地が悪い会場で立ち尽くしていると茶色いものが突っ込んできた。


「いやぁぁぁん!何よこの服!斬新だわ!素敵ぃぃぃぃぃ!誰のデザインですのぉ⁉︎」


うるさい。ただただうるさい。

もえとフィフィが揃って顔をしかめると茶髪の少女はハッとして俯いた。


「ご、ごめんなさい!とっても素敵なドレスだったから…。はじめまして。私レモシエル・エルドと申します。」


レモシエル、彼女は服ヲタであった。

この世界ではコスプレのような服は新しく、彼女の魂に火がついたらしい。

申し訳なさそうな彼女の挨拶にフィフィは鷹揚に頷いてみせた。


「フィフィリア・イディアよ。このドレスをデザインしたのはこちらのモエですの。」


フィフィが横にいたもえを紹介すると、レモシエルがキラキラとした視線を向けた。


「あー…もえです。ひぃちゃんて呼んでね。」


もえの挨拶にフィフィがキョトンと首を傾げた。不思議そうな顔のフィフィにもえがニヤリと笑ってみせた。


「名前を呼ばせるのはフィフィだけだよ?」


「〜〜〜〜〜ッ!」


真っ赤になったフィフィを見て癒されているとやっとフィフィパパが二人を呼びにきた。


「…フィフィ、挨拶をしなさい。ヒイラギ様もこちらへお願いします。」


フィフィパパは調教済みである。


ありがとうございました。

次回は息抜きに本編以外を書きます。

いや、飽き性なんですよ!

そろそろ終わりそう()

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