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ゾンビはじめました  作者: あきねこ
第1章 ゾンビはじめました
4/31

始まりの街で天使に襲われました

ここは始まりの街「ハジマリテ」


大きなクリスタルでできた城があり、その下に城下町が広がっている。典型的な中世っぽい感じだ。


ただ普通のRPGと一味違う部分がある。


ゲームの時の「ハジマリテ」は死者が運営する死者の街って設定だったことだ……


市場で野菜売ってるのは”商売ゾンビ”、武器屋やってるのは”武器屋ゾンビ”、路地裏で転がってんのは”クズゾンビ”みたいな感じだ


『始まりの森』はゲームの時と違いが全くと言っていいほどなかった。


実際の戦いとゲームの中の戦いは違う。命の取り合いだから怖いのは当たり前だ!なんて熱い描写が転生モノのラノベの鉄板ネタの一つになってたが、僕は全く恐怖を感じなかった。多分ゾンビの種族耐性の一つ恐怖耐性の影響かな……。


てかよく考えたら恐怖も糞もねえわ……


つかゾンビだし……既に死んでるし……。


ゾンビ転生したせいで、戦いのドキドキ感みたいなものが全くなかったわけで、今回の『ハジマリテ』にはめっちゃ期待した。


門番Aに「貴様何者だ!?」なんて掴みかかられてイベント発生みたいなやつもちょっぴり期待してた。


ーー普通に門くぐれたわ。


門くぐったら普通に人いた。ゾンビも普通にいた。生者と死者が共存して生きてるって感じだな




教会にいったらゾンビが懺悔してた。



お金がなかったので右目売りました。母なるマリア様から頂いた体を粗末に扱って申し訳ありません。みたいなこと言ってたわ。元気出せよ。500円やるよ。




さてここで困ったことが起きた。墓荒らしで手に入れた『黒真珠』。



これはお金に変えれるいわゆる換金アイテムだ。それ以外に用途はない。だからアイテムショップで売ろうとしたんだ。


でも荷車しょって店に入るわけにはいかない。


だから荷車を店の前において入ろうとしたら、パーパラッパーとかどこからともなくラッパの神々しい音楽が流れだして、裸の小さな子供天使が舞い降りてきたんだ。


フ〇ンダースの犬で最後出てくるあいつだ。


連れていかれかけた…



ホント焦ったよ……荷車に戻ったら帰っていったけど……



また荷車から離れたら奴らが来るんだ。周りの人はおぉ神よとかいって祈り捧げだすし……




どうしようか困ってたら


「ファッーファッファ、困ってんだろ兄ちゃん?」


右目飛び出してるおっさんゾンビに声かけられた……


どうやらおっさんも荷車ゾンビらしくて、この町で行商人やってるみたい。


因みに名前はキヨシで、既婚者らしい。妻と娘が家でお腹を空かせて待ってるみたいだ。



「俺たち荷車ゾンビは荷車から離れたら死んじまうんだよ、荷車ってのは体の一部だぜ?」



なんか哲学的なこと言われた……



「でもよ、それだと店に入って酒すら飲めねえ、これじゃゾンビ人生楽しめねえ…なあそう思うだろ……?」




ゾンビって酒のめんのかよ……つうかゾンビ人生ってなんだよ……



「だからこいつを俺達は肌身離さず持ってなきゃいけねぇ。”馬車の依り代(俺らの誇り)”。こいつを持ってれば荷車から離れても大丈夫だ。」




そういって小さい馬車のフィギュアをくれた。俺らの誇りってアイテム名ダサくねえか?





そうして、どうにか『黒真珠』を換金できた。5万エーンだった。








称号 乞食を獲得しました










うるせえよ……。

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