真化しました(誤字じゃないよ)
『進化』。
この言葉を聞いて僕は小躍りした。
やっぱりこの世界でもあるのかと。
正直不安だった。もし進化がなかったら僕はこの荷車と一生付き合っていかなければならない
あの、だせえ名前の馬のフィギュアを失くしたら、天使に連れてかれる死と隣り合わせの日々。
怖くてアイテムストレージからあのだせえ名前のフィギュアをだしたことはない……
「タナカ、やったよ私Lv10になった!」
屍のようだからの奇襲を始めて2週間がたった。
ついに僕とリリアはLv10に到達した。
Lv10は最下級職が進化できるLvだ。
あとは条件を満たせば進化できる。
進化はLvだけでできることじゃない。必要Lvと進化先ごとの条件達成が必要だ。
例えば『戦士ゾンビ』になりたいとする。『村人ゾンビ』をLv10+魔物を50匹討伐するとはれて進化できるという具合だ。
どこぞのRPGみたいに神殿には行ってはいけない。お焚き上げ供養されてしまう……
「おめでとうリリア、早速、進化条件を確認してみなよ」
僕は既に条件はクリアしている。フフフ……
リリアはステータスプレートをみるやいなや慌ててポケットにしまった。怪しい……
「どうだったリリア?条件クリアできてた?」
リリアは頬を赤らめながら、別にタナカに関係ないでしょとか言って怒り出した。怪しい……
怪しいが……
「そっか。じゃあご飯にしようか。今日はもう休もう」
僕は紳士だ。女の子の隠し事を無理矢理暴いたりしない。紳士ゾンビだ。
今日の晩御飯は
メイン:狼の姿焼き
前菜:狼の姿焼き
付け合わせ:狼の姿焼きだ。
タイトルは”狼の姿焼き~腐ったパンを添えて~”
「さてと、お腹もいっぱいになったところで僕は進化するよ。リリアもみててね」
僕はアイテムストレージから馬の死体を2つとりだす。奇襲の戦利品だ
こいつに『不死王の杭』を突き刺すと……
「ヒヒーン!」
馬ゾンビの出来上がりだ!
これで条件は整った。
コンソールに進化の文字が表示されている。僕はそれをタッチした。
周囲から黒い靄が噴出して、僕と馬ゾンビ2匹を包む
意識が一瞬とぎれ、目を覚ますと、僕は馬の手綱を握っていた。
馬車ゾンビ”タナカ”
Lv1
HP 34/34
力 28
防御 24
早さ 27
隠密 86
MP 進化したところでお前の価値は変わらない
スキル:馬を引く(タナカのくせに…)
硬貨を拾う
木の板で殴る(木の板もうないけどな…プ)
称号:多すぎて載せきれないので、称号リストから確認してください(自重しろハゲ)
となっていた。悪意しかねえだろ……
さてと、ステータス表記はともかく無事進化できてよかった。
「さてと、次はリリアの番だよ」
リリアはビクッとすると、私はいい!と言い生まれ変わってホロ付きになった僕の馬車へ入っていった……
僕は馬車の中で横になっている。
前世の人間だったころの記憶があるからなのか、眠れない体なのに目を閉じてしまう。
ボスン、僕のお腹に軽い衝撃が加わる。リリアだな…全くお転婆さんなんだから、明日も早いしちゃんと睡眠はとらないとと思いながら目を開けると、僕の上にはやっぱりリリアがいた。
ただし上裸……
え……?
「ど、どうしたのリリア、あ、汗でもかいたのかな…?」
動揺が半端ない……
「私、サキュバス……」
おう知ってますとも……(汗)
「進化の条件は……わかる…よね……?」
お……おう……全くわからんけども……というか目が血走り過ぎて怖いですよリリアさんや…(汗)
「ま、まあちょっと落ち着こうよ…そうだ今日新しい飲み物を考案したんだ…腐ったパンをさらに発酵させて、水と混ぜ合わせて作るパン酒っていう…あっ…ちょっと…」
「ぼ、僕童貞だからそういうのはちょッ…あああああああああ~」
その夜僕はリリアに蹂躙され、朝になるとリリアは進化していた……。
そして僕は…
称号 ロリコン(真性) を獲得しました。