断じて私はロリコンではありません神に誓います
暗い夜、真っ暗闇の中パチパチと焚火の音が響き渡る。
今僕は野宿をしてる。『ハジマリテ』を少し離れた草原の一角だ。
損な性格してるせいで、うっかり面倒ごとに巻き込まれちゃったな……
「パン食べる?腐ってるけど……」
「いらない……」
ですよねー……。
グウウゥ~
「ツッ!」
わかったよ。わかったって。そんな泣きそうな目で見ないでくれよ。全く……。
僕は近くにいた野ウサギを狩って、皮剥いで、焚火であぶった…
称号 お前この世界に動物愛護団体があったら人生詰んでるからな? を獲得しました。
うるせえよ……。
「はいこれ、焼きあがったから食べなよ。僕は腐ったパンがあるから全部食べていいよ」
なんか嫌味いってるみたくなった。
「ハグッハグッ」
相当お腹減ってたみたいだ……
「水もあるよ…。」
僕は投げ渡す。
「ゴクッ!ゴクッ!」
……。
水を勢いよく飲み干し、一息つくと、少女は口を開いた。
「ありがとう……」
「どういたしまして。僕はタナカ。君は?」
「リリア……」
焚火がパチッと弾け、一瞬少女の顔を照らす。
紅眼の瞳が僕を恐る恐る見つめていた。
”リリア”か。可愛い名前だ…。よく見ると整った顔立ちをしている…。名は体を表すっていうしね。
「リリア……。言いたくなかったら言わなくてもいいんだけど、どうして磔にされてたんだい?」
僕はリリアに尋ねる。
「……。」
やっぱり話したくないか……
と、思いきや、ポツリポツリとリリアは語り始めた。
「私サキュバス……悪魔族の子供……」
「お母さん、具合悪い……。だから薬買いに来た……」
「そしたら、悪魔族がこの町に何しにきたって……鎧きた人たちに捕まって……それで……それで…ヒグッ…」
そこまで語ると、今までの境遇を思い出したのか、リリアは泣き始めてしまった。
なるほどな……。
『ゾンビーズ』の世界では悪魔族は災いをもたらす種族として全ての種族から忌み嫌われているって設定があったっけ……。
ゲームの設定と違う部分が多々あるけど、そこはこの世界でも同じってわけか…ふーむ…。
僕が考える人になっていると、リリアは泣き疲れてウトウトしだした。
「僕はゾンビだから睡眠はいらないんだ。ちゃんと見張っておくから今日はもうお休み」
この体になってからというもの、睡眠というものに縁がなくなった。
生前、惰眠をむさぼることが趣味の一つでもあったので少し寂しい……。
「嫌……。怖い……寝てる間にいなくならないで……ヒグッ」
今までの境遇から察するに、相当怖いのだろう。
不安に耐えきれなかったのか、再びリリアは泣き始めてしまった。
わかった。わかったって。泣くなよもう……
「わかったよ、じゃあ僕の膝を枕にしていいよ。いなくならないから…」
人肌は安心感をもたらすからな……。まあ僕はゾンビだし、体が冷たいけど……。
そう告げると安心したのか、リリアは恐る恐る僕に近づき、僕の膝を枕にして眠りだした。
僕はリリアにローブをかけてあげる。
「悪魔族か……」
僕はふと空を見上げながらぽつりとつぶやくとおなじみの文字が目の前に表示された。
称号 ロリコン中級者 を獲得しました。
殺すぞ?